列車ダイヤについて -- 2-20 下りのさくらの時刻が変わりました
2019年3月16日
2-20 下りのさくらの時刻が変わりました
2019年3月16日のダイヤ改正では、東京駅毎時10分発・毎時33分着ののぞみや、毎時40分発・毎時03分着ののぞみなどの、
所要時間短縮が発表されています。
一方山陽新幹線内では、所要時間短縮はあまり話題になっていません。
毎時40分発・毎時03分着ののぞみでは、N700系での運転になって、東海道新幹線内では、約3分短縮されましたが、
博多まで運転される場合、山陽新幹線内では、2時間28分運転にはなっていません。
臨時列車なので速くしなかったのかもしれませんが、理由は不明です。
今回のコラムで、話題にするのは、山陽新幹線内のさくらの時刻変更です。
東京発着の列車の、所要時間が短縮される時、基本的に東京駅の発着時刻に変更はなく、下り列車の新大阪駅の到着が早くなり、上り列車の新大阪駅の発車が遅くなります。
そのため、東京駅から離れた場所のほうが、列車の時刻の変更が多くなります。
その関連で、さくらの時刻も変更になりました。 どういうことかというとまずは一般論ですが、
東京に車庫のある列車が、広島まで往復するとすると、ダイヤ改正があると、広島に早く着きます。そうして、広島の発車が3分遅くなります。
広島での滞在時間が6分増えますが問題にはなりません。
岡山に車庫のある列車が東京まで往復しても東京駅の時刻は変わらないので大きな問題にはなりません。
しかし、博多あるいは九州方面からの列車が、新大阪で折り返そうとすると、上り列車の新大阪駅の到着が3分遅くなって、下り列車の新大阪駅の到着が3分早く
なると、新大阪駅に滞在する時間が6分短くなるので大問題です。
元どうりの時刻でダイヤを設定できれば、それも可能性のひとつですが、元どうりの時刻でダイヤを設定すると、新しく設定された列車と時刻が
重なるとなるとダイヤを大幅に変更せざると得なくなります。
まず、2016/03/26ダイヤ改正時点でのさくらのダイヤを中心に新大阪駅付近の列車のダイヤを示します。
2016/03/26改正時点での新大阪駅付近のダイヤを、表示します
次に、2017/03/04ダイヤ改正時点でのさくらのダイヤを中心に新大阪駅付近の列車のダイヤを示します。
2017/03/04改正時点での新大阪駅付近のダイヤを、表示します
このダイヤ改正で、東京〜岡山間のひかりがN700系になり、東京〜新大阪間で3分運転時間が短縮されました。
それまで、59分に新大阪を出発していた、さくらが、岡山行のひかりと時刻が重複するため、変更しなければならなくなりました。
いろいろな可能性はあったのでしょうが、下りのさくらの時刻を変更して9分にして、上りのさくらの時刻を48分にしました。
新大阪駅で折り返すさくらが20番線を使う場合、到着する上り列車が下り列車と重ならないようにするとか、
20番線を専有して塞ぐ時間についても考慮する必要があります。42分に上り列車が到着して、59分発は可能ですが、
42分に上り列車が到着して、55分発は時間が短すぎるので、下りのさくらの時刻を変更して9分にして、それに伴って
上り列車の時刻も変更になりました。
次に、2019/03/16ダイヤ改正時点でのさくらのダイヤを中心に新大阪駅付近の列車のダイヤを示します。
2019/03/16改正時点での新大阪駅付近のダイヤを、表示します
今年の改正では、東京駅10分発の東京〜博多ののぞみが、東京〜新大阪間で3分運転時間が短縮されました。
また、東京駅毎時40分発・毎時03分着ののぞみが、所要時間短縮されました。
2017/03/16ダイヤ改正での鳥飼基地での折り返しの時間が長いことが問題になったのか、52分発のさくらが700系の臨時の
のぞみの後を走るのが問題だったのかはわかりませんが、
新大阪発の下りのさくらの発車時刻が8分と20分に変更になりました。
全体を通じて、さくら546号の新大阪到着時刻は、13時24分で変わっていないのですが、
20番線に到着する、さくら548号の新大阪到着時刻は変化しています。
2014年まで、東京発10分の博多行ののぞみが270km/h運転だった時は、さくら548号の新大阪到着時刻は、
13時44分でした。そして、のぞみ27号の新大阪発車時刻が、13時45分でした。
2015年のダイヤ改正で、のぞみ27号が東海道新幹線で、285km/h運転になったため、
のぞみ27号の新大阪発車時刻が、13時42分になり、さくら548号の新大阪到着時刻も、13時42分になりました。
2016年も同じです。
2017年から2019年までは、のぞみ27号の新大阪発車時刻が13時42分で、のぞみ169号の新大阪発車時刻が13時48分なので、
さくら548号の新大阪到着時刻も、13時48分です。
2020年に、臨時ののぞみ169号もN700系での運転になると、のぞみ27号の新大阪発車時刻が13時39分で、
のぞみ169号の新大阪発車時刻が13時42分頃になると思われます。のぞみ27号と、のぞみ169号の新大阪発車時刻の差が3〜4分では、
さくら548号が、のぞみ169号の発車時刻にあわせて新大阪に到着するのは不可能です。
さくら548号の到着時刻の可能性があるのは、13時39分以前か、13時48分頃以後(のぞみ169号が新大阪駅を十分はなれてから、
さくら548号が到着する場合)です。
話を、2019年のダイヤにもどしますが、
利用する立場のものとしてこのダイヤはまずいのではないかと思うことがふたつあります。
新大阪から鹿児島中央まで走る列車が1時間に2本あるとしたら、30分間隔で走るほうが便利が良いと思います。
8分と20分発車すると、利用者にはあまり便利が良くなく、また8分の列車のほうが混雑するのではないかと思います。
2つめは、姫路に停車するさくらが、新大阪発20分の下りと24分着の上りです。広島行ののぞみと5分間隔位で走っています。
1時間に2本の列車が停車するとすれば、5分間よりは、およそ30分間隔のほうが便利が良いと思います。
これらのふたつの条件を満たそうとすると、あくまで可能性のひとつではありますが、
下りは、52分発と24分発、上りは52分着と20分着ということになります。
およそ30分間隔で走ります。
52分発と52分着(現在の48分着が姫路に停車すると52分着になる)の列車が姫路に停車することになれば、
広島行ののぞみとあわせて姫路に停車する列車がおよそ30分間隔になります。さらに下りの、発車時刻を20分発から24分発にして、
広島行ののぞみと順番を変えることで、広島止まりののぞみから鹿児島中央行のさくらに乗り換えることが可能になります。
東京〜博多間のダイヤ全体をみても、新大阪始発の列車を設定するのは、東京発〜新大阪行の列車が新大阪に到着する時間帯です。
余裕のある時間帯は、東京発13分の列車から30分発の列車までと、50分発の列車から10分発の列車までということになります。
2020年3月にダイヤ改正が行われて、山陽新幹線を走る臨時ののぞみがすべてN700系になったとしても、さくらのうちの
一往復は新大阪駅の20番線で折り返すことに変わりないので、それほど自由にダイヤが設定できるようにはならないでしょう。
しかし、まず利用者に便利が良いダイヤを設定して、それにあわせて設備の使い方を考えるのが本来の姿ではないかと思います。