列車ダイヤについて --  3ー41 オリパラアプリの事業費削減に関連して

                                      2021年6月23日  

    3ー40 オリパラアプリの事業費削減に関連して

  
  オリパラアプリの事業費削減に関連して、会議での“恫喝”発言がニュースになっています。
  
  新入社員のOJTの際に、先輩が同じことを言ったとしたら、大問題でしょうが、
  大臣と直接話をするレベルの人なら、耐性があるのではないかと思います。
  20年程前ですが、ビル・ゲイツ氏が社内の会議で、
  Netscape pollution must be eradicated
  と言って問題になったことがあります。
  こういう発言が出る時は本人があせっている時が多いかもしれません。
  
  今回のコラムは、公共システムの発注を話題にしてみます。
  
  20世紀には、公共システムを受注したいのは、利益が出るというよりも、最先端の技術にかかわることで、
  以後のビジネスが有利に進むという側面があったそうです。
  例えば、国政調査のシステムを受注した時は、他社のシステムでは処理できませんと言ったそうです。
  国鉄のみどりの窓口も画期的なシステムだったそうです。
  ITシステムではありませんが、新幹線の車両の製造や、東名ハイウェイバスも受注も、
  受注すること自体が宣伝になるようなことだったそうです。
  
  現在、ITシステムに関してそのような目的で公共システムを受注することはありません。
  ただし、受注する側がベンチャー企業の場合、一概に無いとはいい切れません。
  技術よりも、名前が売れることで後のビジネスが有利になることがあります。
  ベンチャー企業が公共システムを受注することは割とよくあります。
  ベンチャー企業の場合法務が充実していないので、売掛金が回収できないなどがあると大問題です。
  公共システムの場合、貸し倒れのリスクは見積もる必要がないので、公共システムをベンチャー企業が
  受注することがあります。
  政治家が専門家からレクチャーを受けることはあります。
  企業の人からレクチャーを受けると、自分の会社の製品が良いというので、大学の先生から
  レクチャーを受けることがあります。
  報道を聞いていると、顔認証の機能が必要なくなったので契約の一部キャンセルに関わる事だという
  ものと、他のメーカーのほうが、顔認証の機能がすぐれているから、契約を変更しろと言ったという
  事だというものがあります。
  鉄道の話ですが、電装品を納品する有名なメーカーで、ある電車の性能が十分に発揮されず、
  雨が降った日に、上り坂でダイヤに影響がでるような不具合がでて、納品業者を変更したが、
  海外メーカーだと、保守契約などにかかわる商取引の慣習がおりあわずまた数年後にもとにもどったことがあります。
  詳細な事実はわかりませんが、社長さんがけんかをしたとかいろいろおもしろい報道がありました。
  民間企業同士の契約ならば、基本的に契約自由なので、面白い話の報道もそれなりに面白いです。
  しかし公共システムの場合、税金が使われるので、事実に基づいた詳細な報道が期待されます。
  もし、お金の授受があって、政治家が特定の企業を推薦したのなら、完全アウトですが、
  そうでないとしても、将来の公共事業の発注の透明性の確保の観点で、事実に基づいた詳細な報道をして欲しいと思います。
  
  YRP(横須賀リサーチパーク)の場所には、以前、電電公社横須賀電気通信研究所がありました。
  電気通信に関わるメーカーにとっては、神の声・天の声のような存在だったそうです。
  携帯電話のキャリアが日本メーカー製の携帯端末を使用していた頃は、似たような関係が
  まだ残っていました。しかし、海外メーカー製のスマートフォンを使用するようになって
  かなり関係は変わっています。
  
  公共システムについては、 大企業も含めて、今でもなんとか受注しようとする会社は多いようです。
  どこかで利益がでるからだと思います。
  一般競争入札で、額面通りに業務を行えばそれほど利益は出そうにありません。
  しかし、ソフトウェアの部分については、ほとんど利用されないシステムでも、当初の
  想定通りお金が払われるとか、会計検査院の検査がそれほど厳重に行われないほどの
  金額のソフトウェアを毎年追加するなど、いろいろなところで利益がでるから、
  公共システムを受注しようとする会社が多いようです。
  特許庁のシステムのように、開発に失敗したといってニュースになる方が少数派で、
  システムは、動いているのか使われているのかわからないけれど、
  最初に決まったお金が、決まったように支払われて終わりというシステムが、
  多くあるような印象です。(あくまで印象です)
  
  行政システムを海外メーカー製のクラウドに変えることで、状況がかわるかもしれません。
  これからは行政システム調達の権限をデジタル庁に集中させるそうです。
  
  日本のメーカーや代理店を間に入れず、デジタル庁の人が開発のプロジェクトマネージャーをやったり、
  期間雇用の人が開発するようにして、
  海外のメーカーに直接発注すれば、かなり公共システム発注の状況がかわるでしょう、
  
  デジタル庁には優秀な人が集まるので問題なく進むかもしれませんが、
  ITシステムならではの事情もあると思います。
  
  以前、コンピューターメーカに居た私は、自動車メーカーの人と会議をしたことがあります。
  何の会議だったかは忘れたのですが、自動車メーカーの人が、社員が何万人居ても、
  会社のどこを切ってもクルマなので、社員の意識の共有は可能ですと言われました。
  同じフロワーに居る人が話すことも理解できない状況だったので、すごく驚きました。
  ITシステムなら何でもできるという人は居ません。
  同じ人が、東京航空交通管制部のシステムを作り、次に気象庁のシステムを作り、続いてマイナポータルの
  システムを作ることはできないと思います。
  
  以前、Linuxのシステムだからということで、会計システムを開発するための会議に出席したことがあります。
  仕訳の話があって、さらに連結の仕訳の話が続きました。私は、仕分けの話をしているのだと思って聞いていたので、
  この会社は、よほど無駄が多いのかと思って話を聞いていました。
  数年して、会計の勉強をして、やっと仕訳の話をしていたのだとわかりました。
  
  このようなとぼけた人は、デジタル庁には居ないでしょうが、
  良いシステムが出来たのは、実際に業務を進める側に熱心な人がいたからということは多いです。
  
  Suicaのシステムを作った時にも、真偽の程は知りませんが、スイカ部長と呼ばれた人が居たそうです。
  (名前が、スイカさんだったわけではありません)田町車両センターで車両の検査をしていた人で、
  特別にITシステムに詳しいわけではなかったそうですが、Suicaシステムの開発にはものすごく熱心だったそうです。
  
  ERPシステムを作る会社のなかにも、モジュールを追加する時、利用者と共同でつくる会社があります。
  アマゾンのように、もとはユーザーだった会社で、同じようなシステムを必要とする会社があるはずだと考え、
  空いている時期にシステムを他の会社に開放したのが、現在のクラウドサービスにつながった会社もあります。
  アマゾンのAWS(クラウドサービス)サイトは、ひとつのユーザーIDで世界中のリージョンを使うことができます。
  一方、EC(ショッピング)サイトは、日本のアマゾンのユーザーIDで、USのアマゾンのサイトでショッピングを
  することは出来ません。別個にユーザーIDを取得する必要があります。
  業務の内容を考えると当然なのかもしれませんが、一般にITシステムに詳しい人ならその理由がわかるというものではありません。
  
  最近まで、行政システムのデジタル化はもう適当で良いと思っていたこともあります。
  行政システムがIT技術からみて、革新的なシステムということではありません。
  行政の力が絶対に必要だと思うのは、災害復旧の時の幹線道路の復旧などです。
  日常、お役所仕事で効率が悪い仕事をしているような印象もあるのですが、
  災害復旧の時の土木工事は、民間ではできない、業者の手配なども含めて、税金を使うからこそ出来ることだと思っていました。
  コロナウィルス感染症が広まり始めた時、保健所や公立病院は、
  日頃はお役所仕事という印象だとしても、仕事のモードが変わると期待していました。
  民間病院も民間資本とはいえ、健康保険料・健康保険税で収益を得ているので、
  国のリーダーシップのもとに、仕事のモードが変わると期待していました。
  保健所は、個々人の仕事は、想像できないほど大変になったのだと思います。
  しかし、報道を見ている限り、組織としてモードが変わったという印象がありませんでした。
  あれでは、業務がオーバーフローして当たり前だという印象でした。
  しかし、最近、コロナウィルス感染症の対策は民間ではできない。国のリーダーシップが不可欠だと
  思ったことがあります。それは、ワクチン接種です。
  職場接種が始まろうとしていますが、大規模接種を行う企業でも、一企業のトータルは50万人分くらいの接種です。
  全国で、1日100万回の接種が可能というのは、やはり税金を使っておこなってこそ可能になると思います。
  
  行政システムに関しても、デジタル庁がどのような形態でシステムを開発するかに注目したいです。
  その際、デジタル庁の人達に期待することがあります。
  政治家がなんと言おうと科学的に正しいことが正しいと言ってほしいことです。
  コロナウィルス感染症に関して、専門家と政治家の関係がずっと話題になっています。
  政治家の側にいろいろまずいことがあるでしょうが、まずいと言われただけで変わるようでは政治家はつとまらないでしょう。
  専門家の側が科学的にみて確定的な発言をしていない、あいまいな発言をしているのが良くないと思います。
  何に不満があるかというと、現状が明らかにならないことです。
  自治体ごとの新規の感染者数が毎日発表されます。
  それは、行政検査で明らかになった数です。
  本当の感染者数が明らかになれば、感染症そのものの性質が明らかになります。
  去年の今頃は、2〜3ヶ月で可能になると思っていました。
  それにもかかわらず、専門家の人は、実効再生産数から、将来の感染者数が容易に予測出来ると言って、
  予測の数字だけが発表されます。
  感染症のことはまったくわかりませんが、工学で使われる、カルマンフィルターなどで考えると、
  色々な誤差の有る測定値と理論式から、現在の真の姿を得るフィルタリングや、事後的に振り返るスムージング
  では良い精度が得られますが、将来の予測がまともに出来たことがありません。(出来た人も居ると思います)
  現状の行政検査で明らかになった感染者数から計算した実効再生産数でなぜ将来の予測ができるのかがわかりません。
  明日の予測ならできるかもしれませんが、濃厚接触者の認定方法が変われば、行政検査の件数は、大きく変わると思います。
  一ヶ月先の感染者数の予測が当たるわけないと思います。
  専門家の人は、将来の感染者数の予測を発表する際は、
  将来の数字だけを言うのではなく、少なくとも、現在の真の感染者数の予測と、
  今後、どのような行政検査がおこなわれると仮定して、どのような手順で予測したかを
  発表しなければならないと思います。
    
  
  追伸)ワクチン接種(第1回目)を東京の大規模接種会場で受けました。
  地下鉄の駅から会場まで、方向音痴の私でも迷いようが無いくらい、多くの係の人が丁寧に道案内
  してくれました。接種自体も流れ作業で、手順が確立されている感じで、非常にスムーズでした。
  また2回目の接種の予約がとれなかったらどうしようと心配していたのですが、
  第1回目の接種の後で、係の人が予約してくれました。
  接種券が送られてきたのが決め手になりました。はんこは使われなくなっても、やはり紙が重要です。
  QRコード決済で、自動車税が払えるようになっても、ハンコを押してもらえないので、継続検査(車検)を受ける
  には県税事務所や市役所にいって証明書を発行してもらう必要があるそうです。
  証明書にハンコが押して有るかどうかは知りません。
  マイナンバーカードも、パスワードが4つもあって覚えられないので、
  紙にパスワードを書いて、ケースにいれてカードといっしょに持ち歩くのが良いそうです。(うそです)
  
  「必ずしも追加の接種日程に予約できるとは限りません。
  ※既に別の日程で予約済みの方は、まず現在の予約をキャンセルした後、再度予約の手続きをしていただきます。
   事前に空き状況を確認したい場合は、XX市コロナワクチンコールセンターにご連絡ください。」
      
  これは、現在、ある地方自治体の、ホームページに実際に書かれている文章です。
  ワクチン接種を予約したが、日時を変更したい時、まず現在の予約をキャンセルする必要があって、
  新しい予約が取れるか取れないかはやってみるまでわかりません。事前に空き状況を確認したい人は
  電話してくださいということです。
  これでは、コロナワクチンコールセンターが無駄に混雑するだけです。
  予約の初日、異常に混雑するので、電話問い合わせにするとしても、何日かすれば、
  日計で、空き有り、空き少ない、空き無しを表示するだけで用が足ります。ホームページの得意分野です。
    
  実際のワクチン接種の業務の品質の高さと、システムを使う業務の品質の落差に驚きます。
  現場の改善活動で、業務の品質を向上させていたとしても、システムを使うようになると、
  同じ方法が通用するとは限りません。
  DX(デジタル・トランスフォーメーション)は、ITシステムの技術だけで、達成できるものではありません。
  むしろ、地方自治体の業務の現場から、業務の改善と、それにともなうシステムの改修を提案し、
  中央省庁に伝える手順を確立し、システムを改修し、改善された業務手順を
  全国の自治体に伝達するなどの、業務手順の向上が鍵になると思います。