各種のコラム -- 3ー141 週に1度はスマホを再起動せよ!!?
2024年6月20日
3ー141 週に1度はスマホを再起動せよ!!?
今月初め、米国家安全保障局(NSA)が、スマホのユーザーに対して「1週間に一度、電源をオフにしてから再びオンにしよう」
というアドバイスを送っていることが話題になりました。
コメンテーターの話を聞いていると、このアドバイスは、セキュリティ上の問題をすべて解決する特効薬ではないそうで、
OSやアプリをアップデートして最新の状態にすることに比べると、重要性は低いそうです。
20世紀から、パソコンを自作している者としてはなつかしく聞きました。
当時は、パソコンがなぜか動かなくなり、再起動しても効果がなく、シャットダウンしてコンセントから電源ケーブルを
抜き、さらにマザーボードに載っている、バイオスのデーターをバックアップするためのボタン電池を取り外して
20分程冷ますと、正常に起動することがありました。21世紀になってリチウムイオン電池が装着され、皆が電源を
入れっぱなしのスマホも、時々リセットしたほうが良いそうです。
この再起動に関するニュース番組で、スマホのセキュリティー対策として、使わないアプリは削除すべきかも
話題になり、番組関係者の平均で、115個のアプリが導入されていたそうです。私も自分のスマホで数えてみました。
230個くらい導入されていました。家のなかにガラクタがあふれて片付かないわけだと納得しました。
とくにタブレットは、数年前に買った、メモリーが4GB、ストレージが64GBの機種なので、
よくこんなに入るなという感じです。そして、クワトロコアのMPUでクロックが2GHzで、1万5000円位
だったのですが、クロックが3.4GHz、メモリーが32GB、ストレージが1TB位のパソコンとあまり変わらない
速度で動いているように感じます。Androidタブレットは、GIGAスクール構想で使われた中古品やアウトレット品
が出回っているので、新品も比較的安く購入できます。パソコンはマルチウィンドウだからとはいえ、
タブレットより相当高価な印象です。Androidタブレットは、中級機種も、台湾のMediaTek製のSocが
搭載されるようになりお買い得感が高まっています。
日経トレンディ2023年12月号で、ChatGPTが第1位に選ばれて以来、今年になっても
IT関連の話題は、生成AIと大規模データーセンター、それにNVIDIAの半導体です。
そのトレンドのなかで、私が今年前半注目したのが、マイクロソフトから発売された、
ARMアーキテクチャのプロセッサで動作する、「Windows11」搭載のノートPCです。
次世代AI Copilot が搭載されているのですが、私が注目するのは、そこではなく、
スマホ、タブレットと同じ、ARMアーキテクチャのプロセッサで動作することです。
現在多くのPCは、x.86_64のアーキテクチャのプロセッサで動作するのでAndroidのアプリを開発
するには、PC上でコーディングしたプログラムをARMのアーキテクチャで動作するようにクロスコンパイルします。
そしてクロスコンパイルが通ってロードモジュールができたとしても、動作が保証されるわけではなく、
Androidスマホにダウンロードしてインストールして動かしてみると、しょっちゅうクラッシュします。
(一般的にクラッシュするということではなく、私が開発したアプリに関する個人の感想です)
PC上 でプログラムをデバッグし、ネイティブアプリで ウィンドウが立ち上がって動作すれば、
スマホでそのまま動作するようになれば、プログラム開発の効率が上がります。
PCとスマホでは、Windowingシステムが異なるので、アーキテクチャが共通になっただけで、
アプリが共通になるわけではありませんが、例えば、PythonのTkinterを使ったスクリプトが
PCでもスマホでも共通に動作するなどに挑戦する人が現れて、スマホ、タブレットの開発環境が
大きく変わるような気がします。
プログラム開発の現場が変わるだけでなく、MPU、Socが共通になることで、ノートPCとタブレットの
境界が曖昧になり、ノートPCの価格が下がるなど、大きな変化が起きそうな気がします。
ChatGPTなどの生成AIや大規模データーセンターが話題になり、クラウドが競争の最前線のような印象ですが、
そろそろ、競争の最前線が、モバイル機器に向かう振り子が振り始めたような気がします。
20世紀に、ホストコンピューターから、パソコンの時代になりました。そして、21世紀になった頃、
皆が、パソコンとモバイル機器を話題にしていた頃、振り子が戻るように、インターネットとクラウドが
発展しました。その後クラウドは大きく発展し、オンプレミスのホストコンピューターの時代に戻ったわけではありませんが、
パソコンによる分散処理からクラウドによる中央集中型の処理に戻りました。
今、大規模AIデーターセンターが話題になっていますが、そろそろ振り子が戻り始めて、
パソコンやスマホでのAI処理が話題の中心になりそうです。
ITの世界では、もうひとつ振り子のように傾向が変わるものがあります。共通のH/Wを使うか専用のH/Wを使うかです。
コンピューターが開発されて以来、専用のH/Wだったのですが、共通のH/Wに向かう象徴となったのが、
IBMの360アーキテクチャーです。360度すべてのアプリに対応するという意味です。その後パソコンでは
x.86のアーキテクチャーが標準になりました。これは振り子ではなく、共通のH/Wが新しい流行だと
言われたこともあったのですが、2005年頃から、MPUのクロックが限界に達した頃から、
いろいろな専用のH/Wが出てきて、現在も、各種の専用のH/Wが登場する流れが続いています。
iPadを使っている人で、MacBookが無くても構わないような気がしてきたという人が居ます。
どちらもアップル・シリコンでプロセッサーのアーキテクチャーは共通、アプリのアイコンも共通なので、
iPadに専用キーボードを取り付けると、MacBookで行っているほとんどのことはできます。
2000年ごろにウィンテル(ウィンドウズとインテル)といわれた当時とくらべると、
タブレットが登場し、Chromebookが登場し、バリエーションが増えています。
そして、今年、マイクロソフトから発売された、ARMアーキテクチャのプロセッサで動作する、
「Windows11」搭載のノートPCは、Qualcommが設計したSocですが、台湾のMediaTek社も
Windows用のSocを発売するとアナウンスしています。Windowsパソコンの低価格化の
きっかけになりそうで、タブレットとノートPCがどのようになるのか注目です。
20世紀のパソコンは、負荷の高い処理をすると、動かなくなってOSの再起動が定番でした。
MPUがマルチコアになって、誰かが動いているから、OSのスローダウンはなくなるのかと思ったのですが、
今でも、皆無ではありません。それに対して、タブレットは、アプリがしょっちゅうクラッシュするのに対して、
OSのクラッシュはほぼ皆無です。また、HDDへのアクセスを考慮していないので、I/Oが意外と
速いです。それから位置情報が鍵となるアプリにとっては、SIMカード付きの携帯やタブレットの
効果は絶大です、A−GPS(Assisted GPS)とRTK(Real Time Kinematic)
のおかげで、地下などから屋外に出た時の起動が速くしかも専用の測定器並みの精度で測定可能です。
これからは、これらの悪いとこ取りではなく、良いとこ取りの方向に進んでほしいと思います。
2008年頃にも、Atomプロセッサーという組み込みシステム用のプロセッサーを使った、ミニPCが
ありました。WindowsノートPCを全体に小型化したようなデバイスで、見るからにダサいと思ったのですが、
流行はすぐに下火になりました。2〜3前から、再び、ミニPCブームですが、これは、マイコンかと思うような筐体に
ノートPCと同じプロセッサーとストレージなどを装着したもので、キーボードとディスプレーをつないで
使います。2008年頃のものと、発想に共通する部分はあるのですが、製品は、20世紀に話題になった、
省エネルックと21世紀のクールビズ位違います。省エネルックは、政治家が半袖、半ズボンのスーツにネクタイを
締めて宣伝していたりして、見るからにダサいと思いました。
プロセッサーと並んで、モバイル機器の技術開発に大きな影響を与えるのが、MRAM(スピントロニクス半導体)です。
メモリーモジュールで、電子が持つ電荷によってデーターを保存するのではなく、電子が持つ磁石の性質(スピン)を利用して
記録、保存するので、電源を切ってもデーターが消えません。将来、キャッシュメモリーからメインメモリーまで、
広く使われる可能性があります。プロセッサーに比べると、メモリーのアクセス速度は遅いです。
しかし、遅い部分を速くすることこそが全体の処理速度をあげる鍵です。東北新幹線、北海道新幹線でも、
東京〜大宮間や青函トンネルの通過速度を向上させるのと同じ発想です。
仮に、キャッシュメモリーからメインメモリーまで、共通のデバイスが使われるようになるなら、キャッシュメモリーを
巨大にすれば、全体の処理速度が劇的に向上するだろうというのは間違えた考え方です。
アプリやOSの動きを総合的に検討して、限られた容量のキャッシュメモリーに、よく使うデーターを配置
することが重要になります。ガラクタがあふれて部屋が片付かないからといってトランクルームを借りるのは
間違えた発想です。部屋を片付けて、よく使うものを整理整頓して部屋に置かなければなりません。
アプリを導入する時も、まず業務を考えて導入、設定の方針をたてなければいけません。
アプリの新機能だけに注目して導入するのは間違えたやりかたです。ERPの導入でよく問題になります。
原因はわかっていませんが、最近食品メーカなどで、ERPを最新版にアップデートしたら、想定通り稼働しなくて
製品の出荷が停止するという問題が発生しました。古いシステムに戻して稼働すれば良いのではないかと思いますが、
それほど簡単なことでは無いようです。
ERPでは、ドイツ製のSAPが有名です。手順書があれば、万が一に私でも導入できるかもしれませんが、
設定はできません。自信をもって、私が設定したら永久に完成しないと言うことができます。
それに比べて、クラウド会計ソフトは、法人向けのバージョンでも比較的簡単に使い始めることができます。
しかも税制への対応では、ERPより優れている面もあります。
商品を仕入れて販売しているだけで、製造原価報告書を作る必要がない法人では、ERPの使用をやめて、
クラウド会計ソフトを使うという選択肢もあります。
まず業務を考えてどのようなアプリを使うかを決めなければいけません。
クラウド会計ソフトや、一部のERPは、日本製のアプリが使われている、今となっては数少ない領域です。
日本人の事務系の業務のやり方と業務のデジタル化の影響を検討する上で、貴重な領域です。
現在私は、ネット型証券会社でETFなどの投資信託を保有していますが、以前は対面販売の証券会社を利用した
こともあります。保有債権に含み損が出ると、電話がかかってきて、売却して、別の銘柄の商品の購入を
推奨しました。含み損失を、おどし材料にして、買い替えで手数料を稼ぐというビジネスを行っているうちに、
客の保有債権の総額が増えたほうが、一定の割合で決まる手数料も増加するという、本来のビジネスの
やり方を忘れているようでした。私の印象ですが、財務省にも本来の業務を忘れている人が多く居るように
感じます。増税して、皆が困窮する状態にしたほうが、租税特別措置法などで個別の業界に便宜を図った時の
効果が大きくなり、有利な条件の天下り先がたくさん確保できるということが習慣になり、
皆が豊かになり、経済が成長するほうが、徴税額の総額が増えるという本来の姿を忘れているような印象です。
ITの世界では、日々新しい事が起きます。大規模言語モデルが登場した時、一番期待したのは、
翻訳コンニャクでした。迷惑な動物が街に出歩いている時、翻訳コンニャクを使って、規格外で出荷できない野菜を
食べてもらいます。それでも不足なら、いっしょにコンビニに行って、おにぎりを買ってあげて、
マイナンバーカードで誰がいつ来たかを記録した上で、森に戻ってもらうというような使い方を期待しました。
しかし、翻訳コンニャクは想像したより難しそうです。
一方で、大規模言語モデルの文章を要約する能力は、期待以上です。言語モデルは、アテンションで並列処理を
行っているとしても、次の単語を予測するという逐語処理を行っているという話をよく聞いていたので、
文章全体を理解する能力は無いのかと思っていたのですが、現実には、大規模言語モデルの要約を読んでから
原文を読んだほうが良く理解できるというレベルで文章全体を要約する能力を持っています。
SDVも話題になります。クルマがスマホのようにソフトウェアーのバージョンアップできるようになると
便利です。しかし、クルマがソフトウェアーになるといっても、アナログテレビに対して、デジタルテレビが
ひと呼吸おくれて動作するように、ブレーキをかけてもひと呼吸遅れてブレーキが動作したり、
走っている時、突然、ソフトウェアーのバージョンアップが始まり、再起動して、
しばらくお待ちくださいと表示されるようになると危険です。
いろいろな機器や、業務にデジタル技術が関わるようになるので、要求されるリアルタイム性や信頼性に
対応する新しいデバイスが登場する必要があります。
それから最後に、JREポイントについて、期待することがあります。
ウェアラブル端末の Suicaやモバイル Suicaやえきねっとを使っているので、
どのように設定するとJREポイントが貯まるのかよくわかりません。
毎日JRを使うわけではないので、IDが統一されるまで4年待っても問題ないのですが、
なぜガラクタはどんどん貯まるのに、ポイントは貯まらないのでしょうか。