各種のコラム -- 3ー153 政治資金規正法の再改正はいつになるのか?
2024年11月20日
3ー153 政治資金規正法の再改正はいつになるのか?
自民党派閥の裏金問題を受けて、2024年6月に、改正政治資金規正法が可決・成立しました。
しかし、11月12日に、政治改革を議論する「政治改革本部」の初会合が開かれ、出席した石破茂首相(党総裁)は
年内に政治資金規正法の再改正などをめざすという考えを表明しました。
この、政治資金規正法の再改正がいつになるのかというのが、今回のコラムのタイトルです。
「年収103万円の壁」問題など、検討すべき課題は目白押しなので、政治資金規正法の再改正は早く片付けるほうが
良いというのが、今回のコラムの結論ではありません?!
自民党派閥の裏金問題が報道され始めたのはおよそ1年前です。1年たって、自民党「政治改革本部」の初会合が
開かれたのなら、開き直って、じっくり議論して、2025年内に政治資金規正法の再改正をめざすのが
良いというのが、結論です。
1年間、裏金問題ばかり議論しているのが良いというのではなく、年収の壁問題をはじめとする、予算審議や
景気対策など、検討すべき項目は沢山あるので、それらを進めながら、
次のような方法で、政治資金規正法の再改正をめさすのが良いと言うのが私の考えです。
政治資金規正法の再改正による、政治資金収支報告書の改善は、国会議員全員に関わる課題です。
そこで、2024年度の政治資金収支報告書の提出期限である、2025年3月末に、
現行の書式による政治資金収支報告書に加えて、政治資金の会計管理の透明性を確保するためにどのような
情報の開示や報告型式が良いと考えるのかを、各党、各人が考え、追加の情報として公開します。
そして、株主総会のように、政治式収支報告書および追加で開示された情報が妥当であるかどうかを検討する
会議を開きます。そして、2025年7月の参議院議員選挙を経て、臨時国会を開き、
政治資金規正法の再改正に関わる議論を行ってから、可決・成立するのが良いと考えます。
現行の書式による政治資金収支報告書に加えて、追加の情報を公開することや、各人で表示形式が異なることに、
問題は無いのかが課題になりますが、民間企業の財務諸表では、会社の実情にあわせて、書式が選択されることがあります。
20年近く前のことですが、従来の貸借対照表、損益計算書に加えて、2006年に施行された新会社法によって
株主資本等変動計算書の開示が導入されました。その表示形式には
純資産の各項目を横に並べる表形式と、縦に並べる表形式の2つの書式があります。株主資本等の全体像がつかみやすい
ことを重要視するか、科目数が多い場合に、細かい変動要因が把握できることを重用視するかで、
各企業が適切だと思う方法を選択して、継続して使用します。
政治資金収支報告書についても、例えば、政治家が自ら代表を務める政党支部に寄付した場合、租税特別措置法
の規定で、税額控除などが受けられるという規定について、2世議員の人であれば、所得税の免税措置を受けて、
政党支部に蓄積した現金預金を、2世議員の人の選挙資金として拠出しているのではないかという疑念があります。
それなら、自身の政治資金収支報告書の開示の一部として、相続税に関する観点も読み取ることができるような、
政治資金収支報告書を提出することが考えられます。
政党、派閥、国会議員の政治資金管理団体、政治家が代表を務める政党支部などがあって、政治資金の全体的な
動きが把握できないというのは、各政治家共通の課題です。
民間企業の連結財務諸表のようなものを作成する必要があります。
政治資金収支報告書の提出のデジタル化についても検討する必要があります。
HTML形式だけでなく、有価証券報告書のようにXBRL形式やXML形式での提出や、会計報告ではあまり一般的ではありませんが、
セマンティックWebの中でも JSON JSONLDなどを使用する可能性も検討する価値があります。
帳票書類、インボイスなどを Peppol仕様のデジタルインボイスにすることも積極的に検討すべきです。
そして、政治資金収支報告書は有権者全員の意見を聞き、会計書類や帳票書類については、民間の専門家機関の
検証を受ければ、デジタルインボイスであれば、政党、派閥、政治資金管理団体、政党支部間の取引の実態の
解明も容易におこなうことができます。
以前国会議員だったタレントの人が、政治の裏金問題について語る時、ほぼすべての人が、
「自分たちのような新人のレベルでは、何もわからない」といいます。タレントになっても、現在の活動に
支障があるほどの影響力をうけているのか、本当に知らないのかわかりません。
民間会社であれば、自分が勤務する会社の財政状況について知りたければ、経理部門の所属でなくても、
有価証券報告書をすべて読み、わからない所や、注記表などの意味がわからないところを生成AIに質問し、
さらに、自身が関連する帳票書類(例えば出張旅費の精算や備品を購入した時の減価償却の扱い)などと関連付けて考えれば、
かなりのお金の流れや処理方法が理解できます。
今年の日本シリーズは、横浜DeNAベイスターズが26年ぶりに日本一になりました。
26年前の1998年はどのような年だったか、考えることがあります。 “大魔神”が毎日のように話題に登っていました。
IT業界では、Windows95が3年前に発売され、それまでキーボードを打ったこともなかった人が、
モデムを買って電話線につないで、インターネットをはじめました。これからは、モバイルが中心になると言われて、
1999年には、iモードのサービスがはじまりました。しかし、2000年に、ITバブルがはじけて、
リーマンショックまで、日本の家電メーカーやIT企業は、ほぼ下り坂でした。
一方、アメリカでは、それまでは、そこいらの企業だったGAFAがクラウドサービスをはじめて、
国のGDPと比較するほどの時価総額になり、2007年にiPhoneが登場しました。
現在、生成AIブームです。26年前のインターネットブームを彷彿させる状況です。
半導体は部分的には、過剰生産の兆候も見られ、コロナ禍の頃の半導体不足はウソのようです。
AI半導体だけは例外で、作れば作るほど売れるという状況です。しかし、AI半導体は永遠に半導体サイクルの例外
ということはありません。いずれは供給過剰の状況になります。それがいつになるかは、そうなるまでわからないのが、
半導体サイクルの特徴です。
いつになるかはわからないのですが、私は、半導体や人工知能(AI)分野に複数年度で10兆円以上の
公的支援をするという石破総理の方針が実施に移される頃ではないかと思います。(根拠はありません)
現状を分析して、失敗しないように検討した、経産省の人が作ったプランからは高いリターンは期待できません。
株式投資も事業投資も共通でリスクとリターンは比例します。
マイナ保険証の事業でも、マイナンバーは、社会保障制度、税制、災害対策などの分野に限定して利用するという
当初の規定から矛盾しない制度でかつ、紙の健康保険証を廃止して、厚生労働省の評価をあげようという
実施している人は、針の穴をつくような仕組みを作り上げることが業績だと思っているから混乱が起きます。
例えば、医師、看護師など、従事していない人も含めて資格を持っている人は、200万人近くいます。
このような人のうち同意が得られた人が医療機関を利用して受診する際、電子カルテにマイナンバーを
記入することにします。過去に異なる健康保険証で受けた医療行為も容易に、紐付けすることが可能になるなど、
メリットも多くあります。一方個人情報の保護に関するリスクですが、受診する側が、医療の専門家であれば、
内容や状況を具体的に理解することができます。
そのようなやり方で、医療分野へのマイナンバーの利用を正面から議論しないと、
メリットは得られません。メリットがなくても、保健医療は続けられるかもしれませんが、
世界との競争になる、半導体や人工知能(AI)分野への投資は続けることはできません。
「103万円の壁」の議論も、地方自治体の住民税の徴収税額が減少するという議論になってきました。
所得が103万円を少し超えた人の所得税の税率が5%なのに対し、住民税の所得割額の税率は10%なので、
はじめから予想できた議論です。大蔵省に居た玉木氏なら、ブレーンに聞かなくても自身がわかっていたはずです。
こういう議論になることを予測して、抵抗勢力に対抗する姿勢をアピールするために「103万円の壁」の議論を
始めたのかもしれません。
このようなことを言うと、住民税の所得割額の税率が10%であることに反対しているのかという議論があります。
所得税には、応能負担の面が強いのに対して、住民税には応益負担の部分があるので、私は反対していません。
議論のどの部分に賛成しているから味方で、反対しているから敵だという論法を進めていけば、
多数の票を集めて選挙に当選することが出来ます。そして、Decision Treeのような簡単なAIの技術を
使えば、どのパラメーターを変えれば、結果を変えるのに何が一番有効かは簡単に分析できます。
さらに、法律でマイナンバーを税制に使うことを許された財務省なら、「103万円の壁」の議論
で財務省と地方自治体の収益に何が起きるかは、1円単位とはいいませんが、ほぼ正確に即座にシミュレーションできたはずです。
多くの人が政治家に求めているのは、このような戦術に優れた人ではありません。
根本的に何を重要だと考えているか、それをどのような言葉で表現することが出来るかの能力です。
中央省庁には、悪い人ばかりが居るといっているのではありません。少し別のエリアで考えてみると、
日本シリーズの中継と、衆議院議員選挙の開票速報の中継を、同時にひとつの番組として行った放送局があります。
片方だけでも、凡人にできることではないのに、同時にふたつのことを行う人は天才としか思えません。
しかし、なぜ地デジ放送のメリットとして宣伝してきた、サブチャネルを使って、視聴者が見たい番組を
見るというスタイルにしなかったのかという素朴な疑問があります。
放送局のお客様はだれかということに関連します。視聴者がお客様といいますが、実際にお金を払っているのは
CMを契約する企業です。政治で言えば、すべての有権者がステークホールダーであると言いますが、
実際は、多くの政治家は、コアな支援層をいかに確保するかを考えないと、選挙に当選できません。
特定の事業分野に、強い思い入れをもった、企業のトップがリスクを承知で新しい事業を始めなければ、
リターンは得られません。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOによれば、ロボットなどの、
フィジカルAIだということです。
Pepperやあるいは、配膳ロボット、警備ロボットなどは、新しい時代を感じさせるとともに、
いまいちという感じもします。しかし、電話線につなぐモデムの時代から、光回線やWiFiの時代への
進化は、方向が定まると、短期間で実施されたという感じでした。
配膳ロボットや介護ロボットなど、これからはフィジカルAIの時代になるかもしれません。
選挙で選ばれた瞬間から、自分が再選されるための活動を始める政治家がいます。
4年後に選挙に破れても、議会乱入などあらゆる手段をつかって、再選をめざしました。
今回選挙で選ばれたので、憲法の規定で、4年後の選挙には立候補できません。
これからは、4年間だけでなく、一生、訴追されないための活動を始めるかもしれません。
カリフォルニア州は、リベラリストの州と言われますが、今のリベラリストは、海外生まれの
ジェンスン・フアンCEOのように巨万の富を持っている人が多くいます。何世代もアメリカで
過ごしてきた白人のアメリカ人のなかには、不満をもっている人がいます。それらの不満を戦略的に票に結びつけたのが、
トランプ氏です。そして、トランプ氏を熱烈に応援すると決めたのが、南アフリカ共和国出身の
イーロン・マスク氏です。本人はアメリカ生まれのアメリカ国民ではないので、大統領にはなれません。
ジェンスン・フアンCEOは、リセットすれば、日本には大きなチャンスがあるといっています。
多いに興味がありますが、リセットした後の日本が、巨万の富を持つ一部の人と、愕然とした不満を
溜め込んだ多くの人がいて、その不満を戦術的に選挙で自分に有利に利用する政治家の国なら、
必ずしも良い世界とはいえません。
インターネットの時代に情報スーパーハイウェー構想を唱えたアル・ゴア副大統領は、
途中で予算がなくなって結果を出せなかったとしても、発言にウソはなかったと私は思っています。
2000年の選挙で、フロリダの戦いに勝っていれば、9.11もイラク戦争も起きなかったかどうかはわかりませんが、
もう一つの歴史があったかもしれないと思っています。
今日本で問題になっている政治資金の問題にも多くの示唆のある現象です。
政治資金の裏金問題のニュースを聞いていて、パーティー券を買う側も、受けとる側も、
名前を出してほしくないので、政治資金規正法を改正しても、できるだけ現状を維持したい人が
たくさんいるのではないかというのがスッキリしない点です。
神社仏閣のように、広く寄付をつのって、多額の寄進をした人は、寄進礼板に名を刻む
ようにすれば、政治資金収支報告書を見なくても、どのような人が支援しているかが、
一目瞭然です。
多くの支援者からの寄付を得て、優秀な政策秘書を雇用して、多くの議員立法の法案を
提出していますと言うなら、まったく隠す必要がなくむしろ寄付の額の多さを自慢するはずです。
じつは、寄付のほとんどを自分の選挙資金に使っているから、できるだけあらゆる
お金を秘匿したいという人たちが集まって、政治資金規正法の再改正の議論をしても、
あいかわらずスッキリしないと思います。
有権者なら誰でも出席できる、株主総会のような会議を開き、民間の専門家機関の
検証を受ければ、スッキリすると思います。
それを、一年やってもだめだったら、多くの関係者もあきらめがつくのではないでしょうか??