各種のコラム -- 3ー163 AIの活用は自動運転だ!?
2025年4月1日
3ー163 AIの活用は自動運転だ!?
10年ほど前から、AIブームの状況ですが、特に最近2〜3年は、生成AIブームになり、AIが話題にならない日は無い
という状況です。またCES 2025のオープニング基調講演でも語られたように、生成物理AIも話題になっています。
そのようななかで、自動運転は、AIの活用のなかで重要な分野のひとつです。
自動運転にもアメリカや中国などを中心とする、EtoE(End to End)の自動運転をめざすものと、
日本で行われている、バスなどの公共交通手段や、高速道路の特定の区間で行われる、
場所を限った自動運転など各種の方法があります。
鉄道の自動運転も、人手不足の状況改善のために各種検討されています。
鉄道の自動運転は、一部では20世紀から行われています。例えばサンフランシスコベイエリアの地下鉄プラス
郊外電車のBARTでも以前から自動運転が行われています。
長いものでは10両編成の電車は、ひとり乗務で、ドアの開閉は人間が行い、発車ボタンを押すと出発し、
自動運転で次の駅まで走ります。早く着いたら時間調整をして、出発時刻になったら、ボタンを押して出発します。
一方、東海道新幹線で計画されている自動運転は、仕組みが異なります。
同じ「のぞみ」でも、次の駅までの走行時間は異なります。そこで車両側でリアルタイムに走行パターンを
作りながら運転しています。鉄道関連のテレビ番組で、新幹線の運転士は、常に暗算をしているというのが話題になります。
例えば、次の駅を通過する予定時刻の5分前で、駅まで20kmの地点を走っていたら、60分を5分で割って、
12なので、20かける12で、240km/hで走行すればよいことになりますが、これと同じようなことを
して走行パターンを作成して、パターンに従って走行します。
ところで、東北新幹線で、「はやぶさ・こまち」の連結が走行中にはずれるという事故が起きました。
当面の対策として、運転室内の連結器を強制的にはずすレバーに、止め金具をとりつけて運転するそうです。
内部の構造は知りませんが、このレバーが動かなければ、機械的に直接連携していて、
連結が解除されることはないようです。
原因は電気的なことで、E6系側に原因があることがわかっているので、もっと電気的な対策がありそうな気が
しますが、真の原因は今のところ不明だそうです。自動の連結や解除に不具合があって、連結器を強制的にはずす必要が
あるのは、営業運転中は通常、福島駅と盛岡駅だけなので、地上側から何か信号を出して、車両側の操作と
信号の両方の条件で連結を解除するなど、恒久的対策が必要であると感じます。
クルマの自動運転の話に戻しますが、
日本で行われている、バスの自動運転も、有効です。速度が遅いので、実験段階のように感じるものもありますが、
街中では、20km/h程度で走っていても意外と早いです。路面電車の多くは、最高速度が40km/hに規制されていて、
平均速度は20km/h以下のものが多いのですが、渋滞がなく、信号での優先走行が設定されていると、
自家用車より早く目的地に着くことがあります。自動運転のバスやオンデマンドタクシーが日本各地で広まるのか、
ある時、EtoEのどこにでも自由に行くことができる自動運転が一斉に広まるのかは、今のところわかりません。
EtoEといっても、工場構内や工事現場のような道路の情報が無い場所での自動運転ができるかどうかは
不明なので、日本独自の方法も研究を続けるべきです。
パソコンの場合は、20世紀に、日本で使うパソコンは日本語サポートが必要なので、独自の市場があるという
アプローチをとって、結果的に大失敗でした。1970年代半ばから、日本ではマイコンや一部のメーカーではパソコンと
呼ぶものが販売されていました。チップはインテル製やその互換のものでした。そして1980年初め頃からデスクトップパソコンが
販売されるようになり、IBM PC/AT や Apple I とほぼ同時期に日本では日本製の
パソコンが販売されていました。漢字ワープロなどのソフトが使えるのは日本製のパソコンだけだったので、
価格は海外製のものよりかなり高かったのですが、ほとんどの人が日本製の製品を使っていました。
漢字を表示するためには漢字用のキャラクタROMを搭載した特別なグラフィックボードが必要だったので、海外製のパソコンに無理やり
日本製のソフトを導入しても、漢字ワープロなどのソフト はまったく使うことができませんでした。
ところが、1991年に、日本IBMを中心として、DOS/Vと呼ばれるソフトウェアーが開発され、
海外製のパソコンにそのソフトウェアーを導入すると、日本語ワープロなどのアプリが使えるようになりました。
1995年にWindows 95が発売されて皆がパソコンを使うようになる頃には、多くの海外製パソコンが
販売されるようになり、日本製の一部のメーカーの機種は、日本語サポートと関係なく、ディスケットの
フォーマットが異なるためにDOS/Vパソコンと互換性が無いなど、元祖ガラパゴスの状態になりました。
その後もノートブックパソコンなどでは、日本製の製品の品質は良かったのですが、特別注目される
ことはありませんでした。2000年代初頭、通常パソコンは年に1回モデルチェンジして新製品を出すのに、
日本品質といって、3ヶ月毎に新製品を発売したりしましたが、
メーカーにとって製品毎に使える部品の品番の管理が面倒になったり、不利益がある一方で、
ユーザーにとって画期的な付加価値はありませんでした。
現在世界的に、最先端半導体の生産拠点を国内に確保することが重要という考え方があり、
日本でも経産省の主導で、線幅2ナノメーター相当の集積度の半導体の生産工場が建設されています。
半導体の性能向上に関してはムーアの法則が有名で、18~24ヶ月で2倍になるという経験則です。
ロジック半導体の場合、2010年頃までは、クロックの向上も著しく、価格性能的には、18ヶ月で2倍に近い
状況でした。その後も集積度の向上は続きましたが、24ヶ月で2倍に近い状況です。
その集積度の向上もそろそろ限界ではないかと思っています。どうなるかはまだわかりませんが、
集積度の向上には積層など、製造技術の向上が鍵になりますが、他にも考えなければならないことがあります。
回路に不良があって、販売できない製品の割合を下げて製品の歩留まり率をあげなければなりません。
集積度が高いということは、中に含まれる回路の数が多いということなので、一定の不良率で、
回路の不良が発生するとすると、製品の不良率があがることになります。等級製品の考え方で、
不良が無い部分を確認して、コア数の少ない製品として販売するなど、1個の不良で、販売できないという事態を
防ぐ工夫をしますが、基本的に集積度が高い、回路の数が多い製品ほど、製品の歩留まり率の制御が困難になるのは、
液晶画面と同じ状況です。液晶画面もドット抜けの無い製品をつくるためには、画面サイズの大きな製品
ほど、歩留まり率の制御が困難になります。チップレットという小さなサイズの製品をつなぎ合わせて
ひとつのチップを作る技術が開発されていることをみても、半導体製品の歩留まり率の制御が鍵になっている
ことがわかります。製品の集積度の向上もそろそろ限界に近くなって、将来的には価格の勝負に
なるのではないかと思います。液晶画面の場合は、シャープが亀山工場をつくった頃は、
大型液晶画面の一貫生産が利益の源泉だったのですが、それほど年数が経たないうちに、世界的に他のメーカー
も追随して、価格の勝負になりました。QLEDという量子ドットナノ技術を採用して、
カラーフィルター無しで、光の波長を制御して目標の色を再現するという、消費電力が減少でき
かつ美しい色が再現できるという高度な技術も開発されましたが、50インチのテレビが10万円程度で販売されている
現状で、製造メーカーが利益を上げるのはなかなか困難な状況になっています。
クルマの自動運転に関しても、どのような技術がエコシステムのキーストーン種になって、利益の源泉になるかは、
まだ未知数です。そのなかから思い浮かぶものをいくつかとりあげます。
最初に取り上げるのはシミュレーションです。
自動運転のクルマのシミュレーションについては、クルマ全体を制御するシステムや、決まった範囲での決まった処理を
するようなマイクロシステムなどを含めた全体の動きをシミュレーションする技術はまだ確立していない状況です。
基本的にシステムの動きをクロックレベルでシミュレーションするツールに関しては、
パソコンでも動くようなツールが多数入手できる状況が画期的な技術の進歩であるということもできますが、
数秒間の動きをシミュレーションするだけで1時間もかかるとか、とにかくもっと早く動くようにならないかという
声もあります。人が実際にクルマを操作するように操作してクルマの各部の状況をシミュレーションできる
ようになれば、開発技術者に多大なフィードバックがありますし、事故にいたるような異常な状況や、
荒天の状況など、実際のクルマではなかなか再現が困難な状況も、シミュレーションできるようになります。
また、自動運転単体の技術だけでなく、防災や、人の移動の傾向をつかむなど、他の関連する分野の動向を含めて
総合的に考える必要があります。
自動運転のクルマには多数のセンサーがついているので、地震の揺れが始まった時、自動で、振動の記録や
ドライブレコーダーの画像を、ネットワークで必要なところに集積できるようになれば、状況の把握に役立ちます。
どのような技術が将来実用化されるかは、試作の段階ではわからず、とにかくやってみるしかない面があります。
クルマの4輪操舵が一時期話題になりました。高速道路で車線変更する際などに有効だということで流行したのですが、
バックするときの制御が良くないなど、価格に相当するだけのメリットがないという評判もあって、一部の
クルマ以外は採用されなくなりました。一方鉄道の操舵台車は研究はされていたのですが、実用化されませんでした。
大きな障害になっていたのが、鉄道は終点までいくと逆向きに走る必要があるので、どちらの車軸を操舵するかを
切り替える仕組みが大変で信頼性も不十分と考えられていました。研究者も当然に走行する向きで前側になる
車軸を操舵するものと考えていました。ところが、中央線の「しなの」383系電車の試作車でテストしている時、
車両を横から見て、4車軸ありますが、操舵・固定・固定・操舵にするつまり車両の両端側の車軸を操舵
するほうが成績が良いことがわかって、どちらの車軸を操舵するかを切り替える仕組みは不要だということがわかりました。
それで量産車にも使われることになり、それからは地下鉄などでは、固定・操舵・操舵・固定にするなど、
広く使われるようになりました。
また、3Dプリンターで建物を作る技術が実用化されています。早くつくることができますが、
使える材料に制限があったりして、多くの建物の建設方法を根本的に変えるという状況まではいたっていません。
しかし、鉄道の駅舎の建設・改築に使えないかということが検討されています。
列車の運行を続けながら、ホームの設備を建設するとなると、作業時間が夜中に限られ、養生をとって
作業したあと、また翌日使えるように養生するということの繰り返しで、作業時間はわずかしかとれないことが
問題になります。週末などを利用して運休にして、3Dプリンターで一気に設備をつくると
格段に短時間で低価格で工事が完了する可能性があります。このように、一般的に広まる技術ではないとして、
特定の分野では唯一無二の技術になるものもあります。
クルマの自動運転だけでなく、ライドシェアなどの実証実験でも、実験を行ったというアリバイ作りの
ために行っているのかというような限られた地域での実施にとどまっているものと、
マイナ保険証のように突然に強制に近いかたちで実施するものがあり、ちぐはぐです。
マイナンバー(個人番号)の利用範囲は、社会保障、税、災害対策と規定されているので、
災害発生時に、組織の縦割りにかかわらず、支援を受ける人の単位で、必要な事や、実施した事を
集計するのに有効だと思いますが、あまり使われていません。
実証実験は適切に企画・計画しても、失敗するか大きな成果が得られるかはやってみるまでわかりません。
官僚組織の無謬性や天下り先の関連団体に予算を継続して配分するなどの判断基準ではなく、
実証実験に参加した人の感覚で、実用化するか中止するかを決める必要があります。
自動運転は、AIの活用や自動車産業や、都市計画など、多くの分野にかかわる項目なので、
組織の縦割りにかかわらず、透明性を確保した情報共有と公開を原則として推進する必要があります。
日経クロステックのサイトに記載されているように、”AI(人工知能)メーカーになるのか、
それともAIテイカー(受け取るだけの存在)になるのか──。”というのは、英国のキア・スターマー首相が
新しいAI計画「AI Opportunities Action Plan(AI機会行動計画)」
を2025年1月に発表したときに使った表現で、とても「退屈」な人といわれることもある人の
言葉とは思えませんし、サインペンでサインしているだけの人より、
はるかに良いことを言うとも思います。
そして、米中がAI開発先進国という状況は多くが認めることになりつつありますが、将来
「AIは世界の公共財」という時代にするためには、それ以外の「小国」も強くなる必要があり
過渡期としてAIナショナリズムの時代が必要であるという考え方が英国を中心にあります。
軍事、核大国に対抗するために、それ以外の小国も核軍備をすべきであるという考え方には私は反対ですが、
AI技術については、日本も独自の技術開発を続けるべきで、
米中に対抗するという考え方も良いし、ナショナリズムの考え方で日本独自の技術を開発
するという考え方も良いと思います。中国も、米中貿易戦争で最先端半導体が輸入できないから、
最先端でない半導体でも国内向けに製造する必要があるというナショナリズムの面もあります。
日本のAI開発は民主主義国であるという大前提に基づくなど、
透明性を確保した情報公開により、世論の支持を得て開発を進める必要があります。
ブラタモリが復活します。
東京駅の東海道新幹線の中央乗り換え口を通ったあとにある、16番17番線のホームの手前にある
短いエスカレーターを取り上げてほしいと思っています。今までの放送をすべて覚えているわけではないので、
ひょっとしたらすでに取り上げられているのかもしれないのですが、
東海道新幹線を利用するたびに疑問に思っています。まず私が検索した結果を述べます。
東京駅はもともと現在の東北新幹線の20番線21番線あたりまで、東海道線のホームがあり、それより八重洲側は、
客車列車を牽引してきた機関車を入れ替える機回し線がありました。八重洲側の再開発にあたり、八重洲側にあった、
商店を移転するために、八重洲地下街を作りました。その後東海道新幹線の建設計画が具体化し、
当時は車両基地を設置する予定だった品川付近から東海道線と並行に東海道新幹線を設置しようとしたのですが、
機回し線の敷地に東海道新幹線の16番17番18番19番線のホームを設置しようとすると、ホームに通ずる地下道を
八重洲地下街の上に設置する必要がありました。それで、東海道新幹線のホームは、東海道本線より
2メートルほど高い位置に設置する必要がありました。そして、東北・上越・北陸新幹線は、当初
現在の東海道新幹線の14番線15番線と東北・上越・北陸新幹線の東北新幹線の22番線23番線の場所に
設置される予定でした。計画ができたのはJRになる前の国鉄の時代だったので、東海道新幹線の中央乗り換え口
は、20番線21番線の下のあたりの地下につくり、新幹線は自由に乗り換えができて、在来線との間に
乗り換え改札口を作るという考えでした。
しかし、1987年に東海道新幹線はJR東海が運行し、東北・上越新幹線は、JR東日本が運行することになったので、
間に新幹線の乗り換え改札口を設置して、東海道新幹線の中央乗り換え口を通ったあとの場所に
設置する予定だった、東北・上越・北陸新幹線の22番線23番線への階段は設置しないことになりました。
なぜこの話を思い出したかと言うと、最近、東海道新幹線の中央乗り換え口を通ったベビーカーの利用者が
ホームに行き着くのが大変だったというSNSの投稿を見たからです。
鉄道は道路よりも平らに設置する必要があり、しかも列車を運行しながらの改修工事が大変なので、
バリアフリー設備の設置が大変です。ナビ付きベビーカーやナビ付き車椅子の開発が必要だと思いました。
東京駅に着いてタクシーをおりたら、自分が乗る列車をアプリに入力すると、エレベーターが利用できる
道順を案内してくれるアプリです。
駅構内のバリアフリーのルートを示すマップは、最初は個人の努力で始まった活動のおかげで、世界的に見ても
相当高度なレベルで整備されています。屋内での現在地の正確な把握の技術はまだ確立していません。
大阪関西万博では、視覚障害の人に道案内をしてくれるAIスーツケースが紹介されますが、
ナビ付きベビーカーやナビ付き車椅子の開発も進める必要があります。
屋内での現在地の正確な把握の技術を開発するなど、ユニバーサルデザインやインクルーシブデザインの
発想は日本が得意な領域です。自動運転のクルマも地下駐車場に入ったとたんに、突発性方向音痴になって、
壁にぶつかるようでは使い物になりません。このようなユニバーサルデザインに対して
補助金をだすような政策でクルマの自動運転など全体の技術レベルの向上をめざす必要があります。
それからもうひとつ
石破総理大臣が、新人議員15人に10万円の商品券をポケットマネーで配ったことが問題になっています。
もし石破総理大臣の資産総額が、3377億円だったら、150万円をポケットマネーで支出したといっても
そのようなお公家さんのような人が政治家になるのだろうと思いますが、
資産総額が、3377万円の人が、150万円をポケットマネーで支出したということなら、
政治家の会計報告の内容はすべて虚偽なのではないかという疑いがあります。
選挙で、SNSによる情報発信が問題になりますが、すべての候補者の意見を公平に取り上げるという
マスコミの暗黙のルールの脱法的(ルール自体、法律ではないので脱法ではないですが)利用も大きな問題です。
暗黙のルールを決めて形式的に公平性を確保することが民主主義ではありません。政治家の発言をそのまま
事実として報道するのではなく、誰が何を考えているかを把握することが民主主義の基本です。
それから最後にもうひとつ
このコラムの日付は、 2025年4月1日です。しかし、エイプリルフールを意識して書いているわけではありません。
このコラムでは、バブルの崩壊など予測がはずれたことが多くあります。
今回のコラムも将来の予測にかかわる部分は、基本的にはずれると思って受け取るほうが良いかもしれません。