列車ダイヤについて -- 2-4 JR東海の区間をJR西日本の人が運転するの? 回送のさくらの話です

                                         2016年3月26日

 東京駅から、博多行きの列車にのると、乗務員はJR東海の xxとyyです、のような車内放送があります。そして新大阪の駅を出発したところで、
今度は乗務員はJR西日本の xxとyyです、のような車内放送があります。 
JR東海とJR西日本はそれぞれ別々の株式会社で、さらに親子会社のような資本関係はありません。
 当然、会計帳簿はそれぞれの会社で保有し、東京から博多までの乗車券を発売した時、収益である売上は、
東京・新大阪間は、JR東海の売上となり、新大阪・博多間は、JR西日本の売上になります。
 
 売上をあげるために必要な費用も費用収益対応の原則にしたがって計上されます。
JR東海の区間の売上に対応して、JR東海の乗務員の人の人件費が発生し、JR西日本の区間の売上に対応して、JR西日本の乗務員の人の人件費が発生するのは
非常に自然な会計処理です。車両の減価償却費もJR東海の区間はJR東海の車両が走り、JR西日本の区間はJR西日本の車両が走れば、
非常に自然な会計処理ができます。しかし新大阪駅で車両を取り替えるためお客さんが全員乗り換えるのは非常に不便です。
そこで車両は他の会社の線区にも乗り入れることになります。

 さて乗務員の話に戻して、博多方面から新大阪に列車が到着して、JR西日本の乗務員の人が降りてきますが、また別の
JR西日本の乗務員の人が乗り込むことがあります。新大阪終点のさくらを鳥飼車両基地に回送する時です。
鳥飼車両基地は新大阪から京都方面の列車に乗って少し進んだところにあります。JR東海の区間をJR西日本の人が運転することになります。
正確な理由は知りませんが、鳥飼車両基地への回送は、JR西日本の区間の営業列車で売上をあげるために必要なことなので、
JR西日本の乗務員の人の人件費が発生するのが自然だからだと思います。

 そもそも新大阪終点のさくらを鳥飼車両基地に回送するからこのようなややこしい状態になるので、
さくらが新大阪で折り返せばすっきりするのではないかという疑問が浮かびます。
そこで、さくらのダイヤがどのようになっているかをダイヤグラムで眺めてみます。

         新大阪到着   新大阪出発  鳥飼車両基地  新大阪到着   新大阪出発
さくら      h1:24:00    h1:34:30                   h2:10:00    h2:20:00

         新大阪到着       新大阪出発 
さくら      h1:42:45   20番線  h1:49:15

新大阪と鳥飼車両基地間の回送列車が描かれていないので、イメージがわかないかもしれませんが、
次のようになります。

さくら、新大阪駅付近 

 ダイヤグラムを眺めてみると、24分に新大阪駅に到着して、20分に出発するまで、一時間近くホームや引き上げ線を占有すると
設備の使用効率が下がるからではないかと思います。鳥飼車両基地まで回送し、そこで車内整備をするのが時間的に最適なのでしょう。

  20番線では、ホームに16分列車が停まっているという観点では、一時間に3本の列車が折り返すことができます。
しかし、さくらとこだまでは使用する車両が異なるので、実際には一時間に2本の列車が折り返すことができます。

  上のダイヤグラムでは、さくら556号とみずほ607号 それと こだま740号とこだま753号が20番線で折り返しています。
1-1で記述したとおり、新大阪駅も 21分52.5秒 か 51分52.5秒で折り返せばダイヤグラム(運行図表)は基本的に左右対称になっています。 
  さくら584号 は鳥飼車両基地に回送となり、さくら569号になります。

 ここで、もしのぞみ113号(広島行き)とさくら567号の順番が替わるとどうなるか考えてみます。
のぞみ134号(広島発)とさくら584号の順番も替わります。のぞみの時刻を固定したまま、さくらの時刻だけ変更すると、
さくらの時刻がほぼ現在ののこだまの時刻と重なり、20番線で折り返すことが可能になります。

 東京発の定期列車ののぞみは、一時間あたり博多行きが2本、広島行きが1本で20分間隔です。例えば名古屋から博多に行きたい人にとって
博多行きの列車は、20分と40分間隔できます。広島行きの列車からさくらに乗り換えが可能なら、博多行きの列車が20分間隔でくるのと
同じ効果があります。しかし現在のダイヤでは、下りはさくらがのぞみの5分前を走っていますから乗り換えはできません。
そこで、のぞみ(広島行き)とさくらの順番が替わると便利になるのではないかという考えが浮かびます。

 九州新幹線内での列車の間隔等現在のダイヤのほうが良い理由があるから、設定されているのでしょうが、複数年にわたって
同じ区間のダイヤをみていると、ダイヤの設定がなぜそのように設定されているかが想像できることもあります。
いずれこだまもN700系の車両になるでしょう。その時どのようなダイヤになるか楽しみです。

 最後に車両の話になりますが、20番線で折り返す列車には、JR九州の車両(N700系 R編成)が来ることが多く、
鳥飼車両基地から回送で新大阪駅に到着し、22番線や20番線から出発する列車はJR西日本の車両(N700系 S編成)が来ることが多かったです。
(最近はそうでもなく、区別無く使われているのかもしれません。)
博多・新大阪間の売上は、使われている車両が、JR九州の車両でもJR西日本の車両でもJR西日本の売上なので、
鳥飼車両基地への回送は、JR西日本の区間の営業列車で売上をあげるために必要なことなので、
JR西日本の乗務員の人の人件費が発生するのが自然です。しかし車両がJR西日本の車両である理由はありません。
あるいは、列車は鹿児島中央発なので、鳥飼車両基地への回送は、JR九州とJR西日本の区間の営業列車で売上をあげるために必要なことかも
しれません。なぜ鳥飼車両基地へ回送する列車は、JR西日本の車両が多かったのかは会計的な理由を考えてもよくわかりません。
 
 細かなことだけが気になって、(肝心なことが気にならないのが)ボクの悪いクセです。そう思っていただけで、区別無く使われている
のかもしれません。

 さらに車両の話ですが、JR九州の車両とJR西日本の車両が新大阪・博多・鹿児島中央間で相互に乗り入れる場合など、
お互いの他社線内での走行距離を等しくして、車両の減価償却費は自社で所有する車両分を計上し、
現金・預金のやりとりはしないという会計処理がおこなわれることがあります。
 JRの車両が、第3セクター鉄道の区間を走る場合は、これとは異なり、JR側が第3セクター鉄道側に通行料を払うという
話も聞いたことがあります。
 車両の提供だけでなく、鳥飼車両基地にJR西日本の車両を留置するのも地上設備の提供になります。
これについては、JR東海の車両をJR西日本の博多総合車両所に留置するなど、相互に等価の提供がおこなわれているのか、
それとも、留置線毎に月貸しするのかあるいはコインパーキングのような時間貸しなのかなど、
鉄道事業の会計的な面も疑問はいくつもわきますが答えはでていません。