列車ダイヤについて --  3-17 交通系ICカードと携帯電話と切符の話

                                      2020年8月10日  

   3-17  交通系ICカードと携帯電話と切符の話   

 交通系ICカード(鉄道会社が発行している電子マネーの総称)は、多くの人に使われています。
 クレジットカードからオートチャージする設定にしている人なら、
 駅の自動販売機の使い方を忘れてしまって、他人の見送りで入場券を買おうとして
 大混乱したという人もいるかもしれません。

 交通系ICカードは、Suicaが、2001年JR東日本管内のエリアで導入が始まって以来急速に広まっています。
 首都圏の私鉄で使われる、 PASMOとも相互に使用でき、首都圏ではほとんどの鉄道の駅で、どこから乗ってどこで降りても
 カードをタッチするだけで、改札を通過できます。

  しかし、広まっているだけに、実は改善してほしいという要望を持っている人も多いようです。
 幾人かの人に聞いた範囲では、

 - 入場券として使いたい。(駅中の店を利用すれば、無料で駅に入場できるようにしてほしい。)
 - 東京メトロと都営地下鉄の間にある、乗り換え改札口を無くしてほしい。
 - 京葉線と東京臨海高速鉄道りんかい線の直通運転をしてほしい
 - JR東日本の駅から乗車して、御殿場線のJR東海の駅で降りる時、ICカードで改札を通過できるようにしてほしい
 
 などがあります。

 どこの駅の改札から入場し、どこの駅の改札から出場したかの情報だけから、適正な料金を計算するのは
 意外と難しいそうです。
 路線が単純だと簡単ですが、路線が複雑になると、急速に難しくなるそうです。不可能というのでは
 ないですが、間違いがないかの検証にずいぶん手間がかかるそうです。

 実際にどの列車を利用したかが、記録できるようになれば、一気に状況が変わります。
 携帯電話を改札機にタッチして乗車できる、モバイルSuica のようなサービスもあります。
 携帯電話で乗車するようになれば、WiFi、ブルートゥース、非可聴域周波数帯域の音声などの技術を使って
 どの列車の、どの車両に乗車したかを記録することができます。
  実際にどの列車の、どの車両に乗車したかが記録されれば、乗り換え改札がなくても、実際の乗車経路
 に基づいて料金計算することができます。グリーン車の車内改札も削減できるかもしれません。
  また、東海道・山陽新幹線なら、こだまに乗った場合料金を安くすることもできます。
 区間によっては、こだまにはあまり人が乗っていない区間が有り、高速バス並に大幅に安く
 すれば、高速バスより速いので、新規の需要が生まれるのではないかという所があります。
 個人情報を取得することになるのではないかという懸念もありますが、その他にも
 実用化までには課題があるようです。

 交通系ICカードにくらべると、モバイルSuica のようなサービスはそれほど普及していません。
 携帯を取り出すのが面倒な、あるいは携帯を改札機にぶつけるのではないか不安になるという人もいます。
 お財布ケータイが普及しているのに比べると、携帯電話の交通機関での利用は普及が遅れているようです。
 もし実際に乗車した列車の情報をもとに料金を計算しようとすると、携帯で計算しておく、あるいは
 利用経路を記録しておいて、携帯からの情報で、出口の改札で料金を引き落とすことができそうです。
  
 しかし、この考え方だと、新しいルートが加わったなどに起因する、携帯のアプリのアップデートが
 確実におこなわれることが前提になり、実用化は難しそうです。

 海外からのインバウンドの旅行者などを中心に、切符を利用する機会も継続しそうです。
 現在は、入り口の改札を通った時点で磁気テープに入場情報を記録していますが、
 QRコードを切符に印刷しておいて、どの切符がどこで入場したかは、
 サーバー側で管理する試みも実用化されています。

 インバウンドの旅行者が、日本の交通系ICカードを購入するというのは、あまり普及しないと思いますが、
 いつも自分が使っている携帯電話で世界中の交通機関が利用できるということになると普及のきっかけ
 になります。
 「ジャパン・レール・パス」は、日本人からみるとずいぶんお買い得です。
 しかし、いつも自分が使っている携帯電話で乗車できるとなると、料金が高くても便利が良いほうがいいと
 いうことになるかもしれません。
 交通系ICカードの Suica は、携帯電話を交通機関向けに利用できると言う場合には、「Type-F」
 に対応することなど、世界規格設定のきっかけになっています。
 いつも利用している携帯電話で世界中の公共交通機関を利用できるようにするための規格でも、
 日本企業が主導して制定するようになれば良いと思います。