列車ダイヤについて -- 2ー48 2025年3月のダイヤ改正等について
2024年12月14日
2ー48 2025年3月のダイヤ改正等について
JR各社の2025年3月のダイヤ改正の大綱が、発表されました。
東海道・山陽新幹線については、「のぞみ」の自由席車両が3両から2両になるというのが、事前にも
発表されていた注目の項目で、ダイヤについてはそれほど大規模な変更はありませんでした。
そのなかでは、朝6時台の下りの列車について「のぞみ14本ダイヤ」と報道したものもありましたが、
新横浜始発と品川始発の列車を加えたもので、これらを仮に東京始発として勘定すると、5時台の
発車になるので、「のぞみ12本ダイヤ」であることに、変わりありません。
早朝、深夜に列車を増発するということで、2025年には、関西万博がありますが、
それ以外の時間帯については、ダイヤ改正で対応するというものではありませんでした。
早朝、深夜以外の時間帯は、すでに設定できる限りの列車が設定されてるので、
実際に、どの日に、どの列車を運行するかで、対応するという形です。列車の定期点検のスケジュール
を考慮して、実際に営業運転する列車を確保するのは、業務上は重要な項目になりますが、
列車ダイヤに現れるものではありません。
そこで、今回のコラムでは、まず2024年中に東海道新幹線を利用して感じたことをとりあげます。
東京駅では、回送列車が発車する時、何回かの観察での状況で、チャイムがならなくなりました。ホームの駅員の人も出発準備は行いません。
ホームドアがすべてのホームに取り付けられたので、必要なくなったのかもしれません。
新大阪駅は、今も、回送列車が新神戸側の引き上げ線にむけて発車する時に、「3番引き上げ出発よし」など確認しています。
東京駅で、「予告よし」でチャイムが鳴って出発準備が始まるのを、何回か見ました。
出発信号の5秒弱前に、開通予告表示灯が点灯するようになったのは、2020年度からです。
しかし、出発の30秒〜35秒前の時点で、ポイントの転換は終了していて、「出発よし 時刻よし」
でチャイムが鳴り始めるのがほとんどでしたが、
今年は、出発の30秒前の時点では、出発信号が点灯していなくて、20秒前位に、
「予告よし」でチャイムが鳴って出発準備が始まるのを、何回か見ました。
東京から品川までは6分15秒で走る列車が大半ですが、品川から東京までの上り列車は、
6分0秒で走る列車が増えたことが関係しているのかもしれません。ダイヤ改正は年に1回なので、設備を変更しても、
順次慎重に使うようです。
次は、北陸新幹線のルートについてです。
小浜ルートに決まりそうですが、私はどうみても米原ルートではないかと思っています。
地図をみて、米原ルートのほうが近いというのが理由で、それほど具体的に検討したわけではありませんが、
建設費5兆円で完成まで30年かかる、つまり敦賀での乗り換えが30年続くのと、
建設費1兆円で完成まで10年とどちらが良いか、もう一度、広く一般に意見を求める価値があります。
米原駅の13番線を北陸新幹線のホームにすれば、関西方面から北陸方面への乗り換えは、
同じホームの反対側、逆方向の乗り換えもそれほど不便ではありません。
現在、保線の車両が利用しているので、北陸新幹線のホームにすることは不可能という意見があるかもしれません。
しかし、栗東の保線車両の基地となっている場所を利用して、栗東琵琶湖の駅を新設しようという
計画がありました。その時には、保線基地を移動する計画も含まれていたはずです。
現在米原にある保線基地の機能も他に移すことが可能なはずです。
ホームの幅が十分かも検討が必要で、傾斜があって始発列車が滞泊できないなど、検討項目は多数あると思います。
それから米原駅の西口に北陸新幹線から東海道新幹線へのアプローチ線を建設する土地があるかが、
最大の課題になります。しかし、建設費は高くかかるが、小浜ルートのほうが利用者にとっては
はるかに利便性が高いという見方は必ずしも正しくありません。
まず、敦賀での乗り換えが30年近く続きます。山陽新幹線から北陸新幹線に乗り換える人は、
新大阪で乗り換えるとしても京都で乗り換えるとしても、東海道新幹線の地上ホームから、
北陸新幹線の地下ホームへの乗り換えになります。新大阪と米原で隣のホームに乗り換えるほうが便利です。
そして、リニア新幹線が新大阪まで完成すれば、北陸新幹線から東海道新幹線へ乗り入れて、
北陸地方と関西地方を乗り換えなしで結ぶ列車の設定が可能になります。
米原駅の13番線から東海道新幹線の下り線に乗り入れるには、上り線を横切らなくてはなりません。
東北新幹線の福島駅で、「つばさ」と連結する上りの「やまびこ」が下り線を横切るのが問題になっています。
これは、駅に入る前と駅を出発した後に、2回続けて横切るから問題になるのであって、
1回だけ横切る例は多くあります。例えば、岡山発博多行の「こだま」は、
博多総合車両所岡山支所から岡山駅の下り線のホームに、下り線を逆走して入ってきます。
北陸地方と関西地方を乗り換えなしで結ぶ列車の設定だけでなく、
名古屋と北陸地方を乗り換えなしで結ぶ列車も、米原駅の13番線でスイッチバックすれば可能になります。
北陸新幹線が小浜ルートで完成したとして、以前、「しらさぎ」を利用していた人はあまり便利になりません。
現在も、敦賀乗り換えになってあまり便利でないといわれていますが、完成後も、
東海道新幹線で京都まで行って乗り換えるとしたら、距離が長くなって料金が高くなるだけでなく、
京都での乗り換えも、駅が同じ場所にできたとしても、
東海道新幹線の地上ホームから、北陸新幹線の地下ホームへの乗り換えになります。
高度経済成長の時代に、瀬戸大橋が建設されました。瀬戸大橋線を最初に見た時、中途半端だと思いました。
本四備讃線の茶屋町から、宇多津までは、複線で、瀬戸大橋の部分は、将来新幹線を敷設する場所まで
確保されているのですが、岡山から茶屋町までは、元通りの宇野線で単線です。
このような中途半端な設備投資が問題だと思いました。
しかし、その後、岡山〜茶屋町間の大元の駅に、高架化とあわせて線路有効長が2km近くある、すれ違いの設備が建設され、
上下線の列車が、止まることなくすれ違えるようになりました。
今では、このような既存の設備を活かした設備投資こそが正しいやり方だと思うようになりました。
高度成長の時代と違って、これからは、短い建設期間で、できるだけ投資を早く回収する、既存の施設を
最大限活かすことを考えるべき時代です。
専門家の検討会だけで決めるのでなく、もう一度、広く一般に意見を求める価値があります。
次の話題は、JR東日本の「ご利用の少ない線区の経営情報の開示について」です。
ここで取り上げられたなかで、千葉県の久留里線の一部の区間については、具体的に廃線の検討が始まっています。
千葉県と茨城県を走る鹿島線も、ご利用の少ない線区です。
ご利用が少ないのは、列車の本数が少ないからで、本数を増やせば、ご利用者も増えるというのが、私の見解です。
千葉と成田空港を結ぶ「成田エクスプレス」や快速成田空港行の列車には、大きなスーツケースを持った
旅行者が沢山乗っています。成田で銚子行の成田線の列車に乗り換えて、5つ目の佐原の駅で、鹿島線の列車に乗り換えて、
5つ目が鹿島線の終点の鹿島神宮です。
成田線や鹿島線の列車では、大きなスーツケースを持った旅行者は皆無という状況です。
成田空港を利用する外国人旅行客で、到着直後や出国前に、1日、水郷潮来や鹿島神宮を散策しようという需要は
かなりありそうですが、現在はほとんど利用されていません。鹿島線は昼間は、1時間半から2時間に1本という
状況です。成田線は1時間に1本ですが、佐原の接続があまりよくなく、例えば、成田を15:36分に
出発して、16:06分に佐原に到着すると、15:57分発の鹿島神宮行の列車が出発した後で、
次の列車は17:17分発になります。駅の数が10個で、1時間弱で移動できます。
京都から保津峡は、駅の数が8個で、20分ほどで移動できます。こちらは15分おきに列車が走っています。
こちらは、インバウンドの旅行者であふれるほどで、乗り切れない人がでることが問題になっています。
千葉と成田の間は、成田にほとんど停まらず、特急料金が必要な「成田エクスプレス」を除くと、
30分間隔で走っています。京成の成田駅は特別な料金が必要ない列車がおよそ15分間隔で出発していることを
考えれば、成田線の1時間おきの銚子行の列車に加えて、成田〜鹿島神宮間の直通列車を1時間おきに走らせ、
さらに銚子行の列車に接続する、佐原始発の列車を設定して、鹿島線の運転間隔を、現在の2時間から、30分に
すれば、ご利用者も増えるというのが、私の見解です。
鹿島線沿線には、観光地がたくさんあります。佐原の町並みや、伊能忠敬の旧宅、香取神社、水郷潮来あやめ園
鹿島神宮などです。また、鹿島サッカースタジアムの臨時停車場があり、ゲームがある日には
観客が利用します。鹿島線は単線ですが、十二橋の駅を除いて全ての駅に行き違いの設備があります。
成田線の佐原〜香取間にある踏切を除いて鹿島線には踏切はありません。東京貨物ターミナルや隅田川駅から、
鹿島臨海鉄道に乗り入れる、20両連結程の鹿島貨物が1日2往復ほど走っており、線路の有効長は長く、
風が吹くとよく止まりますが、自然災害で、設備に被害がでたのは、東日本大震災の時を除いて
ほとんどありません。
鹿島サッカースタジアムの臨時停車場は、JR鹿島線と鹿島臨海鉄道の境界の駅で、
機回し線の設備もあり、JRの電気機関車を見ることができます。
いつもは2両編成の電車が中心に走っていますが、あやめ祭りの時には臨時の10両編成の特急が運転され、
鹿島神宮ルートのTRAIN SUITE 四季島が運転されたこともあります。
JR嵯峨野線(山陰線・京都〜園部)も、国鉄からJR西日本になった当時は、時々ディーゼルカーが走る線区で、
大きなスーツケースを持った旅行者は皆無という状況でした。それが乗り切れないほどの観光客が利用するようになったのは、
列車の本数を増やしたからです。鹿島線も、15分間隔の運転にすれば、利用者が増えて、
低迷する茨城県の魅力度ランキングも、一気に京都を上回るのは無理でも、15位くらいにはなるのではないでしょうか。
ご利用の少ない線区について、現状の解析に基づく予測だけでなく、
成田山新勝寺、香取神宮、鹿島神宮という御利益が多い場所を1日で3つめぐることが出来ることに注目して、
インバウンドの旅行者などの潜在需要も考慮にいれて、既存の設備を最大限有効活用することを考えてみるべき時です。