列車ダイヤについて --  3−26  東京オリンピック・パラリンピックとデジタル化とグレートリセットの話

                                      2020年11月23日  

    3−26 東京オリンピック・パラリンピックとデジタル化とグレートリセットの話 ( 列車ダイヤとは、ほとんど関係ありません。)

   
  IOCのバッハ会長が来日し、来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催について、話し合いが行われました。
  「観客を入れての開催、この道しかない」という感じで報道されています。
  
  無観客開催が妥当のように思いますが、(はっきりした根拠はありません。)
  その際、デジタル技術をフルに活用すれば良いのではというのが、
  今回のコラムです。
  
  東京オリンピック・パラリンピックを開催したほうが良いと思うのは、アスリート・ファーストが原則なので、
  最近の体操の国際大会の様子や、選手の方の発言を聞いていて、
  開催は可能だし、開催したほうが良いと思います。
  
  しかし、海外からの観客が来日するとなると、大丈夫かなと不安になります。
  そこで、デジタル技術をフルに活用した観戦のやり方を検討しておいたほうが良いと思います。
  競技場での観戦が可能になっても、あわせてデジタル観戦をしてもかまわないので、
  「この道しかない」ではなく、いろいろなことを準備しておくほうが良いと思います。
  
  スポーツ関連の事はくわしくないので、具体的な方法はよくわかりませんが、
  9月に東京で開催されたフェンシングの全日本選手権大会などが参考になります。
  
  デジタル化のコンセプトやアキテクチャーの話は、日本人には不得意な人も多いのですが、
  具体的にどうするかという話になって、ターゲットが決まると、力を発揮します。
  以前、紅白歌合戦で、歌手にプロジェクション・マッピングが行われたことがあります。
  動く物にマッピングするので、自分の感覚では、失敗してもそれなりにできれば、
  ナイストライと思いますが、完璧にできていました。
  仕上げにこだわる日本人の良い面も発揮されたように感じました。
  ネット配信すると、テレビの放映権との兼ね合いをどうするかなども問題になりますが、
  日本全体のデジタル化に”ぶりをつける”意味でもトライする価値があると思います。
  
  最近行政のデジタル化が話題になります。
  2025年までに、自治体の行政システムの仕様を統一するための法律を作るそうです。
  詳細を知っているわけではないのですが、これが行政のデジタル化のために
  本当に必要なことなのか、疑問があります。
  ITエコシステムが話題になります。生態系のエコシステムになぞらえて、
  それぞれの製品からのデータ出力と入力により、全体のITシステムとして連携することで、
  ユーザーや、すべての関連するメーカーが利益をあげることができることを指します。
  
  生態系は、生物多様性が維持されているほうが、豊かになります。
  とにかくシステムを統一して、例えば、マイクロソフトのエッジのブラウザーでないと
  申請出来ないようにして、問題を回避しても、
  山に一面に杉を植えるようなもので、
  そのうち土砂崩れが起きるのではないでしょうか。(あまり根拠はありません。)
  この話を信じて、いろいろなシステムを導入したら、里山が雑草だらけになって、
  街にクマやイノシシがでるようになったとしても、一切責任を負いません。
  しかし、行政システムは広く住民へ通知するために、民間システムと連携することが
  あると思います。その時、すべてのシステムを統一することはできません。
  
  民間企業で、連結財務諸表を作るために、各社共通のシステムを導入することがあります。
  しかし、新規連結した会社が一社でも、異なるシステムを使っていると、結局
  データーが揃わず、連結財務諸表が作成できません。
  連結パッケージという表計算ソフトの帳票をやりとりしているのを見て、
  時代遅れという人は多いのですが、最後は結局連結パッケージに頼ったという話を聞きます。
  
  山陽新幹線の「のぞみ」が停まる駅では、「発車予告音」に「銀河鉄道999」 の音色を使っています。
  すべての駅で同じように鳴らしているわけではありません。
  「銀河鉄道999」が一回の駅、「銀河鉄道999」の後、発車のブザーが鳴る駅、「銀河鉄道999」が二回の駅などが
  あります。乗降客が多い駅、始発列車が多い駅、乗り換え客が多い駅、見送り客が多い駅など、
  各駅の実績に基づいて、最適な使い方をしているようです。自治体の行政システムも同じで、まず現状の
  各自治体の特性を分析すべきだと思います。
  
  ところで、2021年1月に、グレートリセットを話題にして、
  世界経済フォーラムが開催されるそうです。
  「グレート・リセット」とは、協力を通じより公正で持続可能かつレジリエンス (適応、回復する力)のある未来のために、
  経済・社会システムの基盤を緊急に構築するというコミットメントです。
  
  何をリセットするか知りませんが、部屋のカレンダーをリセットするとか、
  調子の悪いパソコンをリセットする程度ではないようです。
  
  明治維新などに見られるように、なかなかリセットできないけれど、一度リセットすると、
  皆が、”United by Emotion” の精神で大きなことを成し遂げるのが、
  日本人の特性のようです。チャンス到来かもしれません。
  
  リセットして欲しいことがあります。
  会計基準として、日本基準、米国会計基準、IFRS基準の3つが使われているのを、ひとつに統一して欲しいと思います。
  
  株式会社は、各事業年度に係る計算書類と一部の会社では財務諸表を、日本基準で作成します。
  その後、一部の会社では、各事業年度に係る連結計算書類と連結財務諸表を、上記のいずれかの
  会計基準で作成します。会社間の比較可能性は確保されているそうですが、厳密に確保されているのか、疑問です。
  法人税の確定申告は、確定した決算に基づき、納付税額を計算します。
  連結納税を選択している会社でも、連結計算書類はいっさい使わず、個別の計算書類から、
  納付税額を計算します。経済的な活動実態が同じ会社が、選択した会計基準によって、
  納付税額が変わるというのは、許容されないからです。
  米国会計基準の、FASBのコーディフィケーションには、使い続けるというのにも一理あると思いますが、
  日本基準は、IFRS基準に限りなく似ていますが、まったく同じではありません。
  似て非なるものをいつまでも残すのは、愚の骨頂です。(あくまで個人的な感想です。)
  地方自治体は、「単式簿記」による現金主義会計に加えて、企業会計に近い「複式簿記・発生主義」による
  財務諸表を作成しているそうです。
  この際、リセットして、GASBのコーディフィケーションを参考にして、すべての自治体が共通の
  「複式簿記・発生主義」による財務諸表だけを作成するように変更すべきです。
  行政のデジタル化は、行政改革と車の両輪で進めなければなりません。
  
  最近、Googleから、都道府県別コロナ予測「COVID−19感染予測(日本版)」が提供開始されました。
  GCP(Google Cloud Platform)の BigQuery のテーブルが使われています。
  BigQueryは、アップデートの頻度には限度があるので、銀行の勘定系や、予約システムには使えません。
  しかし、クラウドにデーターを保持する料金が、他のSQLベースのデーターベースの10分の1以下です。
  しかも、ほぼ無制限の量のデーターから、SQLベースの複雑な条件で、正確に条件を満たすレコードを
  迅速に、選択することができます。全世界の情報から、AIで分析するために必要な質の良いデーターを、
  迅速に作成することができます。
  これぞ、まさにクラウドの威力を最大限発揮したと言えます。
  「感染がどうなるかっていうのは、本当に神のみぞ知る……」かもしれませんが、天気予報と同じで、
  予測があるほうが、被害が軽減されることはあります。
  
  「行政のデジタル化はクラウド、これからの5年間、この道しかない、悪夢のような、
  オンプレミスの時代に戻ることはできない」
  といっても、5年経たないとどうなるかわかりません。
  どのようなシステムが最適かは、本当に神のみぞ知る……かもしれませんが、
  「お神の命令に反するものには、1円も出さない」が正しいとは言えません。
  自治体の行政システムは、非常に多くの住民が使うものです。
  インターネットのRFC(Request for Comments)のように、
  技術の標準化や運用に関する事項などを、幅広く情報共有するのが良いと思います。
  絶対、洪水がおきない堤防をつくっても、予期せぬエラーで災害がおきることがあります。
  少しの洪水があっても、被害を最小にすることを考えるべきです。
  そのためには、COVID−19感染予測のように、今まさに必要な情報を、記憶や記録が無くならないうちに、
  発信し続けなければなりません。
  
  まとめとして、
  ー デジタル化は、行政改革と車の両輪で進めなければなりません。
  ー デジタル化の成果は、記憶や記録が無くならないうちに、日々発信しなければなりません。
  ー スポーツや音楽のような、皆が注目する分野で、デジタル化の成果をあげることが、
    日本全体のデジタル化に”ぶりをつける”意味でも重要です。
    
  それから、最後にもうひとつ、(本当にこれが最後です。)
  
  日本の地震・津波の観測監視、警報システムに相当するものを、Googleが携帯端末の
  加速度計を利用して作ろうとしています。
  iPhone12 の LiDARセンサーを使って、他の何人の人と、どの位の距離で、接近したかを
  記録するアプリが作られようとしています。
    
  日本が得意だった、高度で精密な測定が、汎用機器を利用して、世界規模で実現可能になろうとしています。
  IT後進国にならないよう、危機感をもって、デジタル化を進めなければなりません。