列車ダイヤについて -- 3-21 会計と鉄道の話
2020年10月05日
3-21 会計と鉄道の話
最初にクイズです。
サンライズ瀬戸・サンライズ出雲が東京駅に停まっています。
有楽町側は、どちらですか。
正解は、下り列車なら、サンライズ瀬戸
上り列車なら、サンライズ出雲です。
なぜそうなるのでしょうか?
在来線の列車は、おうむね96時間に一回仕業検査をしなければいけません。
この検査をすべて、JR西日本、後藤総合車両所、出雲支所で行うためです。
車両を所有しているのが、すべてJR西日本だからではありません。
285系電車は、5編成35両あり、3編成21両(I1 - I3編成)がJR西日本後藤総合車両所に所属(出雲支所配置)
3000番台の2編成14両(I4 - I5編成)はJR東海大垣車両区に所属しています。
サンライズ瀬戸に東京から高松まで乗車したとします。
売上は、JR東日本・JR東海・JR西日本・JR四国が、営業距離数に応じて按分します。
収益費用対応の原則とは、期間利益額を算出する際に期間収益と期間費用の金額的な対応関係が成立するように、
計上することを言います。
売上収益の額の大きい、JR西日本とJR東海が車両を所有し、減価償却費(費用)を計上し、
他の会社は車両の使用料を払います。運転士は交替して、各社の区間を運転します。
車掌さんも各社の区間乗務します。
JR東海の車両をJR西日本が検査すると、各々業務委託、業務受託になっているのだと思います。
鉄道が相互直通運転する場合、各社が車両を所有し、
なるべく現金のやりとりをおこなうことなく、収益費用対応を完結させようとすることがあります。
ただ、サンライズの車両を昼間、東京の車庫に停めておく、高松の車庫に停めておくなど、細かい
ことまで言うとどのように精算しているのかは知りません。
車両の数が同じなら同じとするのか、近所のコインパーキングの料金を反映して、駐車料金を計算
するのかは、知りません。
日本では、生産現場などで、技術的な話はしても、
経営者でないかぎり(場合によっては、社長も含めて)あまり会計の話はしないほうが良い
というような風潮がありました。しかし、すでに時代遅れだと思います。
鉄道ファンの人が何に興味をもつかは、まちまちです。オタクの世界です。
鉄道の仕事をする人はオタクはありませんが、鉄道ファンのひとはオタクだと思っています。(あくまで個人的な見解です)
会計と鉄道に興味を持つというのも十分ありだと思います。
1)JR貨物がJR旅客会社に支払う、線路使用料の変動費・固定費項目
2)踏切の部分の土地は、鉄道会社が所有しているのか、道路管理者が所有しているのか、
鉄道会社が所有しているとしても、公衆の通行の用に供しているから、
駅の自由通路などと同様固定資産税は免除されるのか?
3)鉄軌道用車両は、地方税法389条第一項第一号の、移動性・可動性償却資産に該当しますが、
そのあん分に際して、回送で走行する区間は含まれるのかどうか?
N700SのJ0編成のような、営業運転をしない車両の固定資産税はどうなるのか?
(つまり、資産を用いて収益を得ることに担税力を見出すのか、
資産を所有する財力に担税力をみいだすのか)
どうしても細かなことだけが気になる人が、気にし始めるときりがありません。
また、JR各社は基本的にそれぞれ独立した株式会社であり、NTTのような、親会社、子会社の関係は
ありません。
ただし、鉄道情報システム株式会社(略称 JRシステム)の株主はJR各社、
また、公益財団法人鉄道総合技術研究所は、JR各社からの負担金により、事業活動を行っています。
JR各社が基本的にそれぞれ独立した株式会社になったのは、JR各社が発足した、1987年時点では、
純粋持株会社は独占禁止法で禁止されていたことが、大きな理由だと言われています。
NTTは、純粋持株会社ではなく、自らも事業活動を行っているので、親会社、子会社の関係にすることが
できました。親子上場に関してや、政府が33%程度の株式を保有する会社が上場会社の場合の
少数株主保護について、気にし始めるときりがない人もいるかもしれません。
もっと大きなことが気になる、経営意思決定のための会計が気になる人は、
戦略的経営意思決定のための、キャッシュフローの把握に興味を持つ、
あるいは、特殊原価・埋没原価・未来差額原価などに興味を持つのもいいと思います。
途中まで鉄道を建設したのだから、過去の投資を無駄にしないように、
最後まで作りつづけるしかないという人がいたら、いろいろ調べて本当に
正しいかを検討する人がいてもいいと思います。