列車ダイヤについて --  3ー89 マイナンバーカードの普及率が上がりません

                                      2022年9月25日  

    3ー89 マイナンバーカードの普及率が上がりません
    
  マイナポイントの給付などを行っても、マイナンバーカードがなかなか普及しません。
  
  20,000円分のポイントを給付しても、マイナンバーカードの普及率がおよそ50%というのは、
  それほど評判の良くないCOCOAのダウンロード数が4,000万近いことを考えると、
  相当低いと言えます。
  
  なぜマイナンバーカードがなかなか普及しないかというと、セキュリティーの不安があるのが
  一番の理由だそうです。私は、あまりセキュリティーの不安は持っていません。
  事実は確認できていませんが、マイナンバーカードを持っている持っていないにかかわらず、
  マイナンバーは基本的にすべての住民に割り振られていますから、
  機密情報が漏洩するなら、すでに漏洩しているのではないかと思います。
  マイナンバーカードを申請することで、個人情報を保存することや使用することに同意するという
  規則になっているとしたら、申請にあたって具体的に列挙すべきです。
  国の事業だからとか地方自治体の事業だから、信用してくださいというのは駄目です。
  
  マイナポータルに公金受取口座を登録しようとしたら、自治体の人とのコミュニケーションミスで、
  健康保険証まで登録されてしまうという事がありました。そして、登録を削除できないそうです。
  社会保険から国民健康保険への切り替えなどの際に、マイナンバーカードに登録する
  健康保険の情報を更新するはずなので、システム的には登録の削除も可能だと思いますが、
  このような取り扱いの不透明性がセキュリティーの不安につながっているのかもしれません。
  
  マイナンバーカードを持つか持たないかは、個人の自由なはずなので、カードの普及率によって、
  デジタル田園都市国家構想推進の地方交付税に差をつけるというのは納得がいきません。
  マイナンバーカードを持っていても、居住する地方自治体のカードの普及率によって、
  国や自治体のサービスに差がつくというのは納得がいきません。
  
  カードの普及率が100%になるとは思えないので、マイナンバーカードの普及事業が、
  総務省の予算獲得のための打出の小槌になるのではないかという不安があります。
  コロナ感染症のワクチン接種の場合は、副反応に対する不安もあったものの、感染症対策の切り札
  としての期待も大きかったので、号令をかければ、想像以上の速度で、ワクチン接種が進んだのでしょうが、
  マイナンバーカードは、マイナポイントがもらえる以外、どんなものかほとんど
  具体的なイメージを持っていない人が多いので、いくらうさぎのぬいぐるみのCMを見ても、
  あまり普及は進まないのではないかと思います。
  
  マイナンバーカードを持っていても、ほとんど使っていないという人が多いなかで、
  所得税の確定申告の際には、マイナンバーカードを使って、e−Taxで申告を行っているという人が
  かなりいます。大量の証憑書類を貼付しなくて済むだけで、デジタル化の恩恵を実感できます。
  現在は、給与所得者は、確定申告を行う人も、一部の高額所得者を除いて、必ず年末調整を
  行わなければなりませんが、ひとつのアイディアとして、全員が確定申告をし、
  所得が無い人には、ベーシックインカムに相当する、給付金を給付するという考え方があります。
  税務署はかなり正確にすべての人の所得を把握しているので、生活保護より簡単な手続きでかつ的確に
  低所得者に給付を行うことが出来そうです。
  高校の家庭科で金融に関する教育を行うそうですが、3級簿記相当の複式簿記の知識と、
  所得税の確定申告の方法を教育し、成人になった時点で、マイナンバーカードを取得して、
  アルバイトをしている人は、給与所得の確定申告あるいは、ベーシックインカムの給付の申請をすれば、
  会計の知識が身につきかつマイナンバーカードの所有も進みます。
  所得税の確定申告を電卓で計算して、正確な納付税額を求めるのは相当困難ですが、
  一度e−Taxで申告を行い、データーを保存しておけば、2年目からは、保存しておいたデーターを
  読み込むことで、容易に計算することができます。
  行政のデジタル化の恩恵を感じることができます。
  
  マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の分野で使用することになっています。
  マイナンバーが割り振られてから、6年経っていますから、どのように使われどのような効果が
  あがっているかを報告すべきです。日本医師会は最初医療保険の分野にマイナンバーを使うことに
  反対しました。そして、コロナ感染症で医療が逼迫するという経験をしたので、
  マイナンバーは有効に使われたのか、使われなかったのか報告すべきです。
  マイナンバーカードが普及するまでは、マイナンバーは有効に使うことはできないという説明は
  6年前にはありませんでした。健康保険証では、どうゆう理由で何ができなくて、マイナンバー
  があるだけでも出来なくて、マイナンバーカードがあってはじめて可能になることが何なのかと
  その理由を明らかにすべきです。
  それから、総務省の職員の人は、全員マイナンバーカードを所有し、毎月1ヶ月間に何回使って、
  どのような有用性を経験したかの統計データーを公表すべきです。
  現在までに、マイナンバーを使用して、業務の合理化でどれだけの費用が削減できたかの
  費用対効果も公表し、マイナンバーカードの普及率が、50%の時点での費用対効果と、
  100%までについて、10%づつ増加した時点での費用対効果の改善の予測の数字も公表すべきです。
  政治家や行政の説明を聞いていてもデジタル技術について、十分に考慮しているという感覚がありません。
  政治家の人で、消費税の一時減税を訴える人がいますが、消費税が変更になる際の経過措置への対応
  をシステムに組み込むのは大変な労力です。そして、経過措置を慎重にやらないと、
  10%課税で仕入れた材料を使って、加工し1−2ヶ月後に5%課税で製品を販売する人は、
  消費税減税のために、キャッシュがなくなって経営破綻するおそれがあります。
  それに比べて、所得税の税額控除によるベーシックインカムの給付は、現在の所得税の
  計算方法に変化がなく、課税総所得金額に、超過累進税率を掛けて、税額を計算し、
  最後の納付税額の計算の際に、課税総所得金額に応じて、低所得者にのみ、
  税額控除によるベーシックインカムの給付を行うことができるので、システムの対応も簡潔で、
  低所得者にのみ給付を行うことができます。
  ITシステムをいかに有効に効率的に使うかを考慮せず、人気がとれそうな消費税の一時減税や、
  徴税は、国税庁と財務省、給付は総務省、生活保護は厚生労働省という縦割りの壁を維持するために
  ITシステムを使おうとすると、何の利便性も得られないだけでなく、システム購入のための
  予算だけが増大します。
  
  行政がデジタル化されることで、多くの人が、納税や税金の使いみちに関心を持つようになることが期待されますが、
  実際はあいまいにしておきたいのではないかと感じることがあります。
  
  同じことは、一部の宗教法人の違法ではないかと疑われる寄付についても感じます。
  過去の事例について明らかにすることももちろん大事ですが、将来にむけて、
  宗教法人の活動を明らかにすることも重要です。
  アメリカでは教会などの宗教法人への寄付に対し、税額控除が認められます。ふるさと納税と同じです。
  そのために、宗教法人は受け取った寄付金の額を証明する書類を寄付した人に送るとともに、
  税務署にも送ります。寄付の実態がクリアになります。
  日本では、あまり明らかにする意図がなく、嵐が過ぎ去って皆が忘れるのを待っているような
  言動がみられます。
  
  ワクチン接種に関連するVRSのシステムのデーターも法律的な保存期間は5年で、
  一部の自治体が独自に10年間保存しようとしているそうです。
  次の感染症が10年後に広まった時、データーを廃棄していては、役にたちません。
  法律の規定もデジタル技術のメリットが活かされるかたちに改める必要があります。
  
  行政のデジタル化のためには、マイナンバーカードの普及だけでなく、行政手続きを合理的なものにしなければ
  なりません。住民基本台帳ネットワークについて、システムの構成だけでなく、
  データーの保存方法についても議論する必要があります。
  IT技術の観点だけで言えば、住民基本台帳は各自治体で持っている必要はありません。
  全国的なひとつのデーターベースにしたほうが、データーの整合性の観点からは望ましいです。
  住民基本台帳と戸籍簿さらにパスポートの関連については議論されていませんが、
  IT技術の観点だけで言えば、世界的にひとつのデーターベースにすることに利点があります。
  例えば、犯罪の容疑者を入国審査の時点で発見するなどが容易になります。
  物理的には分散していても、論理的には統合していることで、関連データーベースの利点を
  最大限活かすことができます。論理的に異なるデーターベース間で、データーの整合性を維持するのは、
  それほど簡単なことではありません。
  もし国連が中心となって、世界的な統合データーベースをつくると、IT技術の威力を発揮する分野があります。
  日本が非常任理事国になるので、行政のデジタル化についても世界的な視点で考え、世界に
  新しい考え方を提案していくこともできます。
  提案したからといって、すぐに採用されるとはとても思えません。
  失敗をおそれず新しいことに挑むというと、良い意味に使われることが多いですが、
  確率的には厳しい批判を受けることのほうが多いと思います。
  しかし以前の地球温暖化対策の会議のように、石炭火力発電について日本国内の関係者の意見を慎重に検討して発言して、
  世界中から非難をあびる位なら、IT技術の使用について、失敗をおそれず新しい考え方を提案して、
  世界中から非難をあびるほうがまだましとも言えます。
  日本の行政のデジタル化を考える時、世界的視野をもって考えなければ、良いやり方は見えてこないと思います。
  
  20年前、国際協力のプロジェクトに参加した時、経産省のOBの人が、
  インターネットは雲の上の話(クラウドという意味ではありません)で、開発途上国には必要無いと言いました。
  これを聞いて、e−Japan構想は失敗するだろうと思いました。
  コンピューター2000年問題でSEはすごく不足しました。それから、ITバブルがはじけて、
  SEは余ったのですが、上手にe−Japan構想関連の予算の分配を受けて生き延びた会社がありました。
  多くは革新的な技術開発をすることなく生き延びたことで、e−Japan構想関連の予算がなくなった頃に
  決定的にコケました。
  今回、デジタル田園都市国家構想が失敗したら、またプロジェクトが失敗したでは済まないと思います。
  デジタル田園都市国家構想を、e−Japan構想のような、ビジョンのない予算のバラマキにしてはいけません。
  経済政策や外交の分野で、デジタル化に成功した国に大きく遅れをとり、
  20年後に日本が先進国でいることが困難になると思います。