列車ダイヤについて -- 3ー62 行政のデジタル化は、まず医療分野から
2022年1月5日
3ー62 行政のデジタル化は、まず医療分野から
2022年1月から、マイナポイント第2弾が始まりました。
スマホが対応していないので、新年早々つまづきました。
デジタル庁の、新型コロナワクチン接種証明書アプリには、対応していますが、総務省のマイナポイントアプリには、対応していません。
中央省庁には、このような縦割りの壁を解消するつもりがないのかと思います。
マイナンバーカードの健康保険証としての利用申込みと、公金受取口座の登録のポイント付与は、今後行うそうです。
行政のデジタル化は、マイナンバーカードから行うようですが、各人の視点から見ての便益が明らかになりません。
もちろんポイントをもらえるのはありがたいのですが、本当に生活する上での利便性を向上する分野として、
医療分野と災害対策の面を取り上げます。
まず、医療分野ですが、コロナ感染症が広まってから、熱が有る時は来ないようにというクリニックが増えました。
熱が有る時こそ病院に行きたいのですが、もし電話をして話中で通じなかったら、どうすれば良いか本当に困ります。
救急車を呼ぶ程ではないけど、明朝まで待って大丈夫なのかという判断が正しくできる人は少ないです。
アレクサ・エコーや、グーグル・アシスタントなどに呼びかけると、可能性のある症状を示してくれ、
医療機関に必要な連絡をしてくれる仕組みは、技術的にはもう作ることが出来るように思います。
しかも、必要と判断して、医療機関に連絡した記録を取ることが出来るので、何度も電話する必要がなくなります。
日本医師会などは強烈に反対するでしょうが、民間企業がサービスを始めて、実績を蓄積すれば、
病状を分析する能力も、すべての診療科に対応できるという面では、医師の能力を上回る面もでてくると思います。
法律の定め方から、行政のやり方まで、業界団体を意識した建付けになっているので、実現しないことも、
利用者や各個人を中心とした考え方に根本から変えると、当然実現すべきだということがあります。
1990年代、インターネットが使われ始めた頃、メール等のオンラインでは、申請を受け付けないという所が
多くありました。電話や窓口だと申請を受け付けた記録を発行しない業務手順なら、申請を放置することができますが、
オンラインでは、申請した側に記録が残るのをきらいました。
現在でも申請を受け取ったことを確認しない役所が多くあります。
このような行政の仕事のやり方を改めないと、デジタル化でサービスが低下する恐れもあります。
病院や保健所が電話連絡のみを受けるのがその代表で、話中で対応できなかったものはカウントせず、
自分たちが受理したもののみを事象の件数としてすべてを処理する仕組みの代表です。
医療ともっとも相性の悪いやり方です。まず改めるべき分野です。
医療保険と、一般会計の予算をあわせると、年間50兆円近い医療費が使われています。
すべての人に、年齢に応じた一律な健康診断を行うのではなく、
医療のビッグデーターを蓄積して、必要な検査・治療のみを行う方法に改めることで、
医療費を削減することも重要な課題です。
続いて災害対策です。津波が来る恐れが有る時は、空振りを恐れず、避難すると言われます。
しかし、避難経路にブロック塀があって崩れることもあります。
津波警報は、都道府県単位などで出されます。しかし、実際は、港に数メートルの津波が来て
被害が出る状況でも、近くの海岸には、1メートル以下の波しか来ない場所も多くあります。
避難に危険がなければ、避難すれば良いのですが、東日本大震災の時のように、家から瓦が飛んでくるような
状況では、避難が命に関わることもあります。
ほぼ必ず津波が来る、あるいは近所で火災が発生していれば、命の危険があっても
避難しますが、家の中に居ることがより安全な場合もあります。
家の、アレクサ・エコーや、グーグル・アシスタントから、その場所個別の現状に即した、
避難の案内をすることも、近い将来可能になりそうな気がします。
そこまでの能力は無くても、防災行政無線の内容を通知してくれるだけでも意味があります。
大雨の時など、防災行政無線の内容が聞こえないことがあります。
国土強靭化が叫ばれて久しいのですが、地震の予測は現実的には当分不可能と思われるので、
災害の時、各人の各場所で避難方法をアドバイスするとか、家族と連絡がとれる通信手段を確保する、
災害時に停電しても必要最小限の電気を使用できるなど、皆が効果を実感できる、災害対策を立てる必要があります。
医療の話に戻りますが、救急車を呼ぶかどうか迷うような場面は普通の人にはめったにありません。
訓練で、発熱センターに電話してみることもできません。
救急・救命センターの専門家のような、普通の人にとって一生に何度あるかというような状況が日常の人が、
この時はこうしましょう、あの時はああしましょうという話を聞いても、いざという時、正しく実行
できる人はわずかです。一度聞いた事は忘れないというデジタル技術のほうが得意な分野や、
臨機応変に判断するという人間のほうが得意な分野を活かして、日々の生活が
安全・安心になるような分野で、行政のデジタル化を進めなければなりません。
モーターが発明されたのは、1800年代半ばです。工場の蒸気機関を置き換えて、モーターが広く使われる
ようになったのは、それから50年位経ってからです。そして、モーターが発明されてからの50年間と比べて、
色々な業種の工場で広く使われるようになってからの50年間のほうが、産業全体の発展に寄与する度合いが
はるかに高くなったと言われます。最近電気自動車の普及で、モーターの技術がさらに重要になっています。
IT技術について考えてみると、1900年代半ば頃、コンピューターが使われるようになりました。
それから、50年近く経って、一般の人がインターネットを使うことができるようになって、それまでより、
はるかに幅広い生活のいろいろな場面で、IT技術が使われるようになっています。
1990年代後半、アマゾンが通信販売を始めた頃、日本では、通信販売は、店舗を持たないような、小規模資本で、
ニッチな領域の小売業という認識でした。アマゾンのように、自前で倉庫を持って、ありとあらゆる商品を備えた
通信販売を想像した人はほとんど居ませんでした。自社の小売業で使うシステムの運用技術を活かして、
クラウドサービスをはじめるという事業領域の拡大方法も、日本ではほとんど想像した人は居ませんでした。
日本は、半導体技術など、ハードウェアーを中心とする高いIT技術を持っていたのに、IT技術を色々な
業務分野の事業活動に活かす技術で大きく遅れをとったといえます。
ビッグデーターの活用や、AIや量子コンピューターを考えると、これからのほうが、
増々、加速度的にIT技術のレベルの違いが、経済や生活レベル、安全保障に直結してきます。
行政のデジタル化は、我々の日々の生活レベルの向上に直結する形で進めなければなりません。
しかし、中央省庁主導の行政のデジタル化では、日々の生活で効果が把握できるようなデジタル化は進まないのではないかという
恐れがあります。地方自治体の人は、住民の生活の状況は、中央省庁の人より具体的に把握しています。
大阪府が進めると言われる、IT業務民営化は、効率的な行政のデジタル化が進む方法かもしれません。
しかし、日本全体的にデジタル化が困難を極めるというリスクもあります。
日本で、 ITエンジニアと言われる人で、実際の業務内容を聞いてみると、マニュアルを見て、ユーザーからの
問い合わせに答えるとか、海外製のアプリの新しいバージョンの、導入、設定、試験だけをやっている人が多く居ます。
それでも、私よりはるかに、IT技術を持っているでしょうが、これで世界レベルの高度なIT技術の蓄積が
できるのかどうかは大いに疑問です。
他に得意な分野を見つけて、IT技術は海外の技術を利用するのみというやり方も、皆がそれが良いと思うなら有りだと
思いますが、医療保険、災害対策など、今までどおりのお金を使って、さらに、行政のITシステムやマイナポイントにもお金を使う
というのは不可能です。行政のITシステムの調達費がどれだけ削減できるのか、医療費がどれだけ
削減できるのかなど、具体的な数字を示して、皆で議論しなければなりません。