列車ダイヤについて -- 3ー42 東京オリンピック・パラリンピックの無観客開催について
2021年7月5日
3ー42 東京オリンピック・パラリンピックの無観客開催について
東京でコロナウィルス感染症の新規感染者数が増加の傾向になっていることで、
東京オリンピック・パラリンピックの無観客開催が話題になっています。
オリンピック・パラリンピック開催の実務の現場がどのようになっているのかは、まったく知らないのですが、
東京オリンピック・パラリンピックを観客を入れて開催するのが成功、
無観客開催は、負けという発想はよくないと個人的に思います。
無観客開催で、オリンピック・パラリンピックはこれほど楽しいイベントになるという事を示すことが、
考え方によっては、コロナウィルス感染症に打ち勝った証になるのではないかというのが、今回のコラムです。
東京オリンピック・パラリンピックに観客を入れてはいけないと言っているのではなく、
オプションとして、観客を入れたが、無観客でも、オリンピック・パラリンピックはこれほど楽しいイベントになる
ということを示すことができれば、歴史的な大成功のオリンピック・パラリンピックになるのではないかと思います。
過去にも、オリンピック・パラリンピックは、お金がかかりすぎるイベントとして敬遠する動きもあったなかで、
1984年のロスアンゼルスオリンピックが、1セントも税金を使わずに行われたことで、話題になり、
オリンピック・パラリンピックの新しい流れが出来ました。
コロナウィルス感染症が無かったほうがよかったのは間違いないのですが、
無かったことにして欲しいと言って、できることではありません。
この、歴史的にみても、前例がないほど特異なオリンピック・パラリンピックを、現在の事実を分析したうえで、
オリンピック・パラリンピックの新しい流れをつくるイベントにするのが良いと思います。
テレビの放映権の関連か、以前に4K 8Kなどの中継を前面に打ち出して、IOCから、技術展示会ではない
と言われたことが影響しているためか、東京オリンピック・パラリンピックをリモートで楽しむための、
新しい演出がほとんど話題になりません。以前の東京オリンピック・パラリンピックでは、世界初の
衛星生中継(当時は宇宙中継と言われていたそうです)が行われました。
今回も、コロナウィルス感染症の影響を考えれば、世界初のあっと驚くような、リモート中継の
演出があってもよかったと思います。
デジタル化では、遅ればかりが目だつ日本ですが、決してできないことはないと思います。
アメリカ・中国・イギリスなどだけでなく、例えば、nginxサーバーはロシアの技術ですし、
Kotlinを開発したのは、チェコ共和国の人です。こういう分野では、Rubyがあるとはいえ、日本の
存在は薄いです。しかし、Excel方眼紙や、YouTubeの動画編集、さらに刑事ドラマに出てくる
超高速で携帯メールを打つ刑事さんを見ていると、単に得意分野が異なるだけではないかと思います。
Statcastのような、軍事技術が起源ともいわれるような技術は、黙って丸ごと導入して、
詳細な舞台演出などの日本人が得意な分野で、英知を発揮すれば、世界中があっと驚いて感心するような、
リモート中継も可能だったと思います。
東京オリンピック・パラリンピックに観客を入れるにしても、無観客とするとしても、
透明性を確保して、現状を明らかにすることと、
反対意見を尊重して、議論を深めることが重要だと思います。
オリンピック・パラリンピックに関して、不思議だと思うのが、次の2点です。
1. 開催日、開催時刻に関して、IOCと議論したことがあるのか。
2. オリンピック・パラリンピックの支出を、なぜ資産と費用にわけて計上しないのか。
まず、1. の点についてですが、
7月8月の暑い時に、日本でオリンピック・パラリンピックをやるのは良くない、前回と同じ10月に開催すれば
良いのにと考えた人は多くいるはずです。
それから、夜遅い時間に行われる(例えば、開会式は、20:00から23:00)のは、アメリカやヨーロッパの
テレビ中継に合わせるためと言われます。
しかし、日本の20時、ニューヨークでは6時、ロスアンジェルスでは、4時です。ロンドンでは、正午です。
仮に朝9時から行うと、ニューヨークでは20時、ロスアンジェルスでは、17時です。
まるでアメリカの人のために開会式をやっていうのかという位都合の良い時刻です。
ロンドンは、確かに午前1時になりますが、それでも見たい人は見るでしょう。正午の昼休みのほうが、見る人は
多いでしょうが、正午から、午後3時まで、昼休みという人はそれほど多くないと思います。
東京オリンピックの全体の日程を見ると、午前9時から予選を行なっている競技が多くあります。
夜遅くまで行なっているのは、そうしないと日程を消化できないからという印象です。
全体の日程を延ばすことは原則出来ませんが、今回は状況が変わった、オリンピックの規模を大きくするために
日程をのばすのではなく、密を避けるために、競技が深夜に及ぶのを避けるのが目的だと言って、
IOCと議論する価値はあったと思います。
結論がどうなったかより、議論することに価値があったと思います。
次に、2.の点ですが、
東京オリンピック・パラリンピックに1兆6千億円の経費が必要というのが、納得いきません。
プロ野球の球団が、チームにもよりますが、経費は年間50億円です。なぜ、一ヶ月ほどのオリンピック・パラリンピックに
これほどの経費が必要なのでしょうか。ロンドン オリンピック・パラリンピックも1兆円は超えているので、
計算間違いなどではなく、本当に必要なのでしょう。
金額そのものより、1兆6千億円を資産と費用に区分して計上しないのが、納得いきません。
国立競技場の建設に、1、530億円必要だったといっても、これは民間の会計基準で言えば、資産購入のための支出です。
会場を警備する人の、人件費は費用です。IOCの人が来日した時の滞在費は、接待交際費として、日本側が負担しているのか、
それとも、私費で、コンビニ弁当などを各自が購入しているのかは、知りません。
JR東海は、東海道新幹線の列車の購入に、およそ、一年に600億円支出します。
一編成60億円として、乗車率50%で、東京〜新大阪間を一日に2往復するとします。
一日の売上が、3,000万円位になります。電力費や人件費などの直接費を引いて、
2,000万円くらいの利益になります。地上設備の減価償却もあるので、
およその計算ですが、一年で70億円の収益があるのなら、60億円の列車を購入するのは、
誰が考えても、合理的です。
国立競技場の近くに中央線の線路をはさんで、新宿御苑があります。
入場料は安いです。環境省からの委託を受け、一般財団法人国民公園協会が運営しています。
どれほどの税金が投入されているのかは知りませんが、都心の一等地に、あのような
落ち着いた雰囲気の公園があるのをうらやましく思います。
個人的には、収益を生む施設でないとしても、新宿御苑を維持することに大賛成です。
国立競技場も、いくらかかるかより、どのように利用して、どのように維持するかの、
情報を公開して、透明性を確保して、現状を明らかにすることと、
反対意見を尊重して、どのように利用するかの議論を深めることが重要だと思います。
民間企業でも、鉄道用空調機などで、「不適切」検査が、30年以上行われていたことが明らかになりました。
検査は不適切でも、使用して安全性に問題ないということで、釈然としません。
内情がどうなっているのかは、まったくわかりませんが、納得できる部分もあります。
以前、ISO9000の監査を受けて、不適合と言われたことがあります。
その時監査員の人が言われたことを、よく覚えています。
測定装置を毎日キャリブレーションすると手順書に書いてあったら、
土曜日も日曜日もキャリブレーションしないといけません。
作業前に、測定装置を目視で点検すると手順書に書いてあったら、
目視で点検すれば良いのです。100点を目指すようなことを、手順書に書いてはいけません。
と言われました。
日本の品質管理は、ゼロ・ディフェクトを目指すとして、手順書には100点満点をとると書いて、
実際は、80点位の作業をすることがあります。
手順書に70点なら合格と書いて、71点を目指すほうが、世界標準であることがあります。
日本の製品が、80点のうちは内々に済ませていてもいいのですが、
一番問題なのは、内々に済ませているうちに、30点になっても20点になっても誰もなにも言わない、
組織的に隠蔽する体質ができることです。
安心・安全と繰り返し言えば、人が納得するわけではありません。
情報を公開して、透明性を確保して、現状を明らかにすることと、
安心・安全だということを誰でも検証できるようにすることが重要だと思います。
ワクチン接種でも、目詰まりがあって、ワクチンが足りなくなることが問題になっています。
昨年の、PCR検査の目詰まり以来、どれだけ詰まれば気がすむのかという状態です。
職場接種のワクチンの配送を、わんこそば方式で行うというニュースを聞いた時、
「わんこそば方式」というのは、例え話だと思いました。本当にわんこそば方式で行うとは思いませんでした。
コンビニの配送のように、トラックに積む時と、店に納品する時、一品一品、バーコードを読み込んで
確認するということをなぜやらないのでしょう。コンビニは、POSシステムを使って、リアルタイムで、
店の在庫状況を把握してます。セントラルキッチンでも、情報を共有していて、生産・出荷量を調整しています。
職場接種では、接種券が無いので、VRSシステムに入力できないから、
ワクチンが何処にいくつあるかわからないというのでは、工程の基本的な管理が出来ていない状況です。
VRSシステムに入力できないとしても、ワクチンの瓶を使うたびにタブレット端末で、バーコードを読んで、
消費したというレコードを作るべきです。
完全な記録が入力できないから、レコード自体を作らないというのは、
公文書管理法を守るために、公文書を作成しないという発想と同じように感じます。
ワクチンを消費したら、自動的にシステムに記録が残り、
後で、誰に接種したかなどの完全な情報を入力しなければならないようにしなければいけません。
完全な記録ができるようになるまで、VRSシステムに何も入力しないというのは、
公文書管理法を守るために、公文書を作成しないという発想の人が、システムを発注したからかもしれません。
詳細の公表を控えて、誰も気づかないうちに、自分の都合が良いように物事をすすめるというのは、
古い発想で、現在は通用しません。
東京オリンピック・パラリンピックでも、行政のデジタル化でも、中身や根拠は示さないという発想をやめて、
不都合な事実も開示するという方針で、議論を深めることが重要だと思います。