列車ダイヤについて -- 3ー79 給付金詐欺について
2022年6月15日
3ー79 給付金詐欺について
持続化給付金の詐欺事件が起きました。
持続化給付金の申請は、原則として、専用のホームページから行う形になりました。
そのため、国に提出する書類の作成を代行して報酬を受け取ることができる、
行政書士の他、無償で、申請者本人以外が、申請フォームの入力と送信等の支援を行っても良いことになりました。
例えば顧問税理士の人が、必要資料のデータ化を代行し、本人の意思を確認した上で、
支援者である税理士が代わりに送信ボタンを押す、などが可能でした。
この仕組みを悪用して、違法な資料を作成して、本人に代わって申請資料の送信を行ったり、
違法な資料の作成方法を指南するなどの詐欺行為がありました。
行政がデジタル化されると、このような不正が増加すると思います。
アナログな仕組みなら、毎日同じ人が、何か怪しそうな申請書類を持参してくれば、
窓口の人が気づきます。
違法な手書きの紙の資料を作成するには、それなりに時間がかかるので、不正行為の報酬が高くなります。
しかし、オンライン申請で、コピペで申請書類が作成できれば、不正行為を簡単に大量に行うことができます。
行政書士や顧問税理士のような専門家の人が不正を行うことはまずありません。リスクが高すぎます。
国税局の人が不正行為を行いましたが、これは業務として行った行為ではありません。
給付金詐欺を防ぐ次のような方法が考えられます。
専門家の人の数を増やして、一般の人が、専門家のサービスを気軽に利用できるようにする。
誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を行い、本人が申請するのが当然だという環境をつくる。
ホームページからデジタルで申請を受けたということは、申請データーがデジタルで保存されています。
それを利用して、いったん申請を受理しても必ず、すべてのデーターを検証して、不正を見逃すことはない
という、共通理解を深める。
給付金詐欺に限らず、行政のデジタル化について、私が以前長期出張した、中米の国の状況と比較して、
述べてみます。
アナログ業務では、ほとんどの場所で日本のほうが、業務の品質と生産性がはるかに高いです。
量販店で、家電製品を買うとします。不正をはたらく人が多数いるので、一つづつ商品のダンボール箱をあけて、
保証書等の書類のシリアル番号と実際の製品のシリアル番号が一致することを確認し、付属品がすべて同梱されている
ことを確認します。2〜3人待っているだけだと思っても、ものすごく時間がかかります。
運転免許試験場の試験官に賄賂をわたしておいて、合格にしてもらうのは常識です。
銀行の窓口の人が、帯封のなかの札束から、少しの現金を抜き取る行為も比較的一般的です。
こういう環境だと、人々は業務のデジタル化を希望します。
銀行の窓口の人より、ATMのほうが、信頼性が高いと言っていました。
たまに、ATMが止まっても、あまり文句を言いません。
専門家、例えば弁護士のサービスを受けるのは、日本よりはるかに一般的です。
ある日、出張先の職場の人が急に休みたいと言いました。
翌日、事情がわかりました。その人は3ヶ月前に結婚しました。その国では、
婚姻届を提出する前に、教会で確認を受けるか、弁護士に確認を受ける必要があります。
その人は弁護士に頼んだのですが、3ヶ月経って確認してみると、届けが出されていなかったそうです。
そこで、もっと料金の高い弁護士に頼んで、至急手続きを行い、さらにもとの弁護士にたいし
民事訴訟をおこすための相談のために急遽休みをとったそうです。
警察が押収した大量の麻薬が、保管中に無くなっていることがわかり大問題になりました。
警察官が横流しして報酬を得たのではないかということで、厳重な調査が行われましたが、
結局、ねずみがかじったようだということで、調査は終わりになりました。
このような国なら、デジタル化してもあまり品質は上がらないだろうと思いますが、
意外とそうではありません。
多くの人が、デジタル化すれば、今よりましになるだろうと思うので、あまり反対する人がいません。
悪意がなくても、現在の仕事がいいかげんという状況もあります。
例えば、選挙の開票が数え直すたびに票数が変わっても、まあ大差がついているので、それほど
問題にならないだろうと言っている状況なら、自動で数えることのできる仕組みは歓迎されます。
デジタル化にたいし、それほど高い品質を要求しないことと、アメリカから、そのままのシステムを
とりいれるので、デジタルシステムは意外と順調に動いています。
日本の場合、システムを導入する際に、大幅にカストマイズすることがあります。
例えば、ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)のシステムを導入する際、
売掛金の月締め請求など、どうしても機能を追加しなければならないのはわかるのですが、
カストマイズが貯まりに貯まって、ERPを導入せずに、独自のシステムを作るほうが良い
のではと思う状況になることがあります。
最初は業務の品質向上のためにおこなったカストマイズかもしれませんが、ERPのバージョンアップ
のたびにカストマイズの作業が必要になって業務の生産性が下がり、
以前カストマイズした時の人が移動しているために、何のためのカストマイズかわからないという、
つぎはぎのシステムになっていることがあります。
前述の中米の国では、このようなカストマイズを考えようという人があまりいません。
スペイン語が母国語の国ですが、自己申告で英語が堪能という人が、英語版のシステムをそのまま
使っていて、処理結果がめちゃくちゃということもあります。
それでもよほどのことが無い限りあまり気にしません。
システムを使う側の状況として、申請を代行してもらうということはあまりありません。
専門家にお金を払って、代行してもらうことはあります。
情報機器の使い方を無料で支援してくれるという考え方も日本独特です。
OSS(オープン・ソース・ソフトウェアー)は海外から広まった考え方ですが、
作業は有料でないと行わないのも常識です。OSSだからすべて無料だと思ったという議論が
ユーザーとベンダーの間でおこなわれるのも、日本独特の現象です。
中米の国なら、無料で代行してくれる人がいたら、まず疑います。受け取った給付金を
横取りされると思うので、あまり他人には頼みません。
一度、私がアメリカに出張することになった時、コンピューターの専門書を買ってきてほしいといわれた時、
前金を渡すといわれました。もし、無かった時などに面倒になるので、建て替え払いして、実際に買ったあとで、
精算したいといいましたが、納得しません。
横で聞いていた人が説明してくれました。
日本人と違って、この国の人は、他人を信用して建て替え払いする人などいない、
あと払いで良いというのは、この国では、買ってくるつもりが無い時の言い訳として使われると説明してくれました。
そこで、お金を預かって、アメリカに行きました。
ガバメントクラウドとして、米国製のクラウドシステムを取り入れ、行政のデジタル化をしようとする時、
今までアナログで行っていた業務を、デジタル化するのが基本です。
しかし、世界共通のやりかたをとりいれるほうが生産性があがる部分もあります。
責任の所在をはっきりすることなく、なんとなく信用してシステムでの手続きを代行してもらう
というのは、世界共通の考え方でないように思います。
システムの設定などの問題でなく、業務のやり方が根本的に異なる場合、
他国のシステムをカストマイズするのも、一からシステムを作るのも高くつくことがあります。
業務のやり方を見直してみる必要がある場合があります。
日本では、3月に所得税の確定申告の時期になると、税理士の人が、税務署の中で書類作成の無料相談の
サービスを行っています。最初、アメリカの公認会計士の人には奇妙に思えたということがありました。
アメリカ人の考え方は、IRS(内国歳入庁)の人と納税者が対等で公平な関係であることが保証されるのは、
納税者が、有料で、公認会計士のサービスを利用できるからで、公認会計士は完全に納税者の
立場で考えなければならないと思っています。
日本人の税理士の半数が、国税庁のOBという話を聞いて、
税務署側の人が、申告書類の内容の相談を行っていることが不思議だったようです。
税理士の人は、国税庁のOBだけでなく、税理士試験に合格した人もいて、税理士の人は、
納税者の立場でアドバイスをしていると説明したところ納得しました。
行政がデジタル化するだけでなく、国際化も進むと思います。
デジタル情報は海外にも迅速に送ることができます。租税法は各国で独自の方針で決めるものですが、
世界的に調整する重要性が増しています。
行政のデジタル化とあわせて、世界中の誰が聞いても納得できる施政方針をたてることの重要性が
ますます高まると思います。
行政機関での業務処理が、誰が聞いても納得できる方針に基づいて行われているかということについては、
多いに疑問があります。
健康保険証をいずれ廃止して、マイナンバーカードに統一するという政策です。
年金手帳に代わり「基礎年金番号通知書」というカードを送付するのなら、
年金手帳を廃止して、マイナンバーカードを持って年金事務所に行けばすべての手続きができるシステム
にして欲しかったと思います。理由は、マイナンバーカードの所有率が100%になることは近いうちには
ないと思われるので、健康保険証を廃止できないと思うからです。
それに対して、すでに年金手帳を持っている人には変化がなく、新しく、年金の被保険者資格の取得する人は、
若い人が多いので、マイナンバーカードに統一することが可能ではないかと思うからです。
コロナ感染症の問題に関して、濃厚接触者とはどのようなものであったのかの説明がほとんどありません。
感染した人は、仕事を中断して、他者への感染を防ぐのは当然と思います。
しかし、濃厚接触者が自宅に籠もることにどれほどの意味があったのか、仕事を中断して
経済に影響を与えても行う必要があったのか、納得がいきません。
海外からの観光旅行者に対し、万が一コロナ感染症が発生した場合の濃厚接触者の判定のために、
移動中の座席の位置まで記録するそうです。COCOAのアプリを使って、これらの業務を自動化出来ないのか
疑問です。
インフルエンザがいずれ流行するだろうといわれていますが、感染者が見つかった時の連絡に
HER−SYSのシステムが使えるのではないかと思いますが、今後どのようにするのかがわかりません。
VRSのシステムは、インフルエンザの予防接種の予約にも使えると思います。
いまでも、「熱がある方は、病院に来ないでください」と掲示してあるところがあります。
インフルエンザに感染したら、どうするべきか、地域毎に、具体的に対応方法を示した
情報が必要です。
そして、何より個人的に聞きたいのが、私の携帯端末がなぜマイナポータルで使えないのかです。
接種証明書アプリでマイナンバーカードを読み込んで使用することができるのに、マイナーポータルアプリの
サポート対象外です。マイナーポータルアプリがサポートする機種を公開しているというのは、
説明になりません。なぜ、私は、取り残されるのかの説明を聞きたいと思います。
聞く力がある人なら、行政機関の説明を聞いて理解し、納得できるのかもしれませんが、
私は、これらの疑問について納得できません。