列車ダイヤについて -- 2-35 ドクターイエローはいつまで走るの?
2020年9月1日
2-35 ドクターイエローはいつまで走るの?
ドクターイエロー(新幹線電気軌道総合試験車)が引退するかもしれないということが昨年頃から
話題になります。いつ引退するかは知りません。このコラムにもいつ頃だろうという予想は
でてきません。
新幹線の試験車は、ドクターイエローのような専用車両が良いのか、それとも
N700Sの一部の編成に搭載されている計測機器を使って、営業車両により行うのが
良いのかについての筆者の考察です。
鉄道ファンとして、ドクターイエローが好きです。関西方面に移動して、京都駅や新大阪駅
で下車すると、ホームの電光掲示板を見ます。もし、
回送 983 とか 回送 981 の表示があると、
仕事の出張の途中でもしばらく待って、写真を撮ってから仕事に向かいます。
しかし、検測は、営業車両により行うのが良いと思います。
理由は次の3つです。(技術的なバックグラウンドはほとんど無いので間違えているかもしれません。)
1.実際にお客さんが乗車している状態で計測できる
2.頻繁に計測できる
3.降雪時など、異常な状態での走行時の計測ができる
順番に説明します。
車両の重量は、一両で40トン余り、100人乗車すると、6トンから7トンの重量が加わります。
あまり影響がないようで、実際は定量的には説明できませんが、かなり影響があるようです。
電気軌道の検測には影響を与えないかもしれませんが、車両の走行時の特性もあわせて測定するとなると、
営業車両で測定するほうが良いでしょう。
現在、のぞみ検測 と こだま検測がありますが、例えば、岐阜羽島のような駅では、0番線や3番線を検測
することがあるのかないのか、どうしても細かなことだけが気になります。もっとも、東京駅や新大阪駅で
すべての線路を検測できるわけがないので、高速で通過している時の検測が重要なので、ホームに停まっているときは、
検測していないのかもしれません。ドクターイエローのような専用の高価な機器を利用して精密に測定するというのが
今まで主流でした。けっしてN700Sの一部の編成に搭載されている計測機器が安物といっているのでは
ありませんが、それほど、精密な測定ではなくても多くの条件で大量のデーターを集めて、
AIで判断するというのが現在の主流です。頻繁に計測できることは大きなメリットだと思います。
降雪により、ダイヤが乱れている時は、営業列車の運転が優先なので、ドクターイエローは運転されません。
しかし、軌道やトロリー線の状態を測定したり、車両の状態を測定するとしたら、
このような異常な時こそ、ぜひデーターを収集したい時です。営業列車による測定なら
犬も歩けば電柱にあたる(棒にあたる?)ように、貴重なデーターが得られるかもしれません。
よく、鉄道技術では日本が世界一といわれます。
日本企業はGAFAに遅れをとっているということが言われます。しかし、米国には、高速旅客鉄道がありませんから、
開発した技術をテストする場所がありません。米国の電気自動車が日本の自動車産業をおびやかすというように、
シリコンバレーの企業が、日本の鉄道産業をおびやかすことはないでしょう。
しかし、中国の技術が脅威になるおそれはあると思います。
日本の鉄道業界も、過去の伝統にあぐらをかいている場合ではありません。
例えば、日本の漫画・アニメは、世界最高の日本を代表する文化といわれます。
ほとんど詳しくないのですが、今のままでは、高度な日本の伝統文化として世界に紹介されても、
多くの学生がお小遣いをはたいて、少年XXを発売日に買っていたころの活力がなくなるのでは
ないかと思います。例えば違法コピーの問題も、法律の議論は当然必要ですが、AI自動翻訳技術で、
本来のサイトで迅速に世界中に配布する体制を確立するなど、イノベーションを起こす必要が
あるように思います。
話を鉄道に戻しますが、中国の技術で(あくまで素人の見解ですが)脅威に感ずるのが
センサーの技術と運行管理の技術です。
鉄道の計測項目をみると、大きな分類では、ドローンの姿勢計測制御の技術に通ずるものがあります。
ドローンでは中国のドローンメーカー「DJI」が世界シェアの70%程です。
しかも鉄道より圧倒的に母数が多いです。
運行管理についても、高速鉄道の運行距離が日本の10倍近くで、世界一です。
列車の運行密度では日本に劣りますが、毎日の運行から集まるデーターの量は
日本を上回ると思います。しかもITのソフトウェアーの技術では、
米国とならんで世界一といえる状況です。
日本で、東海道新幹線の計画が作られた時、専門家の中には懐疑的な人もいましたが、
銀座山葉ホールで行われた、「東京 - 大阪間3時間」の公演が多くの一般の聴取者の賛同を得た
ことが計画の進展につながったといわれています。
これからも、一般の人の意見を広く集めて、イノベーションを起こすことが
鉄道の発展につながると思います。