列車ダイヤについて --  3−34 ワクチン接種と、行政のデジタル化について

                                      2021年5月10日  

    3−34 ワクチン接種と、行政のデジタル化について ( 列車ダイヤとは、ほとんど関係ありません。)

  
  ワクチン接種の予約が殺到して、システムが反応しなくなったり、電話がかかりにくくなる現象が起きています。
  行政手続きや、行政のデジタル化をスムーズに進めるには、
  透明性を確保し、情報を積極的に開示することが鍵になるのではないか?というのが、今回のコラムです。
  
  まず、ワクチン接種の状況ですが、
  2月17日から、4月9日までの状況は、厚生労働省のホームページに、
  4月12日以降の状況は、首相官邸のホームページにでています。
  まず思ったのが、こういうのを行政の縦割りの弊害というのではないかということです。
  
  4月9日までに接種が完了したと思い込んでいて、いつまでたっても接種の順番が回ってこない、と言う人は
  いないと思いますが、同じような情報を開示するシステムを2重に作るのは無駄です。
  
  そして、もっと大事なのが、一日、100万回の接種を行なって、高齢者への接種を7月末までに終えるそうですが、
  現実には、5月6日までのデーターで、4月27日の21,602回の接種が最高です。
  
  高齢者の接種を4月12日に始めると言ったから、その日に始める、大規模接種会場を国の主導ですすめるなどの
  パーフォーマンスは不要です。本当に7月末までに終えるつもりなのなら、一日ごとの各市町村での
  接種予定数と、進捗率の予定を公開すべきです。
  
  一方で、医療従事者への接種回数は、それなりに増加してきており、5月6日には、
  331,914回接種されています。
  
  東京都の練馬区で、練馬区モデルとよばれる仕組みで、ワクチン接種を、集団接種会場と
  かかりつけ医で実施しているそうです。
  まず、医療従事者への接種をすすめて、それから75歳以上の高齢者から、接種していくそうです。
  全国的にもこの方法が適用できるとしたら、スムーズに進むかもしれないと思います。
  一日33万回接種できるのなら、軌道にのれば、50万回位接種できるかもしれません。
  
  7月末までに終えるといったから、割り算で、一日100万回というような計算ではなくて、
  医療従事者への接種と同じ手順で、それ以降の接種を進められるのか、
  それとも、予約システムなどに問題があってそうはいかないのかなど、
  本当に知りたい情報が開示されません。
  
  各市町村での、接種予定は、行政のホームページではなくて、
  Smart Newsなどの、ワクチンのページのほうが具体的です。
  開示する情報を皆に見て欲しいという意識の違いではないかと思います。
  
  新型コロナウイルス感染症に関する行政の開示には、透明性が不足しています。
  昨年PCR検査数が増えないという問題があった時、
  検査数は確保している、どこかに目詰まりがあるという発言が繰り返されました。
  また、感染者数が増えると、皆さんにゆるみがあるという発言もありました。私のどこにゆるみがあるのか、
  勝手に監視しているのかと疑いたくなります。
  
  新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」に不具合に関して、2月に修正されたと発表がありました。
  しかし、それはプログラム(コード)が、機能仕様書どうりに作られていなかったのを修正したということです。
  機能仕様書に問題があるのではないかについては検討されていません。
  アプリが有効に機能しているというのなら、「COCOA」により、何人の濃厚接触者が報告され、何人の感染を
  防いだと推定されるという具体的な数字を開示すべきです。
  
  検索サイトで、全世界的な情報が検索できるので、情報の検索は現在のIT技術なら簡単だという部分はあります。
  しかし、検索サイトを使う時は、最初のページに探していたサイトが表示されるかどうかが重要で、
  条件を満たすものの数が、5,000件なのか、4,999件かはどうでもかまいません。
  
  一方で、ワクチン接種であれば、大規模接種会場で接種を受けたと思っていたけど、実は検索から漏れていた
  というようなことは許されません。本人の意思で接種を受けないのは問題ありませんが、
  ワクチン接種予約システムに問題があって、市町村のシステムと国のシステムの連携がうまくいかないなどの理由で、
  1回しか接種を受けていないとか、3回接種を受けた、1回目と2回目で異なる種類のワクチンの接種を受けたなどは、
  絶対に許されません。このようなシステムの検索の仕組みは、検索サイトのシステムとは、目的が異なるので、
  実装もまったく別物です。そして、ふたつの異なるデーターベースの情報を連携して更新するのは、
  現在のIT技術でも容易とは限りません。
  ワクチンが余ったので、QRコードの通知票を持っていない人に接種しようという時の本人確認と、
  接種履歴の確認をどのようにおこなうかなど、業務手順で例外処理の手順をしっかり決めておく必要があります。
  
  続いて、マイナンバーカードの話です。
  昨年の、特別定額給付金の給付の際は、マイナンバーのシステムで、申請者が世帯主がどうかも確認できなかった
  という話を聞きました。(システム内部の機能仕様書は公開されていないので確認はしていません。)
  世帯主とは、生活・生計を共にする家族の中の代表者のことです。正確な法律の規定は、
  確認していないのですが、生活・生計を共にしていれば、続柄に関係なく15歳以上の人から、自由に決めることができます。
  複数届けることもできます。戸籍の筆頭者とは関係なく、届けることができます。
  ただ、所得税の確定申告をする時、配偶者控除や、扶養控除の所得控除を申請できるのは、世帯主だけなので、
  家族全員を世帯主にするようなことは普通しません。
  
  「マイナンバーと金融機関の口座の紐付け」が話題になっています。義務化は見送ることになったそうですが、
  「任意」で、1人1口座を登録し、緊急時の給付金の申請手続きを簡素化し、迅速な給付につなげるということでした。
  
  もし、「マイナンバーと金融機関の口座の紐付けを任意で登録した人には、特別定額給付金を給付します。後は知りません。」
  だったら、行政の事務処理は大幅に簡略化され迅速化されます。
  しかし、この仕組みがなりたたないことは明らかです。
  
  金融機関の口座をもっていない子供が給付の対象になりません。
  金融機関の口座をもっていない人や、マイナンバーとの紐付けを登録していない人にも給付するとなると、非常に面倒になります。
  かりに、子供が金融機関の口座をそれぞれ持っていて、ひとりだけマイナンバーとの紐付けを登録していたとします。
  市町村は、まずその子供に、マイナンバーとの紐付けを登録した金融機関の口座で、給付金を受給したか受給する意思が
  あるかどうかを確認し、つづいて、世帯主に金融機関の口座とマイナンバーとの紐付けを登録していない人及び、
  当該金融機関の口座で、受給することを希望しない同居の家族の名前をかいて申請書を提出することを徹底し、
  受け取った申請書を確認する作業をおこなう必要があります。
  
  まず行政の業務全体の仕組みを考慮し、つづいて、行政システムの機能仕様書を決定する必要があります。
  「COCOA」のシステムの開発費は、およそ4億円だそうです。もし、1億人が利用するとすると、
  一人あたり4円です。東京オリンピック・パラリンピックのコロナ対策「神アプリ」の開発費は、
  73億円だそうです。かりに関係者2万人が利用するとすると、
  一人あたり36万5千円です。
  マイナンバー制度に関する国費支出の累計が関係法成立後の過去9年で約8800億円に上るそうです。
  市町村の窓口で、カード発行の手続きをしている人の人件費などもっと費用が発生しているかもしれません。
  マイナンバーカードの交付枚数が、およそ3、600万枚なので、
  カード一枚あたり、およそ2万5千円です。
  この計算は詭弁のようにも聞こえますが、行政のデジタル化でどのような業務が重要だと判断しているかの
  ひとつの判断材料になります。
  システムを利用することの有効性の検証をあわせて、必要となった費用も開示していほしいと思います。
  
  それから、マイナンバーについては、個人情報の保護も重要な項目です。
  カードやマイナポータルのシステムから、情報が抜き取られたりしないのか、不正アクセスやなりすましの恐れが
  ないのかの仕組みを開示すべきです。秘匿すべき個人情報を保持するシステムだから、
  機密保護の仕組みも秘匿するのが良いとはいえません。もちろんパスワードなどは秘匿すべきですが、
  だれもが納得した仕組みで、機密保護を行うべきです。
  あわせて、行政機関で働く正当に業務でアクセスする人についても、
  システムへのアクセス権と職務分掌が適切に管理されていることを常に開示すべきです。
  デジタル庁の専門家の見識とあわせて、民間の見識も参考にすべきです。
  中央省庁の人が、大好きなように見える(??)
  AWS(Amazon Web services)では、
  rootユーザーではなく、
  IAM( AWS Identity and Access Management)ユーザーとして AWS アカウントにサインインし、
  各ユーザーのアクセス権限を管理し、人事権とシステムのアクセス権を切り分けて管理し、
  人事異動などの際に定期的に見直すとともに、アクセスログを取得して、
  自動的に、不正アクセスの警告を行う機能を使うべきであると推奨されます。
  
  おおいに参考にして、行政文書を積極的に開示し、黒塗り文書の妥当性なども、かならずシステムで妥当性の
  検証をおこなうようにすることで、行政のデジタル化が推進すると思います。