列車ダイヤについて --  3ー64 子供のマイナポイントは、誰のお金?

                                      2022年1月20日  

    3ー64 子供のマイナポイントは、誰のお金?
    
    
    子供のマイナポイントが、誰のお金で何を買うかはもらった人が決めますが、
    手続きとしては次のようになります。
    
    原則、本人名義のキャッシュレス決済サービスへのマイナポイント付与を本人が申し込む必要がありますが、
    未成年者のマイナポイントについては、法定代理人名義のキャッシュレス決済サービスを、
    ポイント付与対象として申込みすることができます。(マイナポイント利用規約第5条)
    
    ただし、この場合でも、同じキャッシュレス決済サービスに複数人のマイナポイントを合算して付与することはできないため、
    法定代理人名義の異なるキャッシュレス決済サービスを選択する必要があります。
    
    つまり、親のキャッシュレス決済サービスにポイント付与することはできますが、親のポイントと合算して、
    ポイント付与することはできません。
    
    特別定額給付金は、世帯主の口座に振り込まれました。児童手当は、児童を養育している人に支給される制度のため、
    子供の口座に振り込むことはできません。
    
    給付金を振り込む金融機関の口座を登録すると、ポイントがもらえるようになるそうですが、
    どの給付は誰の口座に振り込むかを明らかにする必要があります。
    窓口や申請書を郵送する方式なら、給付毎に振込口座を指定するのは簡単です。
    一方プッシュ型であらかじめ登録された口座に振り込むのは、迅速に振り込まれることが期待されますが、
    実際の給付に際して、振込口座を変更したいというような希望に柔軟に対応できるようにしないと、
    かえって不便になることがあります。
    
    個人の情報を登録するものとして、戸籍があります。日本国民について編製され,日本国籍をも公証する唯一の制度です。
    そして戸籍の筆頭者が決まっています。戸籍の最初に記載されている人のことで、戸籍法9条に規定されています。
    
    住民基本台帳法施行令には、住民票の記載につき、世帯を単位とすることになっており、
  「主として世帯の生計を維持する者」が「世帯主(せたいぬし)」とされます。しかし、だれを世帯主とするかの明確な
    規定はなく、15才以上であれば、誰を世帯主にすることもできます。
    
    未成年でも、世帯主であれば、かなりの額の現金が振り込まれます。
    契約をして、しばらく利用したあとで、民法に定められた契約の取り消しをする人が居ないか心配になります。
    もちろんあったとして数は少ないでしょうが、世帯主を誰にするかが、明確に決まっていないというような点は、
    デジタル化に際して課題となる事があります。あるいは世帯主に振り込むことで
    事務手続きが煩雑になるのを防いでいたのが、デジタル化した場合はかえって煩雑になるおそれもあります。
    
    両親が日本人で、外国に居住している時生まれた子供は、成人して選択するまでは、
    両方の国籍を持っていることがあります。マイナンバーを2つ取得して、給付金を2倍もらうことは
    絶対にできないようになっているのでしょうが、このような例外的なケースにすべて対応する必要があります。
    
  なお、所得税基本通達2−47《生計を一にするの意義》の定めと、世帯は別のものです。    
    
    総務省のマイナンバーカードのCMで、コンビニでも住民票が取得できるので、時間が有効に使えるというものが
    あります。このCMを見ると、もやもやします。
    
    まず、ひとつめは、マイナンバーカードを皆が取得しても、戸籍は維持するのかどうかです。
    「日本国籍をも公証する唯一の制度」なので、戸籍謄本がパスポートの取得にあたって必要となります。
  現住所と本籍地が異なる場合、取得するのが面倒です。
  
  次に、コンビニでも住民票が取得できると便利ですと言いますが、それ程ありがたさを感じません。
  住民票を取得した後、額縁に入れて飾っておく人はめったに居ません。ほとんどは何処かに提出します。
  マイナンバーが記入された住民票を提出するのなら、マイナンバーを伝えれば良いのではないかと思います。
  自分のマイナンバーを誰がどういう目的で使うのかあいまいというのが、もやもやの原因です。
  
  マイナンバーカードの暗号化の仕組みなどより、マイナンバーカードで本人確認ができるのに、
  なぜ戸籍謄本が必要なのか、それぞれの手続きのためになぜ住民票が必要なのかなどの、行政に関わる
  処理に必要な書類が本当に必要なのか、マイナンバーカードで本人確認できることで、
  簡略化出来るものやオンライン化できるものがないかなどを知りたいと思います。
  不動産の登記事項証明書も、オンラインで申請できますが、証明書を取りにいくか郵送してもらう
  必要があります。マイナンバーを伝えて、かつ誰がどういう手続きのために使ったのかを
  オンラインで確認できるようになれば、本当に行政のデジタル化の恩恵を受けることができます。
      
    20世紀には、日本は改善活動で生産性を向上させたと言われました。
    今では、改善活動を推進しようという人はほとんどいませんが、当時はすばらしいといわれました。
    アメリカの人が特にすばらしいと評価し、Japan as Number One:Lessons for America
    でも取り上げられました。アメリカ人は工場で組み立てる人は、言われた事・決められた事だけをやる人で、
    経営者のような会社全体への貢献を期待することはできないと思っていました。
    ところが日本の現場の人が、作業手順を見直したり、残業時間に、製品の改善について考察しているのを見て、
    驚きました。しかも、余計な作業を押し付けられるという感覚ではなく、
    楽しんで、意欲を持って、改善活動を行なっていることにもっと驚きました。
    
    21世紀になって、時代は変わりました。金融庁の人が、
  「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」が過去のシステム障害にも通底する問題
  といって怒っています。
    
    デジタル化がよほど日本人に合わなかったのかもしれません。
    以前、外資系のメーカーで勤務していた時、研究所長の話で、話している本人が
    まったく納得していないと感じたことがあります。
    本社での会議に出席し、今までは、パソコンも大型システムのような、プッシュ型の営業でやってきたが、
    これからは、プル型の営業に変え、製品情報などをホームページに記述して、
    お客さんの方から、問い合わせがあるのを待っている事が決まりました。
    そこで本社で言われたとおりの事を伝えているのですが、本人はまったく納得していないと感じました。聞いていた私も、
    もちろん何の事かわかりませんでした。
    しばらくして、アマゾンなどのサイトが、非常に多くの製品を揃えて、お客さんが欲しいものが
    なんでも有るような状況になっているのを見て、やっとプル型の営業という意味がわかりました。
    しかも、過剰な在庫を持たないように、デジタル技術を使ってどれ程売れるから、どの位の
    在庫を持っていれば良いかを、計算していました。
    最近では、アマゾンなどのサイトはプル型の営業に加えて、プッシュ型の営業もおこなっています。
    もちろん過去に日本でおこなわれたような、訪問販売ではありません。
    レコメンドを出したり、重さを測るセンサーを使って、洗剤などが無くなりそうになった頃に、レコメンドを
    出すというように、ターゲットを絞った広告を行なっています。
    
    歯ブラシやシャンプーなどは種類が多いので、売り場で以前とまったく同じものを選ぶのが大変です。
    プッシュ型の営業までいかなくても、オンライン・ショッピングのサイトで、過去の注文履歴から同じ物を
    注文し、食品を買いに行く時に、同時に会計できる仕組みがあれば良いと思いますが、
    近所のスーパーにそのような仕組みはありません。オンラインの会員にはなっているのですが、
    統一的な広告が送られてくるだけで、ほとんど見なくなりました。
   
    デジタル技術をビジネスにとりいれるセンスが足りないのかもしれません。
    行政のデジタル化においても、クラウドなどの要素技術は現状では海外製のものを使うのも
    やむを得ないと思いますが、それは決して悪いことではないかもしれません。
    地方自治体の人は、業務の内容については詳しいでしょうが、一般論でいえば、デジタル技術については、
    デジタル庁の人のほうが、詳しいと思います。
    そういう人が、海外のメーカーと客として話すことは悪い事ではありません。
    デジタル大臣が、リモート会議で、GAFAの社長とクラウドの日本政府専用リージョンについて、
    直談判すれば、日本のデジタル化の風土が変わります。
    外資系のメーカーで勤務していた時、通信に詳しい人達が経験者採用で、雇用されました。
    NTTが株式時価総額で世界一位だった時があります。そのような時代に、NTTに物申すことは出来ないという
    文化を持った人たちでした。知識のレベルの問題ではなく、このような人たちは、エンジニアとして認めるべきでない
    人達だと思いました。
    行政機関や、それに類する機関に意見できないメーカーのエンジニアは、決して技術の進歩に貢献することはできません。
    デジタル庁の人達が、中央省庁の言うことなら何でも聞きますというメーカーではなく、株式時価総額では、
    世界トップクラスのメーカーと話すと、新しい化学反応が生まれると思います。
    クラウドシステムだけでは行政のデジタル化は進みません。稼働するアプリは、個人情報保護の観点もあって、
    日本のメーカーが開発するでしょうから、最初は、ココアが紅茶やコーヒーになる程度の変化しか無いかもしれません。
    しかし、行政機関が、日本の住民は品質の要求レベルでは、世界最高クラスの人達だという意識をもつことができれば、
    世界最高レベルのデジタル技術を日本の行政業務に取り込むことも不可能ではありません。
    行政のデジタル化で世界に遅れをとったということを自覚することが起点となって、
    世界最先端の行政のデジタル化をなしとげることも決して不可能ではないと思います。