列車ダイヤについて -- 3-20 変動費・固定費と鉄道運賃の話
2020年10月05日
3-20 変動費・固定費と鉄道運賃の話
変動費・固定費は、原価計算基準 八 (四) 操業度との関連における分類に定義されており、
操業度の増減に応じて比例的に増減する原価要素が変動費
操業度の増減にかかわらず変化しない原価要素を固定費と言います。
寿司屋とファミレスを例にして考えてみます。
一般論ですが、寿司屋は食材の原価率が高く、40%あるいはそれ以上になります。
ファミレスは、30%位になります。 しかし、調理器具などの設備の減価償却費(一般管理費)
などが高く、どちらも営業利益率は10%程です。(店により、異なります。)
食材の原価率が高い場合、お客さんがどれ位来るかを正確に予想して、必要なだけ仕入れるようにします。
逆に、食材の原価率が低い場合、変動費だけ考えれば、利益はでますから、固定費をまかなうため、
できるだけ多くのお客さんに来てもらえるようにします。
売上高から変動費を引いた値を、限界利益といいます。
限界利益がプラスにならないのなら、営業活動をしないほうが良いです。寿司屋の場合、
値引きすればお客さんが増えるとしても、高級食材を安売りして赤字をだすようなことは
しないほうが良いです。また、仕入れる食材の量を厳密に管理して、
たとえ販売機会を失っても、食材の廃棄をださないようにします。
固定費を限界利益率で割った値を、損益分岐点売上高といい、
これ以上の売上高でないと、営業利益がプラスになりません。
ファミレスでは、多くのお客さんに来てもらって、売上高をあげようとします。
変動費・固定費に注目すると、航空会社が寿司屋、鉄道会社がファミレスになります、
東京から大阪まで、一人を輸送する原価は、6,000円位でほぼ同じです。
続いて、内訳を考えてみます。
羽田空港、着陸料で検索すると、国際線航空機1機あたりの着陸料 662,000円となっています。
国内線で、重量を考慮し、さらに駐機料なども考慮すると正確にいくらかは、
よくわからなかったのですが、羽田空港と関西地区の空港の着陸料と、
燃料代をあわせると100万円位のようです。200人乗りの飛行機だとすると、
満席で、ひとりあたり、5、000円になります。
実際もう少し安いでしょうが、3,000円から4,000円位のようです。
4,000円として、変動費が80万円なので、運賃が、1,4000円として、
58人以上の乗客がいないと、限界利益がでません。
利用客が減少すると、減便したり、小型機に変更したりします。
鉄道の場合、N700系の電車で、東京・新大阪間の電力料金は、25万円位だそうです。
満席で、ひとりあたり、189円になります。
電気料金にも基本料金と使用量に依存する部分があり、乗務する人の賃金にも
変動費的要素があるなど、厳密に分析するときりがありませんが、
航空機が変動費の割合が高く、鉄道は固定費の割合が高いといえます。
電力料金が、25万円だとすると、運賃が、1,4000円として、
16両編成の電車で、18人以上の乗客が乗っていれば、限界利益がでます。
損益分岐点売上高に達するまで、売上高をあげる必要があります。
のぞみ半額切符などを販売して利用者数を増やそうとするのは、理にかなっています。
また、寿司屋の話にもどりますが、
松・竹・梅のうち、どれが一番原価率が低いかが話題になります。
一般的には竹が一番低いといわれています。
梅は売値を下げたい、松は、利益率は低くても、利益の額は大きいので、
一人のお客から、それなりの利益額があれば良いということで、原価率が高くなります。
計四輪の安さが売りのモデル、中型車、超高級車でも、同じ理屈で、
中型車が一番原価率が低い場合が多いです。
さて、GoToトラベルですが、旅行代金が、
最大一人一泊、20,000円まで、最大50%まで、割引になります。
ホテルでも、松・竹・梅があるとして、竹が一番原価率が低いとすると、
できれば、松に泊まりたいと思いますが、値段が高すぎて利用できないので、
我慢して、竹を利用している人が多くいます。
20,000円割り引かれるのなら、この機会に松を利用する人が多くいます。
利用者側の行動は、理にかなっています。
高級ホテルに、補助金をバラまきたかったのなら、
企画した側も理にかなっていますが、
もし、それが企画者の意図だとしたら、税金の使い方として、
理にかなっていないような気がします。