各種のコラム -- 3ー149 自由民主党 vs.立憲民主党 どう違う?
2024年10月1日
3ー149 自由民主党 vs.立憲民主党 どう違う?
9月に、立憲民主党と自由民主党の代表選挙がありました。
立憲民主党は、野田 佳彦さん、自由民主党は、石破茂さんが選出されました。自由民主党の総裁選挙は、
石破茂さんが選挙は最後の最後までわからないと言っていた通りの展開になりました。
自由民主党と立憲民主党という党の名前も似ているし、両代表が、穏健保守派というのも共通しています。
石破茂さんと野田 佳彦さんは見た目も似ています。これは個人の感想ですが、 野田 佳彦さんの体型も顔も5%増すと、
石破茂さんになるのではないかと思っています。
代表選挙に関しては、こわれたテープレコーダーか白紙のノートを見て話しているのかと思っていた、歴代の総理大臣
も話すことに関してそれほどポンコツではなかったとか、当選が決まった後、石破さん以上に岸田さんが、笑顔だった
などいろいろ思うことがありましたが、このコラムでは候補者が話したいくつかの政策を取り上げ、私の考えを述べます。
まず、石破茂さんの「金融所得課税の強化」ですが、私は賛成です。金融所得課税の強化と言っても、NISA iDeCoの
廃止とかではないはずで、株式譲渡所得は所得の額に関わらず、所得税、住民税等が22.1%課されるというのは、
高額所得者に対して過剰に優遇されています。あわせて、株式の特定口座で源泉徴収有りを選んだほうが良いのか、
源泉徴収無しを選んだほうが良いのかもスッキリすべきです。私のような低所得者で、総所得金額から、
基礎控除額を全額控除できない人は、申告分離課税の所得がある場合には、その特別控除前の金額の合計額を加算した金額から
控除することができます。ただし、年金所得はわずかだけれど、株式譲渡所得が1億円ある人は、特定口座で源泉徴収有り
を選んでも無しを選んでも、所得税の納付税額は変わりませんが、来年度の国民健康保険料の計算をする時の
所得の額に、源泉徴収有りを選択すると、株式譲渡所得の額は含まれませんが無しを選択すると含まれます。
青色申告控除のような、事業所得の貸借対照表と損益計算書を添付して、所得の内訳を詳細に記載して確定申告すれば、
所得控除額が認められるというのは合理的ですが、株式の特定口座での源泉徴収有り・無しのような紛らわしい
制度は改正すべきです。「金融所得課税の強化」の言葉が先行して、一時的に日本の株価が下がるかもしれませんが、
長い目で見れば、上がるだけ上がってバブルがはじけるより良かったということになるかもしれません。
次に、自民党裏金問題については、自由民主党、立憲民主党とも、将来に向けて、いかに透明性を確保した
会計報告をするかを検討して実行しなければなりません。過去の収支報告書の不記載については、犯罪者を起訴するのは
行政・検察の仕事なので、党の内部統制の観点から事実の調査はやるべきとしても、法的な処分は不可能ですが、
将来に向けて、いかに透明性を確保した自分自身の会計報告を行うかについては、自由民主党、立憲民主党ともに
具体的に述べるとともに実行すべきです。さらに解散した派閥の残余財産についても、誰もが納得できる
形で報告する義務があります。例えば、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 の第5条十七では、
公益法人を精算する際の最後の残余財産は、類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは次に掲げる法人(学校法人など)
又は国若しくは地方公共団体に贈与することになっています。公益認定を受け法人税の支払いを免除されているので、
残余財産を出資者が分け合うことはできません。派閥に残された財産も、解散の宴会の費用にすることも許されませんし、
政治家個人の政治資金管理団体を、類似の事業を目的とする他の法人として、財産を移転することも許されません。
一部の候補者から、消費税率の軽減あるいは一時軽減の提案がありましたが、私は反対です。生鮮食品の価格は
頻繁にかわります。例えば、譲渡対価、198円のほうれん草があったとします。これが、製品価格184円で、
消費税等の額が14円なら買わないけれど、製品価格198円なら買うということにはなりません。
たしかに、5,000円の買い物が、4,630円になるのは魅力的です。しかし、支出の額のなかには、
居住用住宅の賃貸料、住民税、国民年金保険料、国民健康保険料など非課税の支出がかなりあります。
とくに消費税率を一時軽減した場合は、一時的にマンションなどの高額商品が多く売れて、
本来の税率に戻した時に、それ以上のブレーキがかかるだけです。
さらに、中小企業や個人事業主の場合、消費税率が軽減される前に、10%課税で仕入れた部品を使って、
製品を組み立て、消費税率が軽減された後に、5%課税で販売すると、キャッシュインの金額が減少します。
消費税の納付税額が減少するので同じだといいますが、半年毎あるいは1年に1回、消費税を納付する以前に
資金ショートで経営破綻するかもしれません。経営破綻にはいたらなくても、サブスクのサービスを
提供しているばあい、税額を日割りで按分する必要があり、事務経費がかさみます。
現役世代が減少して、所得税の額が減少したり、景気の良し悪しで、法人税の額が大きく変化するなかで、
消費税は安定した税源になります。
立憲民主党の一部の候補が提案していた、給付金付き税額控除には私は賛成です。
立憲民主党が提案しているのは、消費税の逆進性を緩和するため、中低所得者世帯が負担する消費税の半額相当を、
所得税の額から控除し、控除しきれない分は給付するというものですが、マイナンバーカードを活かして、
個人や世帯の所得を把握し、もっと広範囲に給付金付き税額控除をおこなうのが良いと思います。
所得税や健康保険料、介護保険料など租税公課に多数の項目があり、給付についても、年金、医療費の負担
失業保険、生活保護など多数あるのを、各人の所得と生活の状況に基づいて判断する、シンプルな
仕組みにして、多くの省庁にまたがる給付のための事務経費も軽減すべきです。
106万円の壁とか130万円の壁が話題になります。配偶者の扶養範囲内で働くほうが、厚生年金や健康保険の
社会保険料を払わなくても、国民年金などが受け取れるので有利になるというものです。
専業主婦が得か、夫婦共働きが得かとの関連で語られます。所得税に限れば、超過累進税率なので、本人の
所得税控除後の可処分所得は、受取給与が高い人のほうが高くなります。しかし、専業主婦で所得を得る人が一人の場合、
配偶者の扶養控除がなくなると、主たる生計維持者の課税総所得額が増え、それにともなって、所得税の税率も高くなる
場合があります。保険料率が一定のものについては、専業主婦でも、夫婦共働きでも合計の保険料は同じですが、
ひとりが、主たる生計維持者の扶養範囲内で働くほうが、
合計の保険料が安くなります。時給を上げるのをやめようという現象も起きています。
制度にあわせて働き方を調整するというのは本末転倒です。各人が、自分が働きたいように働き、
得られた所得に応じて租税公課を負担する、シンプルな仕組みにすべきです。
立憲民主党の人も、実際に政権をとって実施することはないだろうと思って、(個人の感想です。確認していません)
発言するだけでなく、年末に出される税制改正大綱並の緻密で具体性を持った提案を行うべきです。
一部の候補から発言があった、整理解雇の要件の変更に関して、非正規雇用の増大が問題になります。
事業を行うにあたって、ヒト・モノ・カネが重要と言われます。そしてすべてが重要なのだが、
ヒト・モノ・カネの順に投資期間が長く、かつ重要であるといわれます。
財務諸表をみると、お金の流れや保有する固定資産は詳細に計上されます。そして、リース会計の基準が
変更され、オペレーティング・リースも含めて、どういう資産から収益を得ているかをより詳細に記述することになりました。
しかし、人的資源は財務諸表には資産として計上されません。支払給与、教育・訓練費など、費用は計上されますが、
事業をおこなうために、どのような人的資源を備えているかを誰にもわかるように表示する仕組みはありません。
会計基準は、法律ではないので、国会議員が決めるものではありませんが、雇用の形態は多くの人の生活に
大きく関わる項目なので、各党がどのような考えをもっているかとそれをどのように情報公開するかについての
方針を提案することは重要です。20世紀の高度成長の時代は、円安でかつ生産設備が新しかったので、
海外の事業モデルをお手本に真面目に働いていれば、利益があがりました。またプロ野球のチームなど、
企業スポーツも、赤字でもよく、収支は気にせず、企業の宣伝媒体として位置づけられていました。
アベノミックスの評価はいろいろですが、第3の矢が不発だっと指摘する人が多くいます。
金融緩和と財政出動に一定の効果があっても、それだけでは不十分です。
プロスポーツチームも、どのように経営していくかが課題になっています。日本のJリーグのチームの
企業価値は、ヨーロッパのチームの10分の1とか言われます。キャシュインフローの手段を考える
ことも重要ですし、プロスポーツ選手の人的資源を財務諸表に資産として誰でも測定可能な形で計上するなどの
制度・規定の変更も考える必要があります。元プロスポーツ選手で公認会計士という人が複数人います。
リスキリングの好事例です。還暦を迎えた人に、小学生のプログラミングの授業のようなリスキリングを
おこなっても、成果はえられませんが、教育・訓練費などを、費用として計上するだけでなく、
人口減少社会では、投資期間の長いヒトへの投資を学校の教育も含めてどのように行うかを社会的に
検討する必要があります。立憲民主党の一部のリベラルな人で、労働者の組合組織率を上げる必要が
あるという人がいます。労働組合活動には、20世紀の国鉄のスト権ストなどから、嫌悪感をもつ人もいます。
経営者側の整理解雇の権利よりも、労働者がブラックな職場を自主的に退職しても、給付により生活が保証され、
人的資源としても価値を社会的に公正に評価され、新しい職場に移ることができるような環境をつくる必要があります。
石破茂さんは鉄道ファンとして有名です。それで政治が変わるということはないでしょうが、
鳥取は、大阪〜鳥取間の移動が、高速バスより、在来線の鉄道のほうがかなり速いというユニークな場所です。
他の地域で高速バスや飛行機で東京や大阪に行くのは便利だが、県内の移動は公共交通機関では現実的に
不可能という場所があります。人口減少社会のなかでの公共交通機関の役割は、北海道や四国でも
課題があります。皆で考える必要があります。
話が変わりますが、最近、東海道新幹線に関するクイズ番組を見ていて、最後のまとめのなかに、
16両編成の、長さ400メートル総重量7トンの車両を船で運ぶという発言がありました。軽過ぎます。
本当は、総重量700トンです。番組をつくっている人が知らないのではなく、一度チェックの網をくぐると、
誰もが疑わないので、皆が見逃すということがあります。このようなチェックは生成AIを取り入れると
ミスがなくなります。今回の代表選挙のなかで出てきたいろいろな政策についても、
実施すると決めた項目は、行政のデジタル化も含めて、実際にどのように実現していくかの議論を
継続しておこなう必要があります。
鉄道の相互直通運転では、ダイヤが乱れて、相互直通運転を取りやめますというのが、ニュースになりますが、
実際の運転整理は、ある電車のドアに傘がはさまって3分遅れるなどについても。会社同士が連絡をとって
対応しています。朝のラッシュ時の、上り電車であれば、遅れた電車が到着する側の会社は、
直通する下り電車を折り返しにして、本来の上り電車のダイヤで運転し、遅れて到着する電車は次の上り電車の
ダイヤで運転することがあります。それだけでなく、直通する下り電車を折り返すとき、
乗務員が、電車の前から後ろまで歩いていっているとまねあわないので、途中の駅から、運転室に車掌、
車掌室に運転士が便乗して行き、到着後すぐに折り返すという手配をすることがあります。
ダイヤを決めるだけでなく、実際の運用方法を細かく管理しないと、業務の遂行ができないのは、
行政のデジタル化やガバメントクラウドも同じことです。
政治は保守か革新か、自由民主党や内閣が法案を提出し、野党は反対して、与党が数で押し切るという、
「通り一遍」の政治が成り立つ時代ではありません。穏健保守派の政党が増えているのを機会に、
国会の議論の中身の革新を皆で考える必要があります。
10年程前にマイナンバーカードが登場した時、コンビニで住民票の印刷ができるのが、画期的だといわれました。
しかし、江戸時代でも、懐から印籠をとりだして、「こちらにおわすをどちらと心得る」といえば済んだのに、
わざわざ近くのコンビニまで歩いて行って、住民票を印刷し添付して書類を提出するのはダサイと思いました。
ところがそれから10年たっても、コンビニでの住民票の印刷でトラブルが発生しました。また、公金受取口座の
登録に関連して、ゼロ歳児であっても、マイナポータルは本人のユーザーIDとパスワードで使いますが、
多額の不正が見つかった時の法的な責任が不明確です。このような、実際の運用方法を細かく管理しないと、
行政のデジタル化は進みません。
自由民主党と立憲民主党、似ているのなら、今回、選挙期間中に提案して終わりにせず、具体的な提案に落とし込んで
いくのが良いと思います。1位じゃないとダメですかのような、パーフォーマンスのための議論をおこなっても、
そんなに、お金がわきでてくるわけではありません。
雇用問題、税法、保険料など、将来の生活がどのようになるのかが、具体的に想像できるような、
議論を継続して行っていく必要があります。