列車ダイヤについて --  3ー53 コロナ第6波はあるのか、ないのか?

                                      2021年10月10日  

    3ー53 コロナ第6波はあるのか、ないのか?

  
  コロナ第6波はあるのか、ないのか? 答えは簡単です。
  私には、わかりません。これだと、2行で終わってしまうのですが、
  コロナ第6波はあるのか、ないのか?に関連して、いろいろな事を考えてみたというのが、今回のコラムです。
  
  2019年に、現在、政府分科会の尾身茂会長と、京都大・西浦博教授の、ラジオでの対談を聞いたことがあります。
  ふたりの対談ではなく、「久米宏 ラジオなんですけど」という番組の別々の回にそれぞれ感染症の専門家として登場されました。
  
  録音していないので、私の記憶の範囲ですが、次の3つのような内容だったと思います。
  
  1.2009年に発生した新型インフルエンザのような感染症は、将来必ず起きる。
  2.実効再生産数や、ワクチン接種率のデーターをモデルに入力すると、感染症の発生状況は予測できる。
  3.新しい感染症に効く、ワクチンの開発には、長期間かかる。
  
  1.は当たってます。3.は外れです。mRNAという新しいタイプのワクチンが短期間で開発されました。
  2.も外れました。
  2020年11月頃からの第3波の頃から、対策が後手に回るということを何度も聞きます。
  
  対策が後手に回ると聞くたびに考えることがあります。
  毎日、100円もらえるのと、今日は1円、明日は2円、その後、4円、8円というように、倍々の金額がもらえるのと、
  どちらが良いかということです。答えは簡単です。
  毎日、100円だと、30日間で、3,000円です。
  倍々だと、30日目には、2の29乗の、5億3687万912円もらえ、
  30日間で、10億7374万1823円もらえます。
  これは単なるイメージであって、実際の感染症では、潜伏期間があるし、
  コロナウィルス感染症では、実効再生産数が2.0を超えることはほとんどありませんでした。
  しかし、ある程度広まると、感染者数が急拡大するのに対し、
  病院のベッドの準備などは、一定数づつしかできないことが、感染症対策の困難な点であることは間違いありません。
  
  感染症学の観点からは、SEIRモデルなどが重要なのでしょうし、事後的な検証は
  きちっと完全に行うべきです。それとともに感染が広まり始めた時の、対策の観点からは、
  正確なモデルより、感染者数が10人20人のうちに、
  急拡大する恐れがあるのかないのか、判断できるセンサーが重要だと思います。
  
  同じく、先手をとった行動が必要な事例です。
  海底油田を掘削するような船や設備の場合、強い波がきて、船や設備が移動すると大変です。
  掘削用のパイプに強い力がかかって壊れると大変なので、すぐに反対向きの力を発生させて、
  移動を最小に抑える必要があります。
  その時、GPSなどの、GNSS(衛星測位システム)を使えば、移動の量を正確に測定できます。
  しかし、事後的にしかわかりません。加速度センサーやジャイロセンサーのような、
  どの向きにどの位の力が加わりそうかを、いち早く推定して、対策にむすびつく情報を提供するセンサーが必要です。
  
  コロナ感染症の場合、そのようなセンサーは見つかっていません。
  しかし、コロナ第6波はあるのか、ないのかはわからないとしても、
  今後、感染者が増えそうになった時に、いち早く察知し、対策を取るしくみが必要です。
  各病院の情報や、検疫の情報などを、組織の縦割りの壁を排して収集すると共に、
  日本の医療分野の情報に限らず、海外の情報やSNSの情報などにも範囲を広げて検討すると、何か見つかるかもしれません。
  あるいは、電子カルテのシステムのフォーマットが統一されていれば、HER−SYSのシステムも必要なく、
  リアルタイムに感染者の治療状況が明らかになることで、より早く治療の体制を確立できるかもしれません。
  変異株にも新しい感染症にも対応できる、新しい仕組みができるかもしれません。
  そして、個人情報の塊である、医療関係の情報を収集するためには、個人情報保護に関する法律面での
  議論が遅滞なく行われ、行政における取扱が定められている必要があります。
  
    
  最近、行政のデジタル化や、DX(デジタル・トランスフォーメーション)
  が話題になります。DXでは、デジタル化より、トランスフォーメーションのほうが重要だといわれます。
  
  地方自治体の各種の仕様のサーバーをクラウド上に統一するというのは、デジタル化ですが、
  どのようなデーターをどのようなフォーマットで収納するかや、業務手順を、
  デジタル化にあわせるのような、トランスフォーメーションのほうが重要です。
  
  電子カルテのシステムのフォーマットの統一も、話題にはなりますが、なかなか進みません。
  総論賛成、各論反対で、既得権を守ろうとしていると、取り残されます。
  日本の総合商社が、医療情報を有効に活用する事業を、資本参加しているアジアの病院で行なっています。
  これ自体は、良いことですが、日本の医療が取り残されるのではないかと心配になります。
  
  ワクチンパスポートが日本でも民間のサービスとして始まりました。
  一般にAndroidのアプリを、Google Playで配布するには、クレジットカードを登録して、
  登録料を払えば、誰でもできます。何かトラブルを起こすと、配布停止になり、再開は非常に困難です。
  ワクチンパスポートのようなアプリは、ある程度事前に登録を規制する必要があります。
  もし、アプリが乱立すると、登録を装って不正に個人情報を取得しようとする人が現れます。(個人の感想です。)
  正当なアプリを装うサイトも現れます。(個人の感想です。)
  予算をとって、COCOAのような役に立たないアプリ(個人の感想です。)をリリースして欲しいというのではなく、
  リモートで良いので、常に国会を開いて、ワクチンパスポートのような日々変化する状況に対応する、
  法律やガイドラインを、議論して欲しいです。
  
    
  感染症の話ではありませんが、20年程前、司法試験や公認会計士試験の制度を変えて、
  これらの専門家の数を増やすといわれました。試験制度は変わりましたが、専門家の数はあまり増えていません。
  アメリカが、TPPから離脱したのであまり話題になりませんが、アメリカは、農産物の輸出もさることながら、
  専門家が日本で自由に活動できることを重要視していたそうです。
  公認会計士試験では、アメリカは、USCPAの試験を日本でも実施するなど、準備を進めています。
  日本人が、USCPAの試験に合格し、所定の手続きを経て、米国の公認会計士として登録すると、
  アメリカで公認会計士の仕事ができます。
  アメリカ人は、例外的に日本語が上手な人を除いて、日本の公認会計士試験に合格しないので、あまり話題になりませんが、
  日本の公認会計士試験に続いて修了考査にも合格し、所定の手続きを経て、公認会計士として登録したとすると、
  問題になることがあります。日本人・アメリカ人を問わず、日本の公認会計士は、税理士として登録しないと、
  本人以外の確定申告など税理士の仕事はできません。監査法人で公認会計士として仕事をしている多くの人は、
  税理士登録はしていません。
  以前、TPPの検討項目として、日本で公認会計士として登録している人と、アメリカでCPAとして登録している人が、
  お互いに他国でも、自国と同じ仕事ができることにすることが話題になりました。  
  アメリカでは、ほとんどの人が所得税の確定申告をします。IRS(歳入庁)の役人にたいして、
  一般の人は税に関する知識が十分でありません。にもかかわらず、確定申告の制度がなぜ、公平かといえば、
  一般の人は、お金を払うことで、CPAの専門家のサービスを受けることができるからです。
  ですから、アメリカでは、CPAが、IRSから独立した人であることを非常に重要だと考えます。
  また、アメリカでは、人口1万人あたりのCPAの数が、20人余りですが、
  日本では、人口1万人あたりの公認会計士の数が、約3人 税理士の数が約6人で、
  税理士のおよそ半分は、国税庁のOBで、税理士試験を受けて税理士になった人ではありません。
  
  アメリカからは、日本の公認会計士がアメリカで税務申告の仕事ができて、
  アメリカのCPAは、日本では税務申告の仕事ができない。しかもそれができる税理士の半分が国税庁のOBというのは、
  著しい障壁に見えます。
  
  行政の仕組みや、専門家の制度をアメリカにあわせるのが良いといっているのではありません。
  日本は、どのような考えで制度を作っているかを合理的に説明することが重要です。
  表面上は、アメリカの制度をお手本として取り入れているが、じつは裏で、国税庁の人や、公認会計士協会の会員の
  既得権を守ろうとしているというのは良くないです。
  外交・経済政策でも不利になりますし、デジタル化するというのは、白か黒かをはっきりさせる傾向があるので、
  行政のデジタル化にも支障があります。 
  
  10月から、マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになります。
  ひとりの人が、健康保険証とマイナンバーカードという、同じ種類の身分証明証を2枚持っていますが、
  問題ないのでしょうか。マイナンバーカードが使える病院はまだ少ないので、従来の健康保険証も必要です。
  しかし、2枚持っていると、1枚を他人に貸してもよいかと考える人はいないでしょうか。
  2時間ドラマで見ただけで、実際に他人に健康保険証を貸したという人に会ったことはありません。
  従来の健康保険証には写真がありませんが、自分が急病になった時、健康保険証が無いと困るということが、
  他人に貸すことを防ぐ歯止めになっていた面があったと思いますが、
  マイナンバーカードがあることで、歯止めがひとつ外れる恐れがあります。
  総務省は、東京都渋谷区が始めた無料通信アプリ「LINE」で住民票の写しの交付請求ができるサービスについて、
  eKYCは、身元確認であって当人認証ではないとの立場から、区に改善を促す考えを示したそうですが、
  個人的には、健康保険証とマイナンバーカードを持っているほうが、リスクが高いのではないかと思いますし、
  マイナポータルへのアクセスなども含めて、マイナンバーカードのICチップにのみ頼ることに不安を持ちます。
  
  マイナンバーカードのICチップに関連するセキュリティーの問題が発生するリスクを検討しているのでしょうか。
  日本の原発は絶対に安全だと言って、対策が後手に回ったようなことを、行政のデジタル化では、絶対に起こさないように、
  国会は閉会中の期間が長くても、開会している時に集中して十分な審議が行われているのか聞いてみたいところです。
  
  それから、最後にもうひとつ、どうしても聞いてみたいことがあります。
  自民党総裁選挙の際、現在の岸田首相から、令和版所得倍増計画の話がありました。
  1960年、池田勇人首相が、所得倍増計画を発表しました。当時の実質経済成長率は10%を越しており、
  GNP(GDP)は、内閣府のGDP統計で1960年の16兆円から、1970年には、73兆円になりました。
  昭和版の、所得倍増計画は、高度経済成長時代で、どんどんGNPが増える状態を、分りやすいキャッチフレーズで
  表現することと、経済成長の果実を給与所得者や、中小事業者にも十分に分配して、政府や高額所得者にたいする
  不満がでないようにすることが目的でした。
  令和の時代は状況がまったく異なります。日本の総人口が減少するなかで、
  GDPを維持するのも容易ではありません。
  令和版所得倍増計画では、具体的に何をして、何を倍増しようとしているのでしょうか。