列車ダイヤについて -- 3-2 電車とビットコイン??
2016年3月26日
電車とビットコイン?? といってもビットコインで電車に乗れるという話ではありません。
ビットコインを支える技術として、ブロックチェーンという技術が注目されています。
このブロックチェーンの技術が鉄道にどのように活かせるかという内容です。
以前にも書きましたが、細かなことだけが気になって、(肝心なことが気にならないのが)ボクの悪いクセです。
ここに書くこともあくまで可能性のひとつとして、ふたつ(??)述べるだけで、有効性や実現可能性の検証などは
おこなっていません。
まず、ブロックチェーンですが、ビットコインに限らず、商品を購入した時に付与されるポイントや電子化された株式など、
電子的に発行したことが管理されているものについて、誰が所有しているか、誰から誰に移転したかなどについて、
とくに信頼性・可用性を厳重に管理されたサーバーを置くことなく、分散された台帳として、多くのコンピューターで
分散して管理され、前のブロックとの関連を管理するような技術のおかげで、間違えたブロックや不正行為が排除され、
正しいブロックチェーンが保存されていき、分散管理のため、紛失や停止などの心配もないそうです。
ブロックチェーンの応用の一つ目として、
スイカやパスモのようなICカード乗車券の残高の管理です。現在カードのなかに、残高が記録されており、カードを使ううえで
不便はありません。しかし、自社でICカード乗車券を発行している鉄道会社の側からみると、
ICカード乗車券に現金チャージされ、その金額(前受運賃)を負債として
管理しなければいけません。そしてその金額が他社線で利用され他社の旅客運輸収入になった場合、
現金チャージされた会社側は預かり金を「預り連絡運賃」という負債として管理し、旅客運輸収入となった会社の未収金と清算しなければ
なりません。
自社でICカード乗車券を発行している場合、使用される可能性のある多くの鉄道会社やコンビニエンスストアなどから、
いつどこで使用されるかのデーターを集めるのは相当な労力です。多くの鉄道会社間の清算を計算受託会社に委託する場合
もあります。計算受託会社では各鉄道会社間の精算を一元管理しています(信頼性・可用性を厳重に管理されたサーバーを置いています)。
関連する鉄道会社やコンビニエンスストアがカードの番号といつどこでチャージされた、使われたという情報を管理する
ブロックチェーンを共有するようなシステムになれば、清算業務が信頼性を犠牲にすることなく、もっと安価に行われるように
なるかもしれません。
ブロックチェーンの応用の二つ目として、
列車の運行管理に応用できるかもしれません。これは現行の管理システムを置き換えるものではなく、
現行の管理システムを補完できるものになるのではないかという話です。列車の運行管理システムは例えば
東海道・山陽新幹線で用いられているCOMTRAC(コムトラック)などです。これらのシステムにおいて、
列車ダイヤのデーターはRDB(関係データベース)に保存されているものが使用されています。
RDBは、ひとつのデーターベースのなかでデータ完全性を維持し、データーの不整合を発生させない能力に非常にすぐれており、
銀行の勘定系のシステムなどでも用いられています。しかし、他のデーターベースと連携することは不得手で、
双方の鉄道会社が使用するRDBの種類が異なる場合などは、
ひとつのデーターベースのなかのようにデーターの不整合を発生させないで、両方のデーターベースを更新することが
出来ないことがあります。
列車の運行管理システムは基本的に、集中処理型のシステムになります。
JR東日本の東京圏の運行管理システムは、ATOS(Autonomous decentralized Transport Operation control System)
というシステムが使われており、名前のとうり自立・分散システムですが、駅の進路構成をダイヤデータを基に「駅装置」で行なっている
という意味での自立・分散であり、ダイヤの管理は東京総合指令室にあるコンピューターで行われています。
東海道・山陽新幹線ではCOMTRAC(コムトラック)のシステムが用いられますが、
九州新幹線では九州新幹線指令システム(SIRIUS)で運行管理しています。
COMTRACのシステムとSIRIUSのシステムというどちらもダイヤをもとに運行管理している集中処理型のシステム同士が接続されており、
博多駅で来るはずの列車が来ないというような「蕎麦屋の出前」のようなことは起きません。
ただ、何かで列車の遅れが出たため、列車のダイヤを変更することになった時、
ひとつのデーターベースのなかのようにデーターの不整合を発生させないで、両方のデーターベースを更新するというのは
なかなか困難です。
そのため、例えば首都圏で小田急と東京メトロの千代田線とJR東日本の常磐線は相互直通運転をしていますが、
何かで列車の遅れが出ると、相互直通運転を中止することになります。
もしブロックチェーンを使って列車の運行記録をとっていれば、関連するすべての会社で列車の運行状況
を取得できるので、遅れがでた状態でも相互直通運転を継続できるかもしれません。
相互直通運転を中止すると、中止した時点で、例えば小田急線内にも東京メトロの千代田線内にも相互直通運転するはずだった電車
が走っていますから、接続駅である代々木上原で折り返さなければ電車がつかえてしまいます。
両方向から来る電車をそんなに都合よく折り返すための設備があるわけではないので、
他の会社で何か遅れがでたのに、相互直通運転が中止になり、さらに障害が発生してない会社の列車も運休になったり
遅れがでたりということになります。
ブロックチェーンを使って列車の運行記録が共有されていれば、遅れがでた状態でも相互直通運転を継続でき
障害が発生してない会社の列車の運休や遅れを減少できるかもしれません。
なお、ブロックチェーンは、RDBを置き換えるものではないようです。
RDBのような複雑なリレーションを使用したレコードの処理はできませんが、関連するものすべての間で、
容易に正確なデーターをほぼリアルタイムに信頼性をもって共有できそうです。
列車の運行管理に応用すれば、両者のすぐれた特性を活かして現行の管理システムを補完できるものになるのではないかと思います。