列車ダイヤについて -- 3ー76 調布市の個人情報漏えいについて考える
2022年6月5日
3ー76 調布市の個人情報漏えいについて考える
東京外郭環状道路(外環道)工事での陥没事故を巡り、東京都調布市に情報公開請求した人の個人情報が、市によって
国土交通省や事業者側に漏らされた問題が波紋を広げています。
国のガイドラインでは、意思決定過程の検証などに必要と判断したメールは公文書に当たり、
「原則として作成者か第一取得者が保存する」と定めています。
調布市からのメールは、公文書かどうかも判断せずに削除された疑いが消えないことについて、
国交省公文書監理・情報公開室は、メールが公文書に当たる可能性を認めつつ
「保存期間1年未満の文書に当たる可能性があり、廃棄が問題とは言い切れない」としています。
関係者の処分や、犯罪性の有無については、検証が行われると思いますが、
このコラムでは、「保存期間1年未満の文書」の存在について考えてみます。
行政機関で作成された文書・メールなどは、いっさいの判断をせず、
すべて永久保存すべきだと思います。
テキスト、静止画については、すべて保存するためのストレージの機器の価格のほうが、どの文書を
保存するかの判断に要する時間に対する人件費より安いです。
すべての文書を保存しておけば、言語処理のAIを使って、恣意的に削除された文書の、発見も容易になります。
森友学園問題では、財務省の決裁文書の改ざんが行われ、さらにその経緯を隠すために証拠を削除しようとする
行為もありました。
手書きの文書に押印し、ファイルして保存していた時代の考え方です。
行政のデジタル化とまったく相容れない考え方です。古い時代のやり方のほうが仕事がやりやすかった思っている
人がデジタル化を進めると、行政の品質が劣化します。
都合の悪い文書を、恣意的に削除する場合、削除する前に盗み取って脅しの材料にしようと考える人があらわれます。
それが、犯罪者だけでなく、外国の諜報機関の場合もあります。諜報活動でも、
情報を盗み取るより、公開されている情報の分析のほうが重要になっているといわれます。
あらゆるデジタル情報を多角的に分析できる国のほうが、外交交渉や政策の決定において有利になります。
外環道工事での陥没事故はもちろん重大な問題ですが、行政機関が外部に送ったメールをあやまって削除
したことも、今後の行政のデジタル化を考えると、それ以上に重大な問題の可能性があります。
捜査機関が、ただちに関係する情報機器を押収して、鑑識で情報を復元したり前後関係が矛盾する文書から、
誰がいつ文書を削減したかを明らかにすべきです。
同じように、行政のデジタル化とまったく相容れない、古い時代のやり方のほうが仕事がやりやすかった思っている人が
行政をおこなっていると思われることをふたつとりあげます。
国会の補正予算の審議で、予備費の扱いが議論されました。野党の「問う力」が問われる展開のように見えました。
ワイズスペンディングだと思いますかと質問して、よく見直してみたらバカな使い方をしていましたと、
答えるはずがありません。公会計では、予算に基づいて支出しなければならないので、
費目を変えて支出することができません。以前警察で捜査費の流用が話題なったように、
何にでも使えるお金がある程度ないと、業務が執行できない事情があります。
その場合は、法律や規則を変えるという本来の方法によって解決しなければなりません。
低金利が続いているため、国債費が予算より少なくなったので、他の費目の支出に使うということがありました。
担当者は苦肉の策で、予算が不足する事業を行う手段を見つけたのかもしれませんが、
根本的考え方が間違えています。これも法律や規則を変えるという本来の方法によって解決しなければなりません。
単式帳簿が簡潔でわかりやすいというのも、まったくデジタル化されていなかった時の考え方で、
行政のデジタル化にともなって、根本的に改革すべきことだと思います。
予算が単年度主義で事業の継続に問題が生じることがあります。そこで、特別会計の制度があります。
しかし、基金を貯めておく手段に使われ、20年程まえ、母屋でおかゆをすすっているのに、離れで
すき焼きを食べているといった財務大臣がいます。帳簿の処理が紙の書類で行われ、
会計検査院の検査も一部のサンプリングでしかできなかった時代の話ですが、
本音でいえば、このような古い時代のやり方のほうが仕事がやりやすかった思っていて
行政がデジタル化されても、自分たちの組織だけは昔からのやり方で仕事をしたい人が
今でも相当居るようです。
仕事のやり方を抜本的に変えなければなりません。
会社法には、 株式の3%以上を保有している株主にたいし、会計帳簿の閲覧と謄写の請求権を認めています。
選挙で選ばれた国会議員であれば、国の行政機関の会計帳簿を閲覧することができるべきです。
世界第二位の能力をもつスーパーコンピューター富嶽を使って、
すべての会計仕訳を分析して、2021年度のすべての支出と2022年度の4月5月のすべての
支出の有効性を検証して、データーに基づいた議論をすべきです。
財務省が今年の1月に発表したデーターでは、日本の総資産が、721兆円 負債が1,376兆円で
自己資本が−655兆円の債務超過の状態です。総資産額は、諸外国と比べると多いです。
公務員宿舎など、一等地に資産を持っています。
民間の連結財務諸表では、全ての資産負債は支配を獲得した時の時価で評価します。現在の時価ではありません。
公務員宿舎などの、一等地の資産の土地の価額をどのように評価しているのか知りませんが、
時価評価するともっと総資産額が増える可能性があります。一方バブルが弾けてから、
民間企業は、社宅や保養地などの資産を売り、投資を控えて利益剰余金の累積額、現金預金による内部留保を増やしてきました。
公務員宿舎に安い賃料で住んでいる人は、一般とくらべて格段に多くの分配をうけている人達です。
ただし、国家公務員の人の給与は民間と比べてそれほど高いわけではありません。
そういう現状をありがたいと思っているのか、自分で自由に決めた住宅に住んで、手当をもらうほうがいいのか、
聞いてみたいところです。一等地の資産があれば、将来キャッシュフローが最大になる方法で活用するのが、
一般的な経営方法です。行政がデジタル化されると、都合の良いことも悪いことも
情報の蓄積と解析が容易になります。特に会計の分野は、記録が金額で行われているので、
デジタル化と相性が良い分野です。行政がデジタル化されたら、政治家もデジタル化の恩恵を
最大限活かし、データーに基づいた議論を深めなければなりません。
日本の、列車ダイヤの正確性は世界でも話題になっています。
列車ダイヤを3月に改正して、バグが見つかってゴールデンウィークが開けたころに、
再度改正するということはありません。プログラムであれば、リリースした後、バグが無いということは
まずありません。
東海道・山陽新幹線であれば、臨時列車も含めて700本あまり、回送列車を含めて、1,500本位ではないかと
思います。まったくの想像ですが、ダイヤを作っている人は、ほとんど頭にはいっているのではないかと思います。
すべて暗証しているという意味ではなく、重要なところが頭にはいっていて、かつデーターをみると
思い出すレベルではないかと思います。
表計算ソフトを使って、例えば会員の管理などをしている人のなかにも、1,000人位のデーターは、
見れば思い出すレベルで記憶している人がいます。
その場合は、さすが日本人だといわれるようなミスのない管理ができているのをよく見ます。
しかし、100万人分のデーターを管理するとなると、誰も覚えておくことはできないので、
どういう項目をどういう考え方で管理するという方針を決める必要があります。
そうなると、管理の方針が不明で入力ミスも相次ぐという例をよく見ます。
関わっている人の能力というより、開発体制・管理体制の問題で、
コーディングしている人は、仕様書に基づいて作業しているだけで、何のためのシステムか知らない
というケースもあります。多重下請けも大きな問題です。
データーの正規化とか、開発体制と責任分担と、職務分掌の話などになると、誰も管理していない
というプロジェクトもありました。
健康保険に関しても、どのようにすれば、行政のデジタル化の恩恵がえられるかがよくわかっていない人が
政策を決めているのではないかと思われることがあります。
2年後には、健康保険証を廃止してマイナンバーカードに統一する方針です。
マイナンバーカードの取得率がそれまでに100%になるとはとても思えません。
マイナンバーカードを携帯端末で保持できるようにするほうが先だと思います。
それから、健康保険証をマイナンバーカードに統一するのなら、
出張中に健康保険証を持っていくのを忘れたけれど、急に病気になった時に
携帯端末は所持していたので、保険診療が受けられたというように、使う側から見ての
メリットが理解できます。
総務省の目標が、マイナンバーカードの取得率を100%にすることだからという発想で考えてはだめです。
利用者にとってどのようにすれば便利になるかという発想で行政のデジタル化を考えなければなりません。
「国民皆歯科検診」を導入するそうです。利点が多いのかもしれません。
専門家でないのでよくわかりませんが、個人的には、これからは
CBM(Condition Based Maintenance)の考え方になって
過去の健康診断データーや診療データーさらにウェアラブルデバイスが記録する健康管理データーを総合的に分析して、
健康診断ももっと合理的な方法になるのかと思っていました。
これも個人的に思うことですが、歯科医が10万人で、医師が32万人というのは、
医師が少ないように思います。40年前と比べるとどちらも倍になっているので、
これで良いのかもしれませんが、病院に行くときの待ち時間の感覚では、
医師は60万人位居ても良いのではないかと思います。
キューバは人口が1,100万人位で医師が7万人以上いますから、
荒唐無稽な話ではありません。
キューバは政治の仕組みもまったく異なる国ですが、開発途上国から学ぶことも
多くあると思います。アメリカのやり方をとりいれるだけでなく、
異なる考え方は異なる考え方として、優れた点は上手に世界中から学ぶべきです。
話がかわりますが、新しい資本主義というのがどのようなものかはっきりしません。
アベノミックスと同じではないかということが話題になっています。
5Gを整備するという話を聞いていると、20年前に光ファイバーケーブルを整備した時と
同じことを考えているようです。
所得倍増とか、国民皆歯科検診などの話を聞いていると、70年前の、高度経済成長時代
と同じことをやろうとしているのではないかという印象もうけます。
デジタル田園都市国家がどのようなものかも不明です。いっそのこと、100年前の
田園都市の発想にもどったほうが良いのではないかとも思います。
田園都市というのは、東急、田園都市線ではありません。
関東大震災のあと、渋沢栄一が現在の東急目黒線沿いに、イギリスのガーデンシティーをモデルにした、
住宅街を作ろうとしました。鉄道院にいた五島 慶太を呼び寄せ、田園調布などの開発を行いました。
さらに話が変わりますが、ガバメントクラウドの計画が進んでいます。
基本的な考え方は正しいと思いますが、2025年度の完成目標は、達成が困難になっているそうです。
慎重に検討しているともいえますが、
あきらめるのが早すぎるのではないかというのが個人的な感想です。
長期におよぶ土木工事と違って、システム・インテグレーションは、大規模プロジェクトでも、
3年位で完成するものが多いです。さらに、1年毎に部分的に完成するような進め方が一般的です。
今からでも、2022年度中に何を完成させるかについて、関係者の合意をえるのが良いと思います。
システムの移行に際して、現状で稼働しているシステムがどのように使われているかよくわかっていなくて、
止めていいものやら、何が起きるやらわからないということがあります。
一言でいうと、システムの断捨離ができてない状況です。COCOAのシステムのような
動いているのか動いていないのかわからないようなシステムが問題になります。(個人の感想です)
なぜ、ガバメントクラウドが良いかというと、地方自治体の人は、業務に関連するデーターや、
処理方法の手順、関連する法律、条例などについては、詳しくないといけませんが、
導入するシステムのCPUのクロックや、ストレッジの容量については、それほど詳しい必要はありません。
しかし、一般的にどのようなハードウェアーを選択するかのはっきりした基準はありません。
鉄道のような、上り勾配で起動可能でかつどれだけの速度を出す必要があるかに基づいて、
モーターの出力を決めるような明確な基準はありません。
試しに動かしてみて大丈夫そうなら大丈夫だろうという程度です。(もっと正確に計画している人も居ると思います)
さらに公共システムの購入では、一般競争入札によることが多いです。仕様競争入札も制度もありますが、
恣意的に仕様を決めたのではないかなどが問題になるケースもあって、一般競争入札により
安いハードウェアーが導入されて、どうにも動きそうにないというような事例もありました。
ハードウェアーの選定などの作業は、デジタル庁の専門家にまかせて、かつ運用中に自由に
キャパシティーを変えられるクラウドのシステムを用いて、
業務に関連するデーターの、フォーマットや、関連性などを統一して、
いかに業務の正確性・効率性の向上をめざすことができるかを考えるのは正しい方向性です。
またも話がかわりますが、東海地震の予知が可能になるという前提で、長いこと行政の地震対策が行われました。
しかし、素人考えですが、1週間前にいつ地震が来るかをピンポイントで予測するのは、
不可能なように思います。
1971年に成立した、大規模地震対策特別措置法が活動の基礎になっているようですが、
20年位進めていれば、どうも地震予知は不可能だ、何かやっていることが間違えていると
多くの人が考えたのではないかと思います。
最近IoTとセンサーの技術の発展は目覚ましいものがあります。
自動運転の車に多くのセンサーが必要になるなどが関連して、MEMESのセンサーの素子や、
フュージョンセンサーの技術が急速に進展しました。
建物に加速度センサーなどを数多く取り付けて、大小さまざまな地震で、個々の建物がどのように揺れたかの
記録をとることが可能になるかもしれません。
東日本大震災でも、P波が到達して、その後S波が到達した時が最大の振幅ではなく、数十秒後に
もっとも大きな波が来たことで、まったく予想していなかったタイプの揺れといわれました。
個々の地震に対して個々の建物の揺れを詳細に分析して、耐震対策をとることが現実的に可能になるかもしれません。
IT技術は、全く新しい技術が誕生して、それまでと異なるアプローチが有効になることがあります。
IT技術の特性をよく理解した、行政の方針の決定が不可欠になります。