列車ダイヤについて -- 3-10 窓のない列車
2019年7月10日
3-10 窓のない列車
新幹線の列車の窓の大きさが昔と比べると小さくなっています。
700系の列車とN700系の列車を比べても、前後方向が少し短くなっています。
JR東日本の試験車両ALFA-Xでは、窓のない車両もあります。
個人的には、昔の2階建ての新幹線列車のような窓の大きな列車も良かったと思います。
今回のコラムでは、列車の窓についてあくまで可能性のひとつとして、ふたつの方法を述べてみたいと思います。
車両の設計をしたことはありませんから、本当に可能性があるのかどうかはまったく検討しておりません。
1) 透明で強度のある材料を開発して窓を大きくする。
窓が小さくなっているのは、騒音の発生を防ぎ、車両の強度を保つためと聞いたことがあります。
金属以外の材料、例えばセルロースナノファイバー(Cellulose Nanofiber、CNF)のフィルムのような軽くて強い透明なフィルムで、
鉄道車両を作ることがもし可能になれば、透明な車両を作ることができます。
基本的には透明で必要な部分に色をつけるという考え方になります。
現在の新幹線の車両は、3年毎の全般検査の際に塗装し直すそうです。
塗装が不要な材料あるいは、15年程色落ちしない材料が使えるようになれば、全般検査の日数を短縮することができます。
車体の上半分を天井もふくめて透明にすることもできます。車体と窓の段差もなくなり、騒音源にもなりません。
車体の半分より上が天井もふくめて透明な車両だと相当話題になるでしょう。
もちろん価格や加工性、断熱性、重量など実際に新しい材料を車両に使うためには、非常に多くの項目を検討する必要があるので、
すぐに実用化できるわけではありません。扉は現在も戸袋がついた形式が一般的で、飛行機のような扉を締めると機体と段差がなくなる
タイプにはなっていません。頻繁に扉を開け閉めすることを考えると現在の形式が最適なのだと思います。
しかし、長い目でみれば、鉄道車両を金属以外の車体にすることも、海岸を走る腐食が問題になるような列車から、広がっていくの
ではないでしょうか。
2) 窓がまったくない車両にして、カメラで写した景色を壁や天井のディスプレーに表示する
カメラで写した景色をディスプレーに表示するのは、車のバックカメラやコーナーカメラで実際に行われています。
これをカメラを増やして、壁や天井を全面ディスプレーにして表示するようなイメージです。そこまで大きなディスプレーを作ることができるのか、
どのくらいの重量になって、どのくらい電力を消費するのかを具体的に検討したわけではありません。単にイメージとして思いついただけの話です。
しかし、床下のカメラで台車の様子や、鉄橋を渡る時、河川の様子を写して、床のディスプレーに表示すると、おもしろい映像になるでしょう。
例えば瀬戸大橋線では、道路と壁で塞がれた道路橋の部分と異なり、鉄道では現在でも瀬戸内海の様子を箱庭のように眺めることができます。
さらに床下に付けたカメラから写した景色を眺めることができればやはり話題になるとでしょう。
AR(拡張現実)技術が進歩すると、天気が悪くて眺めが悪い時でも、美しい景色を列車の走行に同期して表示することも可能になるでしょう。
また、新幹線の先頭の車両はどんどん鼻が長くなります。運転席の窓は、ある程度垂直になっていないと前が見えないため、
車両の断面積が急に広がることも、鼻がさらに長くなる理由のひとつです。
もし、運転席の窓をなくして、すべて監視カメラで前方や駅のホームなどを監視することにすれば、
先頭の鼻が今ほど長くなくても、徐々に断面積が増えていく形状にできるかもしれません。
どんどん鼻が長くなると、運転席の窓から実際の景色を眺めるより、必要な箇所に取り付けた監視カメラの画像のほうがよく景色を眺めることが
できるかもしれません。 例えば非常の際、列車同士を連結する際など、運転席の窓からはるか遠くの車両の先頭を見るより、先頭につけた監視カメラ
の画像を見るほうが、よくわかるのではないでしょうか。
ここに述べたふたつの方法がいきなり新幹線の車両に採用されることはまずないでしょう。
しかし、屋根のない二階建ての観光バスはずいぶん話題になっています。
観光列車で、天井が透明な車両や、景勝地にある透明な床のように、景色が良い場所にある鉄橋で、
車両の真下の様子をカメラによって眺めることができるような車両があれば、
屋根のない観光バス以上の話題になるでしょう。
新素材の開発や、高解像度のカメラ、大型ディスプレーの開発、AR技術の進歩によりあっと驚くような車両が登場するかもしれません。