各種のコラム -- 3ー161 改めて、給付金付き税額控除について考える
2025年3月10日
3ー161 改めて、給付金付き税額控除について考える
「改めて、給付金付き税額控除について考える」ということは、すでに考えたことがあるように思えるかもしれませんが、
「給付金付き税額控除について考える」というタイトルでコラムを書いたことはありません。
しかし、内容的には、2024年8月15日の、「ベーシックインカムについて考える」のコラムと関連する部分があります。
前回のコラムでは、ベーシックインカムを保証すると、年間100兆円近い予算が必要で導入には
課題が多くある。給付金付き税額控除であれば、いくらか導入の可能性が増える。
また、行政のディジタル化と、一年限りの所得税・住民税の4万円控除のような、思いつきの
政策は、相性が悪いと書いています。
この考え方は、今も変わっていません。
「給付金付き税額控除」については、20年前位から、自民党の人や、民間人で大臣に任命された人
あるいは、野党の一部からも将来の構想として提案されました。
また、立憲民主党からは、消費税の逆進性を緩和するための給付付き税額控除の導入等に関する法律案の提出もありました。
また、国税庁では、給付付き税額控除制度の執行上の課題についての考察も行われています。
今回、改めて給付金付き税額控除について考え、昨年の一年限りの所得税・住民税の税額控除と、
定額減税調整給付金の給付を、毎年継続的に行うのが良いのでは無いかという観点でのコラムです。
所得税・住民税について、所得税は確定申告し、住民税は、普通徴収という場合で考えると、
2月から3月にかけて、税務署に所得税の確定申告書を提出し、所得税を納付します。
そして、確定申告書第二表「住民税に関する事項」が住民税の計算の基礎になり、
5月頃に納税申告書により、賦課課税で、住民税を納付します。
この場合、所得税と住民税の納付は時期的にかなり連動するのですが、給与所得者で源泉徴収で
税金を納付しているという人は、毎月の源泉徴収で、予定納付のような形で、所得税を仮納付しています。
しかし、住民税は、納付税額が確定した、翌年の5月頃から、賦課課税で、納付します。
このように給与所得者の場合は、所得税と住民税の源泉徴収のタイミングがほぼ1年ずれるので、
一年限りの所得税・住民税の税額控除と、定額減税調整給付金の給付を行うと、基準になる所得の計算期間が
1年ずれるので非常に複雑な行政手続きが必要になりますが、
毎年行うと相当優れた制度のように思えます。
現役世代の人口が減るなかで、社会保険料の徴収額を増やす方向の政策が多く提案されています。
しかし、社会保険料を支払うと所得税の確定申告で社会保険料控除額が増加し、所得控除の金額が
増えるので、税率の高い高額所得者を優遇する制度ではないかという指摘があります。
働き控えとの関連で、給与所得者の基礎控除を含めた所得控除額の議論が活発に行われていますが、
所得控除は課税の公平性の観点で議論を続けていくと、なかなか結論が出なくなります。
多くの人が、できるだけ税制の仕組みが複雑で理解できなくなるように、画策している人が居るのかもしれません。(?)
少数与党になると国会での議論が活発になるといわれましたが、現状は、与党側がどの野党を引き込むかに
終始している状況です。民法の改正のような重要な法律の改正はむしろ、与党が圧倒的多数の時に
行われるようです。そのような状況で、
ベーシックインカムの支給のような根本的な政策の変更は不可能としても、
その年の法人税・所得税などの徴収額の増加を反映する、給付金付き税額控除を毎年実施するというような
点から改革していくのが良いのではないでしょうか。
デジタル庁が発足したのが、2021年の9月です。決めたことは何が何でもやり遂げるという
当時の総理大臣の影響もあって発足しました。デジタル大臣は現在の大臣が4人目です。
歴代のデジタル大臣の中には、「“できるはず”のデジタルやテクノロジーを活用した世界に向けて、
それを阻んでいる法令を一斉に変えていく」という人もいました。その条項は約5,000にものぼり、
4万以上ある法令をすべてチェックしたそうですが、話を聞いていて、何も進まないだろうと感じました。
その後のデジタル大臣には、どこに進んでいるのかは不明ながら、とにかくドリルでトンネルを掘って
前進し続けた大臣もいました。 そして現在の大臣は、ブロックチェーンとかNFT(Non−Fungible Token:
非代替性トークン)とかを使って10年前にできなかった地方のアナログの価値の最大化などに取り組むそうですが、
まず、お米の流通の透明化に使えないのかと思います。
お米の価格は最近まで、生産に必要な肥料の価格が増加するいっぽうで、販売価格はむしろ低下傾向で、
生産者の所得が減少していました。事態を改善するために、お米の販売価格を上げる必要があるのは理解できますが、
それと、昨年後半から起きている在庫不足や価格が2倍になるような急激な価格の上昇は別の問題です。
生産者の所得の向上にはつながらず、投機的な転売を行う業者が大きな利ざやをかせぐ状況は
修正が必要です。
マイナンバーカードは、すでに発行してから10年経っていますが、広く使われるという状況にはなっていません。
行政のデジタル化は、ブロックチェーンとかNFTの技術を活かした、お米の流通の透明化など、
現状で課題になっていることの解決などからまず手をつけていく必要があります。
石破首相とトランプ大統領の会談では、仮定の質問を、
”Hyperthetical Question”ではなく ”Theoretical Question”
と訳したことが話題になりましたが、歴史的にみると、”United Nations”を
枢軸国に対する連合国ではなく国際連合と訳したのは見事でしたが、
靖国神社を”War Shrine”と訳したのは失敗っだったのではないでしょうか。
80年前に国際連合が発足した時からの懸念である、安全保障理事会の常任理事国の見解に揉め事が
起こったり、常任理事国が他国を侵略したらどうするかということが現在大きな課題になっています。
アメリカの国力が相対的に低下し、中国・ロシア・北朝鮮が一枚岩になるような事態は回避しなければ
ならないという考え方で、アメリカが従来の民主主義の理念とは異なる態度をとっています。
少数与党と共通で、世界レベルでアメリカの国力が相対的に低下し、他国のことや世界の秩序
を考える余裕がなくなってきています。
そのなかで日本がどのような外交を展開するかというと、ウクライナで停戦が実現した後に、
瓦礫の撤去とか地雷の撤去など、日本の優位性が発揮できるようなことで復旧に貢献する
という実現可能なことを着実に実施していく必要があります。
日本は、日米安保を前提として、80年間平和な生活を送っているという見方も有りますが、
頻繁に自然災害に襲われているという観点では、いつ敵に襲われるかわからない生活を続けているともいえます。
他国から違法な侵略を受けた場合、相手国を避難しますが、自然災害の場合は避難する相手を特定できません。
被害を受けても相手を非難することが出来ない状況が発生しても、どのように対応するのが良いかは、
相手が一部の人間か、自然災害かの違いがあっても、共通する要素もあります。
日本は、自然災害にどのように対処しているかの状況などを、積極的に世界に発信すべき状況です。
1929年はブラック・サーズデーといわれるウォール街大暴落の年ですが、経済的にバブルが弾けることは、
地域的なものを含めるとかなり頻繁に起きています。バブルが弾けた時の世界的な経済状況が、
局地的な崩壊か、全世界的な長期的な経済の崩壊に至るかを決める要因になります。
1929年の場合は、イギリスの力が弱っていて、第二次世界大戦以降は、イギリスに替わって
世界のリーダーになったアメリカも、世界的に深くかかわる姿勢はありませんでした。
近いうちにもしバブルが弾けると、世界レベルでアメリカの国力が相対的に低下しているし、
中国もリーマンショックの時のような積極的投資を行う気がないことなどが、
悪い方向に働く懸念があります。
IT技術の面でも、直近の20年間のように、アメリカの企業のクラウドシステムが
世界を凌駕する時代が続くとは限りません。
1990年代に、それまでのホストコンピューターに替わって、PCが広まった時、
これからは、ホストコンピューターなどに設備投資できる財力をもった国に替わって、
人件費の安い技術者が確保できる、開発途上国が、IT技術の競争の中心になるのではないかと思ったのですが、
実際は、豊富な資金力を味方にしたアメリカのスタートアップ企業がクラウドシステムに設備投資し、
世界を支配する状況になりました。
しかし、インドや中国の技術力も向上した現在、これからは、人件費の安いグローバルサウスの技術者
を味方にする企業が世界を席巻する時代になるかもしれません。
以前、JICAのプロジェクトにかかわったことがあります。その時、開発途上国のカウンターパートで
非常に優秀なIT技術者がいました。彼は、経済的には恵まれなかったので、英語の教育を受けたことは
ありません。しかし、IT技術者として英語は絶対に必要だと思ったので、
港で荷物を運ぶアルバイトをした時に、アメリカの船を選んで仕事をしました。そして、
アメリカ人の船員同士の会話を聞いて、一人の人が何か話すと、相手が何を言うかを予測し、
自分の予測通りのことを話すと、自分の予測が正しかったということで、その言い回しを記憶するようにして、
英語を勉強したと言っていました。英語が上手な以上に、こちらが何を意図して話しているかを
瞬時に読み取る能力に感心しました。現在のAIの大規模言語モデルは、ある単語に続く単語として、
もっとも適切な物を選ぶことを基本にしています。あらためて、そのカウンターパートの
英語の学習方法を思い出しました。
Nvidiaは最近のAIブームの話題の中心ですが、1990年代にSun(Stanford University Network)
マイクロシステムズに関連したジェンスン・フアンさんを含む3人のエンジニアがイーストサン・ノゼの
デニーズでコーヒーを飲みながら技術に関して話していて生まれた会社です。
シリコンバレーに行った人なら多くの人が知っている101ハイウェーなどよりは東側ですが、
ベリッサ・ロード(Berryessa Road)という名前が私の記憶に残りました。
ワインで有名なナパバレーに、ベリエッサ湖という湖があります。
また、中米の国でベリーズという国がありますが、スペイン語では、Belice(ベリーセ)と言います。
関連は知りませんが、ベリッサ・ロードという名前が記憶に残ったとともに、
とんかつ屋で設計会議を開いていた、富士通のエンジニアと大差ないとも思いました。
とりあえず課題になっていることを改善するという観点でプロジェクトを進めたり、製品をつくって、
かならず成功するとは限りません。10年ほど前、ロードセルなどを作る高い技術力で評判の
企業が、コンピューターのCPUの水冷(液冷)システムを作ったことがあります。
いくかの展示会に展示され、製品は丁寧につくられたすぐれた製品のように見えました。
ただ、当時のPCはCPUを買うと付属でついているファンで十分に冷やせるような状況で、
誰が買うのだろうと思いました。結局製品化されませんでした。
e−スポーツで高性能PCの需要が高い、現在販売されれば、もっと注目されたかもしれません。
どのような技術や製品が主流になるかわからない状況で、日本で独自の技術開発をしても、
必ずしもすべてが経済発展につながるかどうかはわかりません。
また、JAXAの準天頂衛星システム「みちびき」は、技術的にすぐれているという報道は
時々聞きますが、スマート農業など特別な分野で使用するという認識で、毎日の生活が
格段に便利になるという実感がありません。携帯電話のアプリで、GPSの衛星だけで測位している時と、
「みちびき」を使用した時の測位の精度の違いがわかるようなものを配布するとか、
マイコンボードと「みちびき」に対応するアダプターカードを使って、エフェメリスデーターを受信して、
衛星を指定して、測位する方法や、地球が完全な球体ではなく、衛星測位システムで使われる、
地球を楕円体で近似した表面も標高ゼロではないので、国土地理院が測定したジオイドの
データーを使って、地上の地点と結びつけたり、高度を測定する方法を解説した、
夏休みの自由研究用のセットを配布するなどして、多くの人に、「みちびき」の優位性を周知する必要があります。
津波や地震に備えて、標識で海抜が表示されている場所が有ります。地面の高さや手に持った時で、高度を
測定してみますが、かなり誤差があります。一般の人が見学可能な施設に
RTK(Real Time Kinematic)の設備を置いて、測位がどのくらい正確になるか
体験できるようになれば、防災にも役立ちます。
そのような世界のなかで、これからの日本のIT技術をどのように発展させていくかを考える時、
アメリカの企業との技術協力で最先端のロジック半導体を製造するのも一案ですが、
日本が得意な、パワー半導体に集中するというのも一つの考え方です。
バッテリーEVの普及に急ブレーキがかかっているので、直近のパワー半導体の売上はそれほど
順調ではありません。しかし、少し長期的な展望では、PHEVであれ燃料電池車であれ、
水素燃料エンジンであれ、発電機や電池からの電気をインバーターで制御し、モーターを回して
走るクルマになる可能性は非常に高く、内燃機関の回転を機械部品で伝達して車を回転させる
車は減少するようです。モーターで走るクルマは回生ブレーキが使えるので、エネルギー消費効率が
高いといわれますが、それほど単純ではありません。内燃機関の回転を機械部品で伝達する場合、
流体変速機を使いますが、ある程度の速度以上では、エンジンと車輪がギアを介して直結のような状態になります。
発電機やインバーターの損失があるので、高速道路などでは、モーターで走るほうが
かならず効率が高いというわけではありません。
インバーターに使われる、パワー半導体の技術開発が鍵になります。
その際は、「一位じゃないとダメです」。世界でニ位か一位かは経済的に大きく異なります。
日本の政権も少数与党になり、世界的にはアメリカの国力が低下し、従来のような、
大きな方針は決まっていて、現場の改善につとめていれば良いという時代ではなくなりました。
まず、目の前の課題を解決するというやり方で、各自が自ら行動の方針を決める必要があります。