列車ダイヤについて --  3-16 感染症と鉄道

                                      2020年6月10日  

   3-16  感染症と鉄道   

 新型コロナウィルス感染症が大きな問題になっています。

 最初に申し上げますが、私は、感染症の専門家でも鉄道の専門家でもありません。
 しかし、新型コロナウィルス感染症には大きな関心があります。そして、関東地方に住んでいるので、鉄道の利用も
 避けられません。利用者としてどのような考えをもっているかというのが今回のコラムの内容です。

 はじめに、感染症に関する一般的な事項ですが、
 感染症の専門家と言われる人たちも、新しいタイプの感染症に対しては、あまり確定的な事実を把握していない
 というのが、最初の驚きでした。

 三密を避けるという時、15分間、換気のない部屋で感染者に接触するのと、
 5分毎に換気が行われる部屋で、30分間感染者に接触するのではどちらがまずいのかなどは専門家は常識的に
 わかっていると思っていました。 また、通勤電車のようにマスクをした状態で何もしゃべらず密接しているのと、
 ソーシャルディスタンスを保った状態で、外食をし、マスクをつけずにしゃべるのでは、
 どちらが感染リスクが高いのかもわかっているのだと思っていました。しかし、そうではないようです。

 また、感染のピークを遅らせるというようなイメージ図や、人との接触を8割減らすというようなイメージ図も
 聞く者にはほとんど何の意味もないと感じました。新規感染者の数は、継続的に発表されましたが、
 検査数が少ないので、あまり信頼できるデーターとは感じませんでした。
 唯一信頼できるかもしれないと感じたデーターは、携帯電話の位置情報を使った繁華街での人出のデーターだけでした。
 どれくらい感染が広まるかとの関連は不明ですが、データー自体としては信頼できるデーターだと感じました。

 鉄道に関する事項の話では、
 一部の鉄道会社がおこなっている、次の電車、次の次の電車の、車両毎の混雑度の通知は有用なデーターだと感じます。
 さらに進めて、一部の窓が開いていて、さらに1分か2分毎に停車して扉を開ける各駅停車を利用するほうが良いのか、
 それとも、全員が前向きに着席している、有料の通勤特急のような列車が良いのかなど、
 いろいろなデーターを提供して欲しいと思います。

 また、ある程度の感染が避けられないのだとしたら、
 いつどの列車のどの車両に乗っていたのかの記録を取って欲しいと思います。
 携帯端末のNFC、Bluetooth を使った感染通知アプリが使われはじめます。
 また、劇場などで、QRコードを使った入場者の記録と感染通知のアプリも使われています。
 鉄道でも、非可聴域周波数帯域の音声と携帯アプリを使って、どの列車のどの車両に乗っていたのかを
 記録することができます。現在は一部の鉄道会社で、朝のラッシュ時に各駅停車を利用すると
 ポイントが貯まるというアプリですが、どの列車のどの車両に乗っていたのかを記録することが可能です。
 このアプリを応用すれば、落とし物をした時、どの列車のどの車両に乗っていたのかを知らせることもできるし、
 鉄道会社側で、個人情報を除いた形で集計できるとすれば、どの駅でどの列車のどの車両から、何人が
 乗降するかの具体的なデーターが集計できます。


 通勤に鉄道を利用する鉄道会社の従業員の人のデーターを集めて、
 どのような状態、どのような列車が、インフルエンザに感染する確率が上がるというデーターをとることができる
 かもしれません。新型コロナウィルス感染症に関するデーターは集まらないでしょうが、
 今の時期は、従来のインフルエンザにも感染しないほうが良いし、風邪もひかないほうが
 良い時期なので、ひょっとしたら有用なデーターが得られるかもしれません。

 あるいは、もし換気扇のフィルターから、新型コロナウィルス感染症のウィルスが検知できるのなら、
 例えば一日毎に検査して、その日にその車両を利用した人に通知することができるかもしれません。
 現実には不可能なのでしょうが、下水からも新型コロナウィルス感染症のウィルスが検知できるそうなので、
 いろいろな条件で、感染が起きている場所と時間を限定することが可能になるかもしれません。

 そして、新型コロナウィルス感染症の感染の可能性が具体的にわからないとしても、
 どの列車のどの車両がどれくらい密になるかの具体的なデーター自体も利用者にとっての
 有用なデーターだと思います。
 乗り換え案内のソフトでも、早い・安いなどと並んで、密を避けるの条件で検索できるように
 なって欲しいものです。

 それからもうひとつ、もし、どのような対策をとっても、通勤電車のように密になるのが良くないとわかったら、
 それも公表してほしいと思います。
 夜の繁華街は避けましょうとは言っても、通勤をやめるわけにはいかないので、結果を先に考えて通勤電車をやめましょうとは
 言わないしたら、いずれ、すべての公表されるデーターを誰も信じなくなると思います。
 事実は事実として公表して、もし、通勤電車がとにかく良くないなら、
 鉄道会社がどうにかできることではないので、行政主導で、テレワークや時差出勤をすすめるなどの対策をとるべきだと思います。 


 そして最後に、医療従事者の方には本当に感謝すべきと感じます。
 現場の医療従事者の方の献身的な努力で、日本で、新型コロナウィルス感染症で亡くなる人の
 数が少なく抑えられたのかもしれません。
 ただ、今回医療に関しては何の問題もなかったかというと、そうではないと思います。
 
 大学病院などでは、従来、予約をとって通院しても、診察まで1時間以上待たされるというような状況が
 ありました。素人がみても、病院の待合室がインフルエンザの感染源になっているのではないかと感じていましたが、
 病院関係者で疑いを持つ人はいなかったのでしょうか。
 また、クリニックで封筒に入った紹介状をもらって、自分で予約をとって大学病院に行って、またそこで
 1時間以上待たされるというような状況に誰も疑問を持たなかったのでしょうか。
 クリニックで大学病院の予約を取ってくれて、電子カルテのデーターを共有している、大学病院に行けば
 すぐに診察してもらえるのが当然だと思うのですが、医療関係者の常識は病院利用者の常識とかなり
 かけ離れていると感じます。
 また新型コロナウィルス感染症の影響で病院の経営が悪化していると言われます。
 CTスキャナーやMRIの人口あたりの設置台数は世界一です。CTスキャナーでは他の先進国の2倍以上です。
 設備投資すれば減価償却費がかさむのは経営の常識です。収益が下がった時に固定費がかさんで
 経営が悪化するのは病院に限ったことではありません。そして、医療分野でもっとも一般常識とかけ離れていると感じ
 るのが、医師の残業を一定期間特例で、年間2000時間以内とするという議論を行っていることです。
 人口あたりの医師の数では、日本はたとえばドイツなどのおよそ半分です
 医師の数を今の2倍にして、介護施設や保育所で勤務する医師の数を増やす、地方の診療所に十分な
 医師を派遣できるような体制にしておけば、今回の新型コロナウィルス感染症にもっと十分に
 対応できたと感じる医療関係者の人はいないのでしょうか。医師の数を今の2倍にするように、
 医師会が要求するのが当然だと思うのですが、現実はその逆で、医学部の新設がないのは
 医師会が反対しているからだという話を聞きます。病院への取材をしたニュース番組などでも、
 医療資材が足りないという話はよく聞きますが、医師が不足しているのが問題という発言はほとんど
 ありません。医療現場の人が長期的にもっと医師を増やすべきだと発言しないのが、大きな疑問です。

 素人の素朴な疑問に答えられない、あるいは答えようとしない専門家の言うことは、私は
 疑ってみることにしています。
 しかし、いっさい信用しないとは言っていません。私は、自分に都合の良い見解のみ信用することにしています。

 いろいろ感想をのべましたが、本当にこれが最後です。
 私は、感染症の専門家でも鉄道の専門家でもありません。