列車ダイヤについて -- 3ー40 ワクチン接種予約システムと、報道の話
2021年6月15日
3ー40 ワクチン接種予約システムと、報道の話 (列車ダイヤとは関係無い話題です)
コロナウィルス感染症の、ワクチン接種に関しては、大規模接種の予約サイトに当初問題がありました。
地方自治体の接種予約サイトも、当初なかなか繋がらないという問題がありました。
なぜ問題が起きたのでしょうか、
地方自治体の接種予約サイトも大規模接種の予約サイトも同じ会社が請け負っていることは、
予約サイトのドメイン名をみればすぐにわかります。
元大学教授で元政治家の有名な方が、経営顧問をされている会社です。
大規模接種会場の運営で、旅行会社と提携して運営すると報道されたことから見ても確かです。
なぜ、有名で優秀な方が経営顧問をされている会社でこのような事が起きたのでしょぅか。
地方自治体の予約サイトでは、自治体のコードがすでに入力されており、編集不可能ですが、
大規模接種会場の予約サイトでは、空白になっており、利用者が入力するようになっています。
地方自治体の予約サイトを元に、最速で大規模接種会場の予約サイトを作るとしたら、結構正しい対応です。
架空のコードで予約できることはわかっていたが、とりあえず早くサイトを作ることを優先したのかもしれません。
話は変わりますが、およそ20年前、「e−Japan戦略」というものがあり、デジタル化を推進しようとしたことが
あります。その頃、日曜日の朝テレビを見ていて、デジタル化はいいようにいかないだろうと思ったことがあります。
有名なジャーナリストの人と、JASDAQ、マザーズなどの市場に上場したばかりのIT企業の社長の人が何人か
出演して対談の番組でした。有名なジャーナリストの人が自分が理解できないカタカナ用語を使ったら、
すぐに発言を止めると言っていました。IT企業の社長の人達は、適当に受けが良さそうな事を発言しているように感じました。
仮に、政治ジャーナリストの人が、首相ならわかるが、総理大臣という言葉は自分は知らないと言って、
発言を止めていてまともな議論はできません。
それからおよそ20年経って、状況が良くなったかというと、ほとんど変わっていません。
少し前になりますが、国会で、原子力発電所で使われているパソコンに、USB端子が付いているかいないかという
やりとりがありました。
報道の話にもどすと、決して、IT初心者向きの番組を作ってはいけないとか、IT初心者の人が報道してはいけない
とは言っていません。
IT関連の報道に、本人が納得するまで事実を確認して報道しているという意気込みが伝わってこないことが、
大きな問題だと思います。
本人が納得するまで事実を確認して報道していないと感じるのはどのような時か、
少し別のエリアの報道で説明します。
少し前、有名な芸能プロダクションに関連して、闇営業という言葉が有名になったことがあります。
通常営業の際の、会社側の取り分などに関して、多くの放送局が、有名芸能人にインタビューしたビデオを流して、
詳細はよくわかりませんと言っていました。しかし、芸能人本人は知らなくても、テレビ局は、詳細を知ることができます。
多くのテレビのキー局は、この芸能プロダクションの企業の株式を100分の3以上保有してます。
会社法433条に規定された、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧謄写請求権を行使すれば、
詳細を知ることができます。個人情報は保護すべきなので、内容を報道する必要はありません。
むしろ報道してはいけません。しかし、可能な限り、確認可能な事実を確認してから報道するということは
非常に重要です。
同じように、ワクチン接種の予約の報道も、高齢者の人はITの利用が苦手とか、
なかなか予約サイトに繋がらないなど、わかりきったビデオを流しているだけで、
確認可能な事実をすべて確認して報道しようという姿勢が感じられませんでした。
その中で、個人的に優秀な報道だと感じたのは、
架空の接種券番号でも、予約できてしまう事を試してみてから報道した記事です。
コロナウィルス感染症の問題が一段落してからで良いので、
徹底的に事実を確認した報道をしてもらいたいと思います。
今後の行政のデジタル化をスムーズにすすめるために必須です。
知りたいのは、ワクチン接種の予約サイトをいつ頃どのような手続きで、いくらで受注したかです。
自治体の健康診断の予約管理などのシステムも作っている会社なので、
不正があったとか言っているのではなく、ただ税金で発注したシステムの詳細を知りたいのです。
なぜ、接種券番号にチェック・ディジットを設定しておかないというような基本的な検討がされなかったのか。
ワクチン接種の予約が始まった時点で、どれだけの数のワクチンが地方自治体にいつ配布されるかが、
確定していたのかなどを知りたいです。
どれだけの数のワクチンが地方自治体にいつ配布されるかが確定していないと、実際予約を受け付けることが
できません。
実際にワクチンを接種するまでに確定すれば良いでは、予約業務で大混乱が起きます。
予約する側で予約を変更するのはたいした手間ではないのですが、
予約を受け付ける側で予約を変更するのは不可能です。
1992年の300系の車両以来、JR東海の新幹線の車両の各号車の定員は2020年までまったく同じでした。
N700系の車両は鼻が長いので、1号車と16号車だけ座席の間隔を狭くして、700系と同じ定員にしました。
3列席を回転させるのはギリギリです。そうまでする必要があるのかと思いますが、
いちど受け付けた座席予約は変更できないことを考えると納得がいきます。
業務全体がどのように進んでいるかが管理されていないと、政治家が予約を開始すると言った日に、
無理に予約の受付を開始するようなことがあると、受付業務も利用者も大混乱になります。
今も、接種券の無い人に職場接種をどのように進めていくかなどが、話題になっています。
混乱した状況のなかで、ワクチン接種が進んでいくと、ワクチン接種を受けたのに、
ワクチン接種証明書を得ることができないというようなことが起きるのではないかという
不安がありあます。
個人的な印象ですが、会計などの分野は、専門家といわれる人は、自分の特定の専門分野に限らず、
会計一般にそれなりの知識を持っているように感じます。
しかし、ITの分野の専門家は、自分の特定の分野はすごい詳しくても、必ずしも
ITのすべての分野にそれなりの知識を持っているとは限らないように感じます。
その人の能力というより、IT、情報がすべての生活の分野に関わることや、
専門家の性格など複合的な原因に依存するような印象も受けます。
そこで、ITの分野の専門家のなかでも、話題になっている特定の分野の専門家を探して、
取材する報道機関の人の力が、IT分野の報道に貴重なように思います。
しかし、結論ありきの偏った取材は百害あって一利なしだと思います。
オリンピック・パラリンピックの海外からの旅行者を管理するシステムの開発経緯も、
報道して欲しいです。
個人的にですが、10億円のSIプロジェクト(運用開始時が5億円、5年間の運用中が5億円)で、
運用開始までが1年間というとかなり忙しいと感じます。
73億円のプロジェクトを今年の1月に受注したというのが本当だとしたら、
よく作ることができたなと思います。ひょっとしたら、去年から受注することがわかっていたのかと
思います。そして5月末になって、半値にしろと言ったそうですが、20階建てのビルを建てるとして、
基礎工事が終わり、鉄骨を組み始めてから、10階建てでいいから、半値にしろと言っても
出来るわけありません。最初の受注額がよほどいい加減だったのでしょうか。
個々のプロジェクトの金額が小さいから、IT予算の管理は適当で良いと思うかも知れません。
しかし、世界を見ると、株式時価総額が、日本の年間国家予算並の企業があります。
IT関連の報道が通りいっぺんで、深層を明らかにしないことも、IT予算の管理が
いい加減になる一因かもしれません。
以前、長期のSIプロジェクトの収益を工事進行基準で測定していたことがあります。
実現していない収益の測定が出来るわけ無いと思っていました。(正しく出来ていた人も居ると思います)
現在はルールが変わりましたが、無形固定資産の評価額を正しく測定することが困難なことに変わりありません。
ITのイノベーションを起こすには、天才的なひらめきを持った人が必要不可欠です。
しかしそれだけで十分ではありません。
会計的に正しく価値を評価し投資する人も必要です。
さらに正しく推測し、取材を通じて事実を確認し、批判的に報道して、不正をただす報道機関の
存在が不可欠です。
20年前は、IT関連の報道がいい加減だったとしても、翌週は別の分野の話題を放送するという
状況でした。しかし現在は、ITがテレビ局の事業活動そのものに深く関わっています。
放送の分野では、ラジコは大成功のプロジェクトだったと思います。
IPv6マルチキャスト技術も成功の重要な要素です。
それだけでなく、電気通信事業法に定める通信ではなく、放送法の定める放送だと規定して、
番組内で使用する楽曲の著作権について、放送として認められる方法が使えることにしたことも
それにも増して重要な成功の要因です。現在はネットライブ配信なども盛んになっているので、
事情は改善されているのかもしれませんが、当時は、著作権は大問題でした。
現在サブスクリプション型の動画配信サービスが広まっています。
いつでも、どこでも見られるのが魅力です。
地デジ放送が大々的な宣伝とともに始まりましが、10年後にすでに4Kや8Kに対応していないという問題が起きています。
個人的に録画した番組は10回までダビングできるというのも、いかにも中途半端です。
NFT(Non−Fungible Token:非代替性トークン)の技術などを活用して、
合法的な情報機器への録画・保存はできるだけ簡単な方法で可能にする必要があります。
総務省から認可された電波を使用して、県域放送の仕組みを維持しつつ、
キー局間での視聴率競争だけしていると、海外勢のサブスクリプション型の動画配信サービスに
とって変わられる日が絶対来ないとは言えないと思います。
最後に、マイナンバーカードについても、深層を報道してもらいたいと思います。
個人的には、マイナンバーカードの表側(本人確認のための身分証明書)は無くてもいいのではないかと思います。
クリニックに行く時、運転免許証と健康保険証を持って行くかわりに、
マイナンバーカードを持っていけばよいといっても、あまり有り難みがありません。
携帯端末だけ持って行けば良いというほうが、はるかに有り難いです。
マイナンバーカードの本人確認機能が、「まさにこのカードしかない」というほど万全かということにも
疑問があります。
携帯端末に、運転免許証、健康保険証、パスポートなどを保存して、複合的に管理するほうが、
安全・安心なのではないかと思います。
日常の心拍や歩き方のくせを記憶するウェアラブル端末と組合わせる、端末側で学習する、新しいSiriの
しゃべり方のクセを記憶する機能を利用して、携帯端末を他人が所持しているおそれが有る時は
通知する機能も利用して管理するなどのほうが、安全・安心ではないかと思います。
「まさにこのカードしかない」と言って、過去の投資(埋没原価)にこだわるのではなく、
今からでもいろいろな道を検討してみる価値はあると思います。
携帯端末のマイナンバーによる本人確認機能が使えるようになると、あわせてクレジットカードを使う
場合にも便利になります。
5年毎にカードを取り替えてあわせてポイントなども新しいカードに移行するのは不便です。
携帯端末に保持できればこのような不便はなくなります。
現在運転免許証を2枚所有することはできません。
携帯端末に、運転免許証を保存すると、元の免許証は返納しなければならないのかが問題になります。
しかし、携帯端末が壊れた時のために両方持っていても、2台の携帯端末に運転免許証を保存していても、
一度に両方を無効にする機能さえあれば問題ないかもしれません。
さらに、誰でも思いつくのが、指名手配された時に、携帯端末に保存された本人確認情報に、指名手配されたことを
外部から強制的に書き込めば、犯罪捜査に役立ちます。
本人証明書が保存されている携帯端末の電話番号や、IMEIの番号を結びつけておけば、
どこに居るかや最後に電源を切った位置がわかります。
もちろん推定無罪の観点からも、人権の観点からもものすごい議論があると思います。
このようなことを国会で話し合えば、パソコンに、USB端子が付いているかいないかという知識のテストをしているより
有用な議論になると思います。
そのためには、報道機関もパソコンに、USB端子が付いているかいないかという知識のテストのほうが、
テレビを見ている人の受けが良いという観点だけでなく、事実をすべて確認するという観点が必要になります。
マイナンバーカードの裏側(税・社会保障・災害対策の法令で定められた手続きを行う際の番号確認に利用)は
どのように使っているのかよくわかりませんが、税の業務にはかなり使われていると思います。
所得税の確定申告を、e−Tax で行うとき、マイポータル連携の機能を利用しているとしたら、
生命保険料控除証明書、特定口座年間取引報告書、
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(借り入れの初年度は除く)
などの書類がマイナポータルに保存されているということがわかります。
もちろん合法的にこれらの情報を保存しているのですが、いつ承認されたのか知りません。
法令集の裏側などを虫眼鏡でみると書いてあるのかもしれません。
所得税の確定申告を、e−Tax で行うとき、領収書等は、保存する必要がありますが、提出する必要はありません。
銀行口座をマイナンバーと結びつけると、徴税の観点で、個々の領収書は必ずしも必要無いほどお金の動きが把握できるから、
銀行口座の登録にこだわるのではないかと思っています。
疑問があります。海外の金融機関に口座を持っているような超富裕層の人の報告書も
もれなく保存しているのでしょうか。
さらに疑問があります。これだけ情報を保存しているのなら、徴税だけでなく、給付にも使用すれば、
もっとすみやかに給付できるのではないでしょうか。
給付のためにはこれらの情報は使えないというような法律があるのなら、
すぐに国会で相談して時限立法で良いので解除してもらいたいと思います。
それから最後にもうひとつ(本当にこれで最後です)
いかに深層を明らかにするような良い報道があったとしても、
ワクチン接種予約システムの不備の報道を、「悪質な妨害愉快犯」と言う人がいると
すべてがぶち壊しになります。
システムを使う人は善意で使っていると仮定して、使う人が不便だ問題があるといった時、
システムの不備を直そうとすることが重要です。
そうすると、どう考えても使い方がおかしい、もしかして悪意があるのではないかという人が見えてきます。
そのなかのさらに一部が、テロリストだということがあります。
システムに問題があると言われた時、最初からすべてを、「悪質な妨害愉快犯」と決めつけていると、
このような一部の悪意のあるテロリストを見逃すことになります。
もちろん誰が何をいうのも自由です。そしてそれを批判するのも自由です。
ワクチン接種予約システムの不備の報道を、「悪質な妨害愉快犯」と言う人は、
社会のデジタル化の進展を妨害する諸悪の根源だと思います。