列車ダイヤについて -- 3ー60 新型コロナワクチン接種証明書アプリを使ってみました
2021年12月25日
3ー60 新型コロナワクチン接種証明書アプリを使ってみました
デジタル庁が配布している、新型コロナワクチン接種証明書アプリを使ってみました、というのが
今回のコラムです。
どのように導入したか、その時何を感じたかをまとめます。
2021年12月20日デジタル庁が、新型コロナワクチン接種証明書アプリの配布を始めました。
Androidのスマホに導入しました。
タブレットには導入できませんでした。これは私のタブレットがNFCをサポートしていないからで、
誰がどう見ても導入できません。
スマホへの導入はスムーズでした。
唯一戸惑ったのは、マイナンバーカードを読む部分で、アプリの導入手順の説明から、
カードを横向きで読ませるのだろうと思ったのですが、私の機種のスマホでは、カードを縦向きで読ませるそうです。
しかしここで、疑問がひとつ。
私のスマホは、NFCをサポートしていて、マイナンバーカードを読むことができます。
ではなぜマイナポータルのアプリを使うことができないのでしょうか?
誰ひとり取り残さないけれど、私をサポートする必要はないと考えているということでしょうか?
サポートしていないことより、説明がないことに疑問を感じます。
さらに、疑問がひとつ。
すでにマスコミで報道されていますが、マイナンバーカードに旧姓併記がある人には、
今の所、カードを持っていてもアプリで証明書を発行できません。
VRSの記録に誤りがある場合も、アプリで証明書を発行できません。
これらの問題を解決する期限が発表されません。
行政のデジタル化に関連して、本来開発期間が6ヶ月かかるアプリを3週間で開発したなどが
美談として語られることがあります。もちろんいつまで経っても出来上がらないよりはましですが、
本質的に、企画・計画が本来行われるべき姿で行われていなかったので問題が発生し、
現場のバカヂカラで解決したと言っているだけです。
リリース直後に発生した問題をいかにすばやく解決するかが、本当に必要なことです。
火事場のバカヂカラで問題を解決しているだけでは、行政のデジタル化のメリットを受けることが出来ません。
VRSは、全国共通の唯一のシステムで、入力は、各自治体や企業で行い、
運用上の課題が発生しても、国のシステムに反映されなかったことが問題の遠因になっています。
集団接種を行なった企業の中には、VRSよりはるかに優れた記録システムを作ることができる企業も
あったはずです。人間がVRSに入力するのではなく、各企業のシステムに記録し、
データーをまとめて複写できる仕組みがあれば、業務が効率化し、正確性も高まった可能性があります。
厚生労働省などの人が丸投げでシステムを発注し、自分たちは使わないので、不具合に気付くこともないという、
仕組みを改めないと、将来開発するシステムにも同じ問題が発生します。
続いて、疑問がひとつ。
新型コロナワクチン接種証明書アプリで証明書を発行するには、券面事項入力補助用暗証番号を入力します。
マイナンバーカードには、4つの暗証番号があります。
署名用電子証明書暗証番号、利用者証明用電子証明書暗証番号、住民基本台帳用暗証番号、券面事項入力補助用暗証番号です。
このうち、署名用電子証明書暗証番号は英数字6文字以上で、印鑑でいえば、実印に相当するものです。
他の3つの暗証番号は、4桁の数字で、共通のものを指定することも可能です。
複数のアプリで同じパスワードを使用するのは悪いと言われています。
3つの暗証番号を異なるものにすることもできます。少なくとも3箇所以上に暗証番号が保存されています。
漏洩した時に、どこから漏洩したか特定するのも大変です。
もし、組織の縦割りの弊害で、3つの暗証番号を使っているとしたら、組織が行政のデジタル化に対応していないことになります。
疑問がもうひとつ。
これもマスコミで報道されていますが、 iPhoneでiOS15の場合、接種証明書のQRコードをスクリーンショットし、
ヘルスケアアプリを開いて登録することができます。ですから、新型コロナワクチン接種証明書アプリで表示される他人の
QRコードを使って他人の証明書を登録することも可能です。
このような課題に対し、内容を説明し、いつまでにどのように解決できるかを説明する必要があります。
さらに疑問がもうひとつ。
海外で使う場合は、今回のデジタル庁が配布する、新型コロナワクチン接種証明書アプリが唯一のアプリですが、
国内で使う場合、 地方自治体が発行している接種証明書アプリと完全に役割がダブっています。
複数のアプリが競い合うことで、機能が良くなることもありますが、商業施設側で、複数のアプリに対応するための
導入コスト、運用コストがかさむこともあります。行政をデジタル化する時、何を共通化し何は組織独自のシステムで
行うかの方針を立てることが重要です。個々のアプリを開発するより、はるかに重要なことです。
今回の、接種証明書アプリの件は、単に組織の縦割りの悪い部分が明らかになったように思います。
最後にもうひとつ。
マイナンバーカードを普及させようと思ったら、
マイナポイントを配るより、はるかに効果的な方法があります。マイナンバーカードには、
券面事項入力補助用暗証番号を使って、民間のシステムへのログインに対しても、本人確認の機能があるといわれています。
これが本当に可能なら、いくつものパスワードを覚えたり、定期的に変更する煩わしさから開放されます。
しかし、このような皆が欲しがる機能を宣伝しないのは、本当に多くの人がこの機能を使い始めたら、
セキュリティーの問題が発生して、マイナンバーカードの評判が下がると考えているのではないかと思います。
このような皆が知りたいことを説明せず、マイナポイントの配布で、マイナンバーカードの普及を図る姿勢が、
いつか、サイバーテロの問題を招くのではないかと思います。
デジタル田園都市国家構想といっても、デジタル田園都市というものがどういうものなのかのイメージがわきません。
和歌山県白浜町のように、民間IT企業と協力して、先進的なオフィス環境を実現し、
学校でのIT教育でも協力している例があります。5Gを整備すると言っても、
それによって、地方の生活がどのように変わり、どのような経済効果があるのかが不明です。
和歌山県白浜町などをモデルとして、デジタル田園都市国家構想で我々の生活の利便性がどのように向上するかを
示す必要があります。
最後にもうひとつ、本当にこれが最後です。
学校法人森友学園への国有地売却をめぐる、財務省の公文書改ざん問題に関わる民事訴訟で、
国側が、認諾の手続きをとりました。
国側に非があったことを認めたことになります。
法律に関しては素人ですが、もし民間企業であれば、株式会社の取締役や監査役など、
重要な役割を果たす役職者に限定して、(1)自己または第三者の利益を図る目的で(2)任務に背く行為をし
(3)会社に財産上の損害を与えた場合、特別背任罪に問われることがあります。
財務省で、公文書改ざんを指示したことで、税金から1億円の賠償金を払うことになったのなら、
財務省の責任者が刑事責任を問われるのが当然と思いますが、検察に動きがありません。
だれもが納得できる説明を行わず、行政を行うという慣習を改めないと、
デジタル化によって融通が効かなくなる分、行政サービスのレベルが低下するのではないかという懸念があります。